→(1)からの続き でも、モンゴル人の側の最大の不安要因は、やはり清朝時代から続いてきた、中国本土での人口膨張とそれに伴うモンゴル高原への漢人農民の北上という、歴史的な趨勢ではないでしょうか。 北アジアに限らず、遊牧生活は馬や羊等の放牧に広大な牧地を必要とするため、遊牧地帯の人口密度は元より低いわけです。そうした土地に外部から定住農民が入植した場合、遊牧民の側は生活に必要な牧地を失うだけでなく、数の上でも少数派になってしまいます。そして、牧地が足りない以上、彼らも定住を余儀なくされがちですが、その際に参考とされるのは多数派である定住農民の生活様式です。かくして、文化的な同化も進むことになる。 現在中国の領土である南(内)モンゴルで、ここ二百年もの間、何度と無く繰り返されてきたことです。 件の記事にあった、 >「内モンゴル地域は完全に漢化された。モンゴル民族の特徴は失われた」 >との政治宣伝