2005年10月11日04:00 カテゴリTaxpayer 嫌こそ国の上手なれ もしかして、自由な私民というのは、必然的に公、すなわち国家を肥大させるのではないか? ローマ人の物語VI パックス・ロマーナ 塩野 七生 帝政ローマの沿革を見ても、また20世紀の「先進国」の沿革を見ても、国の仕事というのは増えこそすれ減らないものだという印象を抱かざるを得ない。いづれもGDPを上回る速度で国家予算が成長しているのだ。しかしなぜか? 私民が、「やりたくない仕事」、「割に合わない仕事」を公に押しやるためではないのか? まず真っ先に公に押しつけられる仕事が、(国内外を問わず)他人にルールを守らせることと、そのための暴力の管理。現代の政治学では、「最も小さい国家」の姿を「夜警国家」としているが、最も小さな国家においても、この「だれもやりたくないものは国へ」という原理は成り立つ。 そして社会が豊かになるに