【ロンドン=木村正人】16日付の英紙ガーディアンは、イラク戦争開戦直前の2003年2月、パウエル米国務長官(当時)が「イラクは移動式の生物化学兵器工場を持っている」とイラク戦争の必要性を訴えた国連演説の根拠となった内部情報は「イラク人情報提供者による捏造(ねつぞう)だった」と報じた。 「カーブ(曲球)」と名付けられた情報提供者でイラク人亡命者のラフィド・アハメド・アルワン・ジャナビ氏=ドイツ在住=が同紙の単独インタビューに応じたもので「当時のフセイン政権を倒すためにでっち上げた」と明らかにした。 1995年にイラクから亡命したジャナビ氏はドイツの情報機関に対し、(1)トラックで細菌を製造する生物化学兵器の実験室で働いていた(2)98年に事故が起き生物化学兵器の技術者が12人死亡した(3)イラクは6カ所で移動式の生物化学兵器工場を運営している-などの情報を提供した。 パウエル氏の国連演説はジ