東日本大震災から3カ月半が過ぎたが、被災地で暴動も略奪も起こらなかったことについて、いまだに海外からは称賛の声が聞かれる。日本の多くのメディアや識者も、このことに言及していたが、なぜ暴動も略奪もなく、多くの被災者が穏やかに、時に感謝の言葉さえ述べるのかについては納得できる説明がなかった。「日本人だから、としかいいようがない」というのもあった。 このレベルの災害があれば、日本以外のほとんどの国で略奪が起き、流血の暴動が起こるのは必至だというのだ。そして被災者は泣き叫び、援助のないことを訴え続ける。 だが、日本人はそうではない。これにはふたつの大きな理由があると思う。そのひとつは、待てば必ず何とかなるという安心感である。電車でもきちんと並んで待っていれば必ず乗れる。秩序よくすれば、裏切られることはない、という安心感はどこからくるのか。それは、政府は被災者を見殺しにはせず、必ず救援の手を差し伸べ