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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (17)

  • 少女を殺人にいざなうネットキャラ「スレンダーマン」

    「スレンダーマン」という架空のキャラクターが、突如全米の注目を集めている。ウィスコンシン州で12歳の少女2人が同級生をめった刺しにし、逮捕された後に「スレンダーマンがそう求めていたから」とその動機を語ったからだ。刺された少女は数ミリの差でナイフが急所を外れかろうじて命はとりとめたが、19回も刺されていたという。 スレンダーマンは都市伝説の一種だ。実際には存在しないのにあたかも実在するかのように噂され、架空とは思えないような細かなキャラクターやエピソードも付随し、現実と非現実の境界をわからなくさせる。 スレンダーマンは、2009年にインターネット上で行われたフォトショップ・コンテストで生み出された。不自然なほどに背の高い男で黒い服に身を包み、顔面は空白。人、子供をさらい森を好む、といった核となる人物像はこの時につくられた。 最初に登場した時から、子供たちをさらった証拠写真のようなものがキャプ

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    kozai 2014/06/19
  • 「現代のパトロン」クラウド・ファンディングの落とし穴

    アメリカではすっかり定着した感のあるクラウド・ファンディング。ここから面白い製品やコンピューターゲーム、イベント、そしてアート作品が続々と生まれている。 クラウド・ファンディングは、製品や作品を作りたいイノベーターやクリエーターが、インターネットを通じでアイデアを公開、アピールし、それを見た普通の人々に資金を提供してもらうというしくみ。資金提供はたいてい数ドルとか数10ドルといった単位の少額からできるので、個々人のリスクは小さく、けれども全体としては大きな額になる。それで、プロジェクトをスタートできる。 おもしろいアイデアはあるが制作資金のないデザイナー、広告費をかけられないので観客を集められない劇団、ドキュメンタリーを撮りたいがお金のない映像作家などが、クラウド・ファンディングのサイトを通じて共感を抱いてくれる人々を世界中から探し出し、彼らの資金援助によって自分の夢を実現してきた。日

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    kozai 2013/12/25
  • 日本の大学は非常勤講師を使い捨てる「ブラック大学」

    早稲田大学が今春から非常勤講師に適用した就業規則について、早大の非常勤講師15人が6月、早大総長や理事らを労働基準法違反で東京労働局に刑事告訴した。原告の首都圏大学非常勤講師組合の松村委員長によると、非常勤講師は今年度から契約更新の上限を5年とする、と大学から一方的に通告されたという。 大学側は労働基準法にもとづいて意見を聞いたとしているが、講師らは正当な手続きを経ていないと主張し、「早大はわれわれを5年で使い捨てるブラック大学だ」と批判している。大阪大学も今年度から非常勤講師の契約期間の上限を5年とする規定を設け、これに対しても労働組合が告訴する動きがあり、これは一部の大学の問題ではない。 4月から改正された労働契約法では、非正規労働者が5年を超えて勤めると、人が希望すれば期間の定めのない「正社員」に転換しなければならないため、多くの企業で契約社員などを5年で雇い止めする動きが広がって

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    kozai 2013/07/31
  • 金子勇氏とWinnyとともに日本が失ったもの

    7月6日、ファイル共有ソフトWinnyの作者、金子勇氏が急性心筋梗塞で死去した。享年42歳。あまりにも早い死だった。警察が彼を逮捕し、Winnyを葬り去ったことによって日が失ったものは限りなく大きく、もう取り戻すことはできない。 Winnyは、2002年に開発されたP2Pソフトウェアである。P2Pというのは、インターネットでサーバを介さずにパソコン同士で直接ファイルをコピーするシステムで、1999年にアメリカで開発されたナップスターが最初である。これは著作権法違反として禁止されたが、その後も世界各国でP2Pソフトが開発された。 Winnyもその一つだが、著作権法違反に問われるおそれがあるため、金子氏(当時は東大助手)は2ちゃんねるに「47」という匿名でプログラムを投稿した。これは大量のデータをコピーするために多くの中継点に部分的なキャッシュ(一時コピー)を残し、次にコピーするときはそのキ

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    kozai 2013/07/10
  • 米政府の個人監視に逆らえないテクノロジー企業

    やはり、これはもう自衛するしかない。 ここ1週間、アメリカを騒がせている米国家安全保障局(NSA)による個人情報収集問題に関するメディアと政府、そしてテクノロジー企業の動きを見て、そう決めた。 この問題は、NSAがアメリカの複数のテクノロジー企業の協力を得て、電子メール、チャット、ビデオ、写真、送信ファイル、保存データなどの個人情報を入手していたという問題だ。『プリズム』という名前の強力なシステムを走らせて、保存された情報と共に生のやり取りもまですべてが秘密裏に監視されていた。 協力した企業は、マイクロソフト、グーグル、ヤフー、フェイスブック、スカイプ、AOL、アップルなどで、各社は2007年から次々とこのプリズムに組み込まれてきたようだ。 現実にプリズムがどういうしくみになっていたのかは、まだ明らかではない。当初は、各社のサーバーにNSAが自在にアクセスできるようにも報じられたが、実際に

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    kozai 2013/06/15
  • シリコンバレー、仰天「社員特典」のヤフーな副作用

    「パーク(perk)」と呼ばれる社員特典制度が、シリコンバレーで充実してきた。いや、充実どころかちょっと過剰気味になっている。各社が充実度を競う結果「え、そんなことまで?」という制度も増えてきている。 パークの充実には全米の企業が努力しているが、とりわけシリコンバレー企業にとっては不可欠のものと言っていい。エンジニアは常に供給不足で引く手あまた。どの企業も職場環境の魅力をアピールすることで少しでも優秀なエンジニアを雇い入れ、また他の企業への転職を防ごうと必死なのだ。 パークの具体的な中身をレベル別に見てみよう。 ■基レベル ・フレックスタイム ・在宅勤務 ・社内カフェテリアでのグルメなランチ(割引料金、あるいは無料) ・社内スポーツクラブ、ヨガやダンスのクラス(無料) ・ペット同伴出勤 ・無料のスナック、ドリンク ■中級レベル ・Wi-Fi完備の社用バスによる送迎出勤 ・社内無料マッサー

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    kozai 2013/03/10
  • 政治家を育てる質問

    12月16日の衆議院選挙投票日。テレビ東京の開票特番「池上彰の総選挙ライブ」を担当しました。 放送中から思わぬ反響をいただき、テレビ東京にはいまも再放送やDVDの発売を求める声が寄せられているそうです。 テレビ東京の人たちはもちろんのこと、外部スタッフが総力を挙げて制作・放送したものですから、当然の評価とはいえ、その一翼を担った私も嬉しく思います。 いつも「いい質問ですね」が口癖の私としては、視聴者に「いい質問ですね」と言ってもらえる内容を目指したからです。 ただ、党首や候補者への私のインタビューは、ジャーナリストとして当然のことをしたまでで、これに関する評価は面映ゆいものがあります。 というのも、たとえばアメリカテレビ政治番組なら、政治家に対しての容赦ない切り込み、突っ込みは当然のことだからです。 日なら「失礼な質問」に当たるようなことでも、平然として質問をしますし、質問を受けた側

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    kozai 2012/12/24
  • NY地下鉄で死ぬ直前の男の写真が撮られたとき、他の乗客は何をしていたか

    ニューヨークのタブロイド紙『ニューヨークポスト』が火曜、前日に地下鉄駅で起きた事故を報じた。いや、正確には事故になる瞬間を報じたと言った方が正しいだろう。 乗客同士の言い争いで50代の男性がホームから突き飛ばされ、そこに入ってきた電車に挟まれて死亡した。ニューヨークポストが1面で大きく掲載した写真は、ホームに手をかけ数メートル先に迫った電車のほうを振り返った男性の姿を捉えている。タイトルは、「万事休す、線路に突き落とされた男が死に行く瞬間」。 この事件は、いくつもの意味でいたたまれない気持ちにさせる。 まずジャーナリズムの観点から、こんな写真を載せる必要があったのかという点。数秒後に死のうとしている人間の姿を晒すことに、センセーショナリズムを煽る以外の意味があるのか。 もし事故の様子を伝えることが目的だったのならば、文章で説明し、写真は意図的に掲載しないという選択肢もあっただろう。だが同紙

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    kozai 2012/12/06
    写真を撮ったカメラマンはどうか。たまたま現場に居合わせたこのプロカメラマンは、人が線路に落ちたところへ電車が入ってくるのを見て、必死に駆け寄ったという。その間、カメラのフラッシュを何度も焚いて、電車の
  • 習近平とジェレミー・リン

    米誌「タイム」が「世界に影響を与える100人」の最新リストを発表した。それをざっと眺めて、わたしが個人的に感じたのが、1)日人が一人も選ばれなかった、2)金正恩が!、3)習近平や汪洋ら中国の新世代指導者も、4)そしてなんとジェレミー・リンが入選!!だった。 1)は「来る時が来たな」という感じ。日人としてこんな感想はよろしくないのかもと思いつつ、世界における日の存在感の急激な減少と、それに対して危機感も緊張感もない国内を眺めていると予想された範囲である。申し訳ないが、海外におけるかつての日へのあこがれや吸引力といったものは激減しており、今かろうじて残っているようにみえるそれは「過去の遺物」でしかない。昨年の100人に入った日人もいわゆる「フクシマ」(外国人から見た、という意味で敢えてカタカナにする)がらみの日人だった。あのような大地震や事故、あるいは事件でも起こらない限り、今の日

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    kozai 2012/04/22
  • フェイスブックから利用者を「解放」するアンチFBサイトって?

    先日、高校を卒業したばかりの知り合いの女子がこう宣言した。「フェイスブックは、もう辞めた!」 アメリカのティーンエージャーにとって、フェイスブックなしの生活などあり得ないはずなのだが、これからは「前フェイスブック時代」のように、インスタント・メッセージでひとりひとりの友達といちいち連絡を取り合う生活に戻るのだという。 彼女がフェイスブックを辞めた理由は、「友達」みんなとのやりとりがこれでもかと込み入ってきて、面倒くさくなったからだという。そんなことに時間と神経を費やすことにうんざりしたらしい。彼女たちが住んでいるのは、仲間がフェイスブックで情報を共有して、みなが一斉に同期化しているような環境だから、そこから一人抜け出すのはさぞ勇気が要ったと思うのだが、一方でせいせいしたことも確かだろう。 別の成人男性は、「友達」リクエストに気楽に「イエス」と応えているうちに、よく知らない人や好きでもない人

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    kozai 2012/02/18
  • インターネットへのアクセスは人権か?

    年明けから、「インターネットへのアクセスは人権か?」という議論が盛り上がっている。 ことの起こりは、昨夏に国連の特別報告書が、「インターネットは、民衆が正義と平等、説明責任、人権の尊重を求める際に核となる役割を果たしている」と記したことだった。 これはもちろん、北アフリカや中東で起こった民主化運動「アラブの春」で、インターネットやソーシャルメディアが多用されたことを受けたものだ。その後、先進国でも「ウォール街占拠運動」が起こり、そこでもインターネットを通じて組織化や寄付金集めなどが行われ、これに同意する機運が高まっていたわけだ。 ところが年明けに、グーグルの副社長で「インターネットの父」と呼ばれるヴィント・サーフがニューヨークタイムズ紙に意見記事を発表した。曰く、「インターネット・アクセスは人権なんかじゃない」。 サーフはインターネットの良心として敬われ、テクノロジーにも精通した人物。それ

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    kozai 2012/01/18
  • ジンガもフェイスブックも──腐敗する有望IPO企業

    テクノロジー業界にIPO(新規株公開)機運が戻ってきている。今後数ヶ月の間にIPOを計画している新興企業は、フェイスブックやイェルプ(レストランなどの評価サイト)など、いくつも挙げられる。 それ自体は喜ばしいことだが、今回のIPOの波には何かと不愉快な出来事がつきまとっている。最近の例はジンガ(Zynga)だ。 ジンガは、フェイスブックのサイト上でユーザー同士が参加できるゲームを開発した会社。いろいろな器具を揃えて農業を営む『ファームヴィル』や、ギャング間の闘いをまねた『マフィア・ウォーズ』などのゲームは有名だ。 2007年に創設された同社は今秋のIPOがうわさされており、その人気に鑑みると大型IPOになるものとみられる。現在の評価額は200億ドル近くにも達している。 だが、同社はこの期に及んで何人かの社員に対し「クビになりたくなければ、株の一部を返上しろ」と脅迫している。「その株の分だけ

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    kozai 2011/11/20
  • もし日本でギリシャのような財政破綻が起きたら

    欧州の債務危機は、ギリシャの国民投票という予想外の展開で、きわめて深刻になってきた。誰もが連想するのは、ギリシャよりはるかに大きな政府債務を抱える日は大丈夫なのか、ということだろう。 もし将来、日の財政が破綻したら何が起こるか、という想定で、私のメールマガジンで「もし小泉進次郎がフリードマンの『資主義と自由』を読んだら」という未来小説を連載したところ、複数の版元から「出版したい」というリクエストをいただいた。これは冗談なので小説にはならないとお断りしたが、漫画化したいという話があったので、今月末に日経BP社から長編コミックとして出版する。 ギリシャはこの小説に書いたような展開になってリアリティが出てきたが、日との違いも多い。まずギリシャのGDP(国内総生産)は日の1/20程度で、大した産業がなく、社会主義政権で放漫財政が続いてきた。またユーロという共通通貨があるため、インフレはあ

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    kozai 2011/11/05
  • Google はフェースブックより「まともな」SNS | @シリコンバレーJournal | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    グーグルが新しいSNS(ソーシャルネットワーク・サービス)を発表した。 その名は「Google+ (グーグル・プラス)」。現在はまだ一般公開前のフィールド・テスト段階で、つまり限られたユーザーにしかオープンにされていない。私は、知り合いからインビテーションをもらい、早速あれこれ試してみた。 大いに感心したことが、まずふたつある。 ひとつは、デザインがわかりやすいことだ。それもそのはず。アップルの元祖マッキントッシュ・コンピュータの開発メンバーで、今はグーグルに在籍するアンディ・ハーツフェルドがデザインしたとのことで、アップルのインターフェイスのように使いやすい。見た目もすっきりときれいだし、使い勝手もいいというのは、エンジニアっぽさが目立ついつものグーグルのサービスとは、ちょっと違った感じである。 もうひとつ感心したのは、SNSをやっと「まともな」ところへ持ち上げてくれたことだ。それは「サ

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    kozai 2011/07/02
  • 日本にもウィキリークスが必要だ

    尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件の映像が流出した事件。この機密情報漏洩問題で連想したのは、もちろんウィキリークスのことだ。 日政府は漏洩したのは誰かをつきとめるために躍起になり、マスコミはそれを報道するばかり。だが、ウィキリークス体験に洗われたアメリカから見ると、「もし日にもウィキリークスのようなサイトがあれば、国民の議論はもっと先に進んでいたのではないか」と思えてならない。 ウィキリークスはご存じのとおり、今年7月と10月の2回にわたり、合わせて50万ページにもおよぶアフガニスタン、イラク両戦争の戦闘ログ(記録)を公開した国際的な内部告発サイト。 その特徴は、身の危険を冒してリークを行う政府や企業の内部告発者を護るために、情報通信経路の随所に暗号化の技術を埋め込み、実際にその情報がどこから流出されたのかをわからなくしてしまうことである。サーバーも世界数か国に設置し、特定のロケーショ

    日本にもウィキリークスが必要だ
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    kozai 2010/11/13
    日本にもウィキリークスが必要だ
  • 既存メディアの限界なのか | Newsweek斜め読み | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    連日多数の人が殺され、それを報道する新聞記者たちも、次々に消されていく。たまりかねた新聞社は、遂に報道の自由を放棄。麻薬密売組織のことを報道しなくなってしまった。 こんなことが、報道の自由を謳歌しているアメリカの隣の大国で起きているのに、日の国内では、大きな扱いにはならない。これに歯がゆい思いをしていたのですが、誌日版10月20日号は、ようやくこの問題を取り上げました。「麻薬戦争に現われた『救世主』ブログ」というタイトルの記事です。麻薬戦争が繰り広げられているのは、アメリカの南隣のメキシコなのです。 この記事には、麻薬カルテルによって殺されたと見られる死体が吊るされているショッキングな写真が添えられています。極めて衝撃的なシーンを撮影した写真ですが、極力グロテスクにはならないように配慮されてもいます。残虐な事件は、写真によって迫真的になるけれど、目を背けたくなってしまう。こんなジレン

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    kozai 2010/10/17
  • 「ティーパーティー」とは何者か

    一時は人気のあった民主党が支持を失っているのは、日ばかりではありません。アメリカも同じこと。今年11月にはアメリカの中間選挙(4年ごとの大統領選挙の中間の年に実施される連邦議会選挙なので、こう呼ばれる)があり、民主党の大幅退潮が予想されています。 9月24日に発表されたCNNテレビの世論調査によれば、オバマ大統領の支持率は42%と過去最低。中間選挙での民主党の支持率は44%、共和党は53%と、民主党の苦戦ぶりが鮮明になっています。 この調査で注目されるのは、保守系の草の根運動である「ティーパーティー」系の候補者を支持すると答えた人が5割にも上ったことです。 ティーパーティーという言葉でアメリカ人が思い出すのは、「ボストン・ティーパーティー」。アメリカが植民地時代、イギリスが課した茶への重税に抗議する人たちが、ボストン湾に茶を投げ捨て、「ティーパーティー」(茶会)と称した事件です。ティーパ

    「ティーパーティー」とは何者か
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    kozai 2010/10/13
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