近年はアニメ映画などで大ヒット作も相次ぎ、年間のアニメ放送本数は300本以上、版権などを含めた市場規模は2兆円に到達するなど、一大産業へと成長したアニメ業界。しかし、その制作現場では近年トラブルが相次いでいる。2019年4月にはアニメ制作大手のマッドハウスが、上限を超えた時間外労働があったとして、新宿労働基準監督署より是正勧告を受けた。 過去にも作画の乱れなどから立て続けに放送延期、中断が相次ぎ、制作側のキャパシティがパンクする「2016年クライシス」が懸念されたこともあるアニメ制作業界。背景には、近年のアニメーター不足に端を発した制作スケジュールのひっ迫や、製作委員会に出資しない限り制作企業に利益が還元されにくいといった、受注産業ゆえの課題などが指摘されている。 こうしたなか、経営が行き詰まるアニメ制作企業が増えている。倒産や休廃業、解散などで、市場から退出したアニメ制作企業は3年連続で