全国の小児科医で構成する日本小児科医会は9月7日、「日本の小児地域医療を崩壊から守るための緊急メッセージ」をウェブサイトに掲載した。メッセージの中に、「妊娠出産控えにより国立成育医療研究センターの2021年初旬の出産予約は2/3に減少」との記載があったことが気になった。新型コロナウイルス感染症の第1波のときに妊娠を避けようとした結果こうなっている可能性がある。
書こうか書くまいか散々悩んだ結果、やはり書こうと思う。 なぜ、悩んだのか? 一つには、何から書いていいか分からないほど、「絶望」に近い感情を抱いたこと。そして、もう一つは、どうしたら伝えたいことが伝わるか、最善の方法が見つからなかったからだ。 が、今書いておかないと後悔しそうなので、書きます。 テーマは「人さまに迷惑をかけるな!」といったところだろうか。 まずは、遡ること14年前に起きた、忘れることのできない“ある事件”からお話しする。 2006年2月1日、京都市伏見区の河川敷で、認知症を患う母親(当時86歳)を1人で介護していた男性(当時54歳)が、母親の首を絞めて殺害した。自分も包丁で首を切り、自殺を図ったが、通行人に発見され、未遂に終わった。 男性は両親と3人で暮らしていたが、1995年に父親が他界。その頃から、母親に認知症の症状があらわれはじめる。一方、男性は98年にリストラで仕事
各種デザイン制作、ウェブマーケティング、美容、ファッション、キャリア相談まで、個人や法人が得意なスキルや知識、経験を売買できるオンライン市場「ココナラ」。大手銀行や企業買収ファンドを経て、同サービスを立ち上げたココナラ社長の南章行氏は、自身の子育てにおいても「“得意”を生かす」ことにこだわっている。後編は「結果」を褒めず、「手伝い」に小遣いを渡さない理由。 なお南氏は2020年2月18~20日に福岡で開催される「ICCサミットFUKUOKA 2020」において、本連載とのコラボ企画「『子育て経営学』—私たちは子供をどう育てていくのか?(シーズン3)」に登壇する予定だ。本連載にも登場したスペースマーケット代表・重松大輔氏らとともに、子育てと経営の共通点などについて語り合う。 ココナラ代表取締役社長 南章行(みなみ・あきゆき)氏 1975年愛知県生まれ。慶応義塾大学卒業後、99年、住友銀行(当
「事件」は訪問介護の現場で起きた。 2019年8月、自宅で介護サービスを受けていた後期高齢者の男性が、60代の男性スタッフのA氏に故意に押し倒されるトラブルが発生した。利用者の男性にケガはなかったものの、一歩間違えば惨事になりかねない出来事。A氏が働く訪問介護サービス事業者の社長は、ただちに事実関係の調査に乗り出した。 介護の現場での虐待は社会問題となっている。厚生労働省によると、養介護施設従事者などによる虐待件数は年々増加し、2017年度は510件と前年度から約13%増加。主な原因は、典型的な人手不足の職場で働かされ、たまっていくスタッフ側のストレスであるといわれている。 ただ、A氏と面談したカウンセラーは、そうしたストレスによる虐待は、人手不足の解消を急ぐあまり“介護の現場にすぐには適応できない職員”を無理やり雇用している側にこそ責任がある、と考える。 当事者の口から出た意外な理由 問
津久井やまゆり園殺傷事件の初公判が始まった。 「障害者は生きてる意味がない」「生産性がない」などという優生思想を掲げた被告が、19人もの人たちの尊い命を奪った事件から3年超……。日本は、その教訓を生かして障害者と共存する社会に向かっているのだろうか。 れいわ新選組から筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後靖彦議員と、脳性まひを患う木村英子議員が当選したときに、「重度障害者に政治家としての仕事が務まるのか?」と批判した人々がいた。また「桜を見る会」の招待者名簿がシュレッダーで廃棄された問題を追及されたときに、「担当である障害者雇用の短時間勤務職員の勤務時間等との調整を行った」(12月2日の参議院本会議)と、わざわざ“障害者”という言葉を使ったこの国の首相……。この半年間に起きたことを振り返っても障害者へのまなざしは変わっていないように思えてならない。 事件で被害にあった人たちを、「甲A」「甲
テレビ東京アナウンサー・西野志海と日経ビジネス編集委員・山川龍雄が、世間を騒がせている時事問題をゲストに直撃する動画シリーズ。第23回のテーマは、減速目立つ景気指標「消費増税は正しかったのか?」。軽減税率やポイント還元など手厚い対策を盛り込んだが、それでも増税後の指標はさえない。塚崎公義・久留米大学教授は、円建て債務が中心の日本で「国債のデフォルトが起きる可能性は低い」と指摘。「国の借金が1100兆円を超える中で、5兆円程度の税収は誤差の範囲内。不安材料が多いこの時期にあえて増税する必要はなかった」と強調する。痛税感を伴い、景気への影響が大きい消費税よりも、資産課税を強化すべきだと提言。配偶者や子供がいない人の場合、「相続税8割」を主張する。
「ニューオータニの宴会場で800人の立食パーティーをやって、一人アタマ5000円で済むのか」 という話題が、この1週間、様々な場所で行ったり来たりしている。 バカな話だと思う。 私の感覚では、無理に決まっている。これが無理でないのだとすると、この世界に「価格」というスタンダードがあること自体がおとぎ話になってしまう。 どんなに優秀な幹事を立てたところで、きょうび都内の一流ホテルで料理と飲み物を出すパーティーが、一人アタマ1万円以下の会費でペイできる道理はない。聞けば、当日は有名寿司店の寿司がふるまわれたというし、名前の知れたシャンソン歌手が歌う場面もあったのだそうだ。だとすれば、なおのこと5000円という会費はあり得ない。完全に不可能だとまでは断言しないが、近所のコンビニで売っている120円のシュークリームひとつで丸1週間食いつなぐことが困難であるのと同じほどにはバカげた話だと思う。 仮に
「闇営業」という言葉は、いつ頃からメディアで使われるようになったのだろうか。 この耳慣れない言葉は、誰によって発明され、どんな分野で市民権を得て、いかなるタイミングで新聞の紙面で使われるまでに成長したのだろうか。 職業柄、この種の新語には敏感なつもりでいるのだが、不覚なことに、私はこの言葉を、つい3日ほど前までまったく知らなかった。 この関係のニュースを知ったのは、ツイッターのタイムライン上に、スポニチの記事へのリンクが張られたからだ。 ところが、吉本興業所属の芸人などによる「闇営業」の顛末を伝える記事へのリンクは、その日のうちに、突如として削除される。 ニュースに反応していたアカウントのツイートは、当然、リンク切れになる。 かくして、この種のなりゆきにセンシティブなニュースウオッチャーたちが騒ぎはじめる。 「なんだ?」 「どういうことだ?」 「どうしていきなり削除してるんだ?」 「圧力か
読者のみなさんはどこで服を買っているだろうか。筆者は「赤貧洗うが如し」の暮らしぶりなので、ユニクロ、無印良品、GAPの3か所で、ほとんどの洋服を購入する。しかもいずれも定価で購入することはなく、すべてセールである。ここにライトオン、ポイントが運営する「レイジブルー」「グローバルワーク」、ジーンズメイトが加われば、ここ4年間で購入した洋服の全ブランドがラインナップされてしまう。もちろんすべてセール価格であり、おそらく「底値」で購入している。 こんな話をすると、この業界以外の人からは「アウトレットで買う方が良いのでは」と言われる。だが、その認識はあまり正しくない。 お買い得度は通常店のセールが上 巷で人気のアウトレットモールだが、それほどお得ではない。高額ブランドや海外ラグジュアリーブランドを購入したいのであれば、アウトレットはある程度有効かもしれない。しかし、一般的なSPA(製造小売り)やセ
昨今、出版の世界から耳を疑うようなニュースが流れてくることが増えた。 新潮社の月刊誌「新潮45」が、LGBTの人々を「生産性がない」という言い方で貶める杉田水脈衆議院議員による極めて差別的な論文を掲載したことで批判を浴びたのは昨年の夏(8月号)のことだった。 批判にこたえるかたちで、「新潮45」の編集部は、10月号の誌面上で、「そんなにおかしいか、『杉田水脈』論文」という特集企画を世に問うた。 全体的に粗雑かつ低劣な記事の並ぶ特集だったが、中でも小川榮太郎氏の手になる記事がひどかった。 「LGBTの生き難さは後ろめたさ以上のものなのだというなら、SMAGの人達もまた生きづらかろう。SMAGとは何か。サドとマゾとお尻フェチ(Ass fetish)と痴漢(groper)を指す。私の造語だ。」 などと、LGBTを世に言う「変態性欲」と意図的に混同した書き方で中傷した氏の文章は、当然のことながらさ
育児休暇からの復帰直後に転勤を内示したことや、有給休暇の取得を認めなかったことなどがツイッターで指摘されているカネカ。「当社の社員であるとはっきりするまでコメントを控える」としてきたが、日経ビジネスの質問に対して初めて同社IR・広報部が回答した。 同社は、日経ビジネスが入手した、同社の角倉護社長が社員に宛てたメールに対し、「当該メールに関するご質問に対しては、内容の補足説明として」回答するとした。 日経ビジネスからの質問と、それに対するカネカIR・広報部の回答は以下の通り。 社長からのメールの中で、SNSの書き込みに対して「正確性に欠ける内容」との指摘があった。正確性に欠けているのは具体的にどういった内容か。 細かな事実関係についてコメントさせていただくと元社員の方の個人的な情報にも及ぶこととなるため差し控えさせて頂きます。「転勤の内示が育児休業休職(以下育休とします)取得に対する見せしめ
夫に育休から復帰後2日で転勤辞令が出たことや、有給休暇の取得を拒否されたことなどがツイッターで告発され、ネットでの炎上が続くカネカ。本誌が6月3日付け「「育休復帰、即転勤」で炎上、カネカ元社員と妻を直撃」で報じたとおり、同社IR・広報部は「当事者が当社の社員であるとはっきりするまで事実の有無を含めてコメントできない」との姿勢を崩さなかった。 一方、日経ビジネスの取材で、3日中にカネカの角倉護社長から社員宛てに、今回の炎上に関するメールが出されたことが分かった。複数の同社社員が認めた。 メールでは「育児休業休職直後に転勤の内示を行ったということはあります」として夫婦の主張の一部を認めたほか、「当該社員に誤解を生じさせたことは配慮不足であった」として、広報のコメントとは一転して、ツイッターでの発言主の夫が同社の社員だったことも併せて認めた格好だ。 角倉社長からのメッセージを以下に全文掲載する(
パーソルグループのパーソル総合研究所と中央大学は2018年10月、「20年の日本の人手不足数は384万人」と推計した。一方、リクルート研究所によれば、会社に籍を置きながら事業活動に活用されていない人材である「雇用保蔵者」が約400万人いるという。日本の人手不足が深刻化しているのは、企業が本当の意味で生産性を高めていないからではないか――。日経ビジネス3月25日号「凄い人材確保」では、そんな人手不足の真実を研究した。 生活費を考慮しない最低賃金 「低い最低賃金が人手不足を助長している」。静岡県立大学の中澤秀一准教授はそう主張する。生産性を高めるための企業努力よりも、安い人件費の労働者を活用する方が利益を得やすいため、多くの人材を浪費する非効率な仕事が減らないのだという。 法律によれば、最低賃金は「労働者の生活費」「類似の労働者の賃金」「通常の事業者の賃金支払能力」3つの要素を考慮して決めなけ
日本では人口が減少し、人手不足が深刻化している。有効求人倍率は好景気を背景に2010年以降上昇を続け、18年には1.61倍と、1973年の1.76倍に次ぐ過去2番目の高水準を記録した。だが、人手不足を原因とする企業の業績不振の中には、よく見ると「本当に全てが人手不足のせいなのか疑わしい」事例があるようだ。日経ビジネス3月25日号「凄い人材確保」では、こうした疑惑の人手不足も研究した。 言い訳としての「人手不足」 民間調査会社の帝国データバンクによると、いわゆる「人手不足倒産」は増えている。2018年1年間で、従業員の流出や採用難などが最も大きな理由になって倒産した会社は153件。「人手不足」が叫ばれ始めた13年から始めた調査の中では18年の件数が最も多く、この5年で4.5倍となった。 人手不足に陥ってから倒産に至るまでにはいくつかの段階を踏むので、帝国データバンクとしては人手不足が「直撃し
2018/11/26 01:56 興味深い考察だと思います。 確かに、国民の大多数は少子化に対する 危機意識がまだ薄いと思います。 国を挙げて、というとおおげさかもしれませんが そのくらいの危機意識を持つ必要があると 痛切に思います。 2018/10/22 07:25 少子化が良いことだなんて、軽はずみに言えますか? 自分が生きていることも先祖代々が生きつないできた結果です。 家系が途絶えても良いとは、軽はずみに言えないと思います。 2018/10/16 17:47 数字から定量的に分析しても納得感がありません。 300人の独身男性に結婚しない理由、できない理由を深く訪ねて定性的に分析してください。 300通りとは言わないが、50通りくらいの理由があり、ここで上げている数種類の理由は 的外れだと思います。 実際、私の周囲の独身男性はこれまでメディアが挙げているような理由にはどれも該当しませ
「絶対に辞めちゃダメです。なんとかなるは通用しない。介護離職は終わりの始まりなんです」──。 こう話すのは数カ月前、お父さんを見送った52歳の男性である。 彼は数年前、私のインタビューに協力してくれた方で、当時は某電機メーカーの営業マンだった。それをきっかけにfacebookでつながり、一昨年、お父様の介護で仕事を辞めたことを知る。 時折、お父さんの様子をFBにアップしたり、社会問題や政治への意見なども書いていたりしていたのだ。が、その投稿が最近途切れ「どうしてるのかなぁ」と気になっていたところで、彼からメールが届いた。 そこには、“雨に降られた人”にしか決して綴ることのできない重い言葉と、絡まりまくった感情が切ないほど繰り返されていて、読んでいて苦しかった。 そう。そうなのだ。 私にとって親の介護問題は他人事ではない。ちょっとずつ、そして確実に老いていく母の存在が、日に日に自分の中で大き
いよいよロシアワールドカップ(W杯)がはじまった。 私にとって、サッカーのW杯ほどわくわくさせてくれるイベントはほかにない。4年に一度、世界一周旅行に旅立つみたいな心持ちだ。あと何回見られるだろうか。 死ぬ前に、もう一回現地でナマの試合を観戦してみたいと思っている。生活に余裕ができたら、次の大会か、それが無理ならそのまた次の大会を機に、半月ほどスケジュールを空けて開催地を訪れてみたいものだ。 今大会は、自国の代表チームとは距離を置くつもりだ。応援とは別の気持ちで、各国の精鋭の戦いを観賞しようと思っている。それでも十分に楽しいはずだ。 日本代表が勝つようなことがあれば、私は喜ぶだろう。しかし、負けることになっても、それはそれで溜飲が下がるはずだと思っている。両面作戦だ。勝てば勝ったで選手を誇りに思うし、負ければ負けたで自らのサッカーファンとしての見識を誇りに思うことになる。どっちにしても、私
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