今から約10年ほど前発売され、国民的大ヒットとなったことからそう呼ばれ、アニメにもなった。子供から大人までタイで知らない人はまずいない。 物語は、身寄りのない捨て犬の主人公が、王族という新しい家族を得て、これまで想像もつかなかった第2の人生を謳歌させるハッピーエンドのお話。 彼女の名前は、「クン・トーンデーン」。「クン(Khun)」とは敬称で、トーンデーンはタイ語で「赤銅色」を意味する。 世界の王室には英国のエリザベス女王を筆頭に無類の愛犬家の国王や女王がいるが、先頃亡くなったタイのプミポン国王も犬を愛してやまなかった。 国王から片時も離れなかったクン “クン”は、プミポン国王が寵愛した愛犬の「ロイヤルドッグ」(王室犬、雑種の雌)のこと。体毛が赤っぽい色だったため親しみを込め、国王が自らそう命名した。 シンデレラ物語を自でいくかのように“平犬”から“王犬”へと身分が変ったクン。昨年12月、