「セキュリティ・プリンセス」――。米IT大手、グーグルの“雇われハッカー”、パリサ・タブリズ氏の名刺にはこんな肩書が記されている。赤く染めた髪に鋭いまなざし。「お姫様」というよりは「女戦士」といった雰囲気を醸し出す。 タブリズ氏は約10年間、グーグルのセキュリティチームで自社のウェブアプリケーション製品におけるセキュリティ向上を担ってきた。これまで彼女が手掛けてきたのは、それらの製品に対するハッキング。アプリ上の脆弱な部分を発見して修復する。これが雇われハッカーといわれる理由だ。 現在はウェブブラウザ「クローム」のセキュリティチームリーダーとして、ウェブ全体やブラウザの安全性を高める開発に取り組みつつ、社内のセキュリティ教育などを行っている。 広告を消したくて、ハッカーになった ダブリズ氏が初めてハッキングをしようと思ったのは、大学生だった時。自作のウェブサイトの両脇に出てくる広告が気に食