日露両国が平和条約締結に向けて、北方領土問題の決着に手を着け始めたようだ。 安倍首相はプーチン大統領が提案してきた「1956年の日ソ共同宣言を基礎とする」ことに同意しているようなので、北方領土問題に関して日本はこれまで貫いてきた4島一括返還路線を放棄し、2島返還、もしくは2島+アルファに舵を切ったとみられる。 さまざまな歴史的経緯があるとはいえ、日露は隣国だ。その隣国同士が、北の果ての島の領有権をめぐり70年以上も対立を続け、法律上は戦争状態さえ終結できていないというのは異常なことだ。いい加減、ここいらで決着をつけるべきだと感じている人は少なくないだろう。 しかし、2島返還は日本にとってはこれまでの主張からの大きな譲歩になる。また、ロシアにとっては実効支配を続け、それなりに投資も行ってきた領土を日本に明け渡す以上、何らかの皮算用があるはずだ。 軍事アナリストでロシアの政治・軍事情報に詳しい