十代が終わり二十代が始まる。 ゼロ年代と呼ばれた世代もいつの間にか露と消えた。気付かぬうちに2010年へと突入している。時間は、あっ、という間に過ぎ去っていく。昔は、時が早く流れてはくれないだろうか、という想いばかりが募っていたが、今となってはそれはこれ、もっと私に時間をください、と切に考える。何故、こんなにも時の流れが早くなったのだろうか。 * 小学生の時分、私は、神童、と親を含めた幾人かの人々に云われていた。知能指数テストでは高得点を叩き出し、全国の模試では勉学に勤しむことなく常に上位をキープしていた。いつしか「まふみ君は将来が楽しみね」とお世辞ともつかぬ言葉を掛けられるのが当たり前となっていた。私も「そうだ、僕は、天才なのだ。これから何でも出来る、たくさん素晴らしいことをしてこの本棚を埋める偉人たちのようにきっと僕の名前を歴史に刻まれるだろう。何も僕を阻む壁など、ない」と自らを過信し