12月16日、張本智和が弱冠15歳にしてグランドファイナル(韓国・仁川)で優勝した。張本の得意技はバックハンド全般だが、中でも世界で1、2を争う威力と精度を誇るのが「チキータ」と言われる打法だ。 今回の決勝の林高遠(中国)戦でも、勝負どころで連発し、最後は2本連続のチキータで鮮やかなノータッチを取って史上最年少の優勝を決めた。 チキータは、ここ数年テレビで取り上げられることが多くなり、一般的にも知られるようになっている。軌道が曲がるためにバナナのブランドから命名されたというトリビアが添えられることもある。 それほど有名であるにもかかわらず、その具体的な打法については「イマイチわからない」「難しい」という感想が一般の方々から聞かれる。 そう言われるたびに私は答える。「無理もありません。わかるはずがないんです」と。 なぜか。実は、テレビでチキータとして解説される場面のおよそ半分がチキータではな