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Programming in Haskellという本がおすすめらしい、という話は以前に読んだことがあって、買おうかどうか迷ったりしたこともあったのだが、先日日本語訳が出たので、そっちを買った。これは確かに良い本だと思ったので感想を書いておく。 その日本語訳というのが、プログラミングHaskell (Graham Hutton 著, 山本和彦 訳) である。 まず、とても薄い本である。付録まで入れても200ページちょっとしかない。だから、これを読んだからといってすぐにHaskellで実用的なプログラムが書けるようになるわけではない。本書がサポートするのはあくまでもHaskellでプログラムがある程度書けるようになる、というところまでで、実のところ、それは既存のHaskellの入門書でも十分に可能だ。そして、大学の先生が書いた本である(著者はノッティンガム大学の教授である)ので、なんというか、
企業の研究者をめざす皆さんへ―Research That Matters 企業を目指す人だけでなく、研究者を志す人は読んでおいた方がよいと思う。「企業の研究者」という立場でかかれた本はとても貴重。著者は、IBMの東京基礎研究所の所長経験者であるため、この本を読むとIBMのすごさを改めて感じさせられる。そして、大学で微力ながら大学院指導を手伝っている身としては、大学で学生に教えている研究技術(あるいはメタ研究技術)は企業研究所でも同じように求められているのだなぁと感じた。 ただ、構成は、著者が所長時代に書いた社内報(レター)を中心にそれへコメントというか補足説明をするかたちで作られている。このため、正直読みづらい。頭からお尻までじっくりと読むスタイルの読書の場合は、これでも良いだろうけれども、パラパラと役に立ちそうなところだけを読もうと思うと、重要なことがどこに書いてあるのかわかりづらい。一
昨日の 週刊isologue第30号「通貨供給でデフレが救えるのか?(「会計経済学」的アプローチ)」で取り上げた、デフレの話の続きですが。 この図もなかなか味わい深いです。 図表1.部門別の資金過不足の推移 (出所:日銀「参考図表(2009年第2四半期速報)」(pdf)) これ、日本経済の構造変化が起こっているということを一目で理解するのに非常にいい図ですね。 80年代まではずっと一般企業(「民間非金融法人企業」)は「資金不足」側の存在で、常にお金がなかったわけですが、バブル崩壊後の90年以降、企業がお金を使わなくなって、93年以降はほぼ資金供給側に回ってしまっています。 個人(「家計」)も、従来はドバドバお金を供給する側だったのが、だんだんそうでもなくなってきています。 政府は、バブル崩壊以降、ずっと「お金を使う側」の役を演じて来て、小泉政権下で徐々に資金不足解消の方向に向かって行ってい
2010年09月27日22:41 カテゴリIT ハリウッド化するIT産業 日本のIT産業がだめになっている一つの原因は、ソフトウェアの生産性が落ち、世界に通用しなくなっていることだ。その原因を中島聡氏はこう説明する:米国のソフトウェアビジネスにとってのソフトウェアエンジニアは,球団経営における野球選手のような存在。ストックオプションなどを駆使した魅力的な雇用条件を提供して優秀な人材を集め,スポーツ施設や無料のレストラン,広い個室などの心地良い労働環境を提供して,彼らの生産効率を上げることが,ビジネスを経営するうえで最も大切なことの一つである。これに対して、日本のソフトウェアはITゼネコンと呼ばれる大手ベンダーが受注し、仕様を決めて下請け・孫請けに発注する多重下請け構造になっている。この結果、日本のソフトウェア開発には次のような特徴が生まれた:労働集約型のビジネスモデル:コストを「人月」で計
2009年11月27日00:45 カテゴリIT もう「NTT問題」を卒業しよう きのうの慶応のシンポジウムの3回目のテーマは「NTT再々編」。最初はいささか気が重かった。私は1985年にNTTが民営化されるとき「巨大企業への転進」というNHK特集を担当し、半年ぐらいNTTに出入りしていたので、「NTT問題」とはそれ以来20年以上のつきあいだが、こういう非生産的な政治問題に大きなエネルギーを費やしてきたことが、日本の通信業界をだめにした大きな原因だからである。 しかし始まってみると、出席者の意見は意外に似ていて、「もうこういう不毛な論争は卒業しよう」という点は一致していた。かといって、これは総務省の正副大臣がいうように、NTTを現状のまま放置することを意味しない。NTTに政府が出資して特殊会社として規制する変則的な経営形態をやめ、完全民営化するには、それなりの制度設計が必要だ。それが情報通信
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