南海トラフ巨大地震発生帯の海溝軸近傍で誘発・繰り返す「ゆっくり滑り」を観測 - 地球深部探査船「ちきゅう」によるIODP 第365次研究航海の成果より - 1.概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という)地震津波海域観測研究開発センターの荒木英一郎主任技術研究員、ペンシルバニア州立大学のDemian M. Saffer教授、東京大学大学院理学系研究科の井出哲教授らは、南海トラフ巨大地震の発生が想定されている震源域の海溝軸近傍において、何度も繰り返し「ゆっくり滑り(※1)」が発生していることを明らかにしました。 これは、1944年の東南海地震の震源域(熊野灘沖)およびその沖合の2か所の掘削孔内での間隙水圧等の連続観測データおよび地震・津波観測監視システム(※2、以下「DONET」という。)から得られた海底地震計データを2011年~2016年の6年間