新潟県柏崎市佐藤池新田に“赤トンボがわく田んぼ”がある。絶滅が危惧されるアキアカネだ。大発生の理由は、田んぼを所有する同市の農業、内山常蔵さん(77)のコメ作りにある。その不思議に迫ったノンフィクション「万葉と令和をつなぐアキアカネ」(岩崎書店、1430円)が出版された。【内藤陽】 著者はショウワノート(富山県高岡市)の「ジャポニカ学習帳」の表紙写真を40年にわたって撮影した昆虫植物写真家の山口進さん(72)だ。 「柏崎にアキアカネが数え切れないほど羽化してくる田んぼがありますよ」。柏崎在住の昆虫愛好家から内山さんを紹介された。2016年から足かけ4年、柏崎を頻繁に訪れ、アキアカネの羽化の様子を観察した。
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