ジーロフトから出土した緑泥石の工芸品。足にひづめのある人間が、左右にサソリを従え、2頭のチーターの尾をつかむ姿が表現されている。(PEJMAN AKBARZADEH/PERSIAN DUTCH NETWORK) 2001年、骨董品市場に突然、大量の考古学的遺物が売られはじめた。独特な宝石や、武器、精巧な作りの陶器、酒器、ゲームボードなど、いずれも芸術性が非常に高く、カーネリアン(紅玉髄)とラピスラズリの見事な象眼細工が施されていた。 作品には、動物が象徴的に表現されており、動物どうしや人間との戦いも描かれていたが、常に人間が勝利していた。動物たちが広大なヤシの木立の中で草をはむ牧歌的な風景や、寺院や宮殿などを描いた作品もあった。 謎の工芸品に関するデータは競売会社からはほとんど提供されず、しばしば「中央アジアで出土」とだけ説明されていた。当初はプロの作った偽造品と思われていたが、その後も出