渦に乗って回り出したそばくるくる鍋を手にする渡部英樹さん=愛媛県砥部町 【波多野大介】愛媛の歯医者さんが考えた「くるくる鍋」が、世界的なヒット商品になるかもしれない。お湯を沸かすと渦が発生。麺をゆでれば、かき混ぜ不要、野菜などから出るアクは自然と中央に集まり、噴きこぼれも少ない。先月、国内で売り出すと注文はいきなり5千件に。動画サイトが火をつけ、米国など7カ国・地域でも販売計画が進む。 愛媛県砥部(とべ)町で歯科医院を営む渡部(わたなべ)英樹さん(45)。昨年2月のある夜、自宅台所で、換気扇を回しながらたばこをふかしていた。ふと、片手鍋が目に入った。「鍋の中で、麺や野菜が勝手に回らんかな」 鍋の内側に斜めの溝があれば、渦ができるのでは――。治療で使う石膏(せっこう)を盛り、らせん状に十数個の人さし指サイズの溝をこしらえた。火にかけて、そうめんを入れた。ゆっくり回り始めた。 続きを読む