最近,システム・インテグレータの経営者や営業担当者と会うと,「顧客からの引き合いが増えてきた」という話が出ることが多い。相変わらずユーザー企業からの料金引き下げ要求が続き,ライバル企業との競争も厳しくなっているなかで,引き合いの増加は,ITサービス業界にとって数少ない明るい話題のはずだ。踊り場にあるとはいえ,日本経済は景気回復モードにあり,個々の企業もIT投資余力が出てきたのだから,引き合いが増えるのは当然ともいえる。 しかし,現実は少し違うらしい。「引き合いが増えたのは,商談案件の絶対数が増えたというよりも,顧客が1案件で声を掛ける企業の数,つまり検討対象企業数が増えたことの反映だ」。そう喝破したのは,NTTデータシステムズSCAWパッケージ事業部営業部の油野達也部長だ。油野氏には,日経ソリューションビジネスの『熱血!第三営業部』という人気コラムの連載をお願いしており,その関係でITソリ