私たちには子どもがいなかった。 お互いの友人はそれなりにいたが、夫婦としての社会的なつながりはほぼ無いと言ってよく、たまにこの世界でふたりぼっちなんじゃないかという感覚があった。 それで良かった。お互いが一番の友人だった。 ふたりだけで、楽しかったし他に何も要らなかった。 人はいつか死ぬ、そんなことわかってる、でもあと少しだけ、あと少しだけを重ねるような日々だった。 私はひとりぼっちになってしまった。 さみしい
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