中古車販売大手ビッグモーターが、車検や板金業務で不正の限りを尽くしていたことが世間に知れ渡り、大きな騒動に発展した今年7月下旬。損害保険ジャパンの営業担当者はある提案資料を携えて、西日本地域の自動車ディーラーを訪問していた。 騒動後も事故車紹介で自賠責獲得の営業を継続 「御社の業務に貢献させて頂きます」。力強い言葉とともに、営業担当者が提案したのは自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の割り振りについて。損保ジャパンとして、月間にこれだけの台数の事故車を入庫紹介するので、その見返りとしてこの金額分の自賠責契約を自分たちに割り振ってほしいという実に生々しいものだった。 その提案に、自動車ディーラーの担当者は面食らった。無理もない。このときすでに、ビッグモーターと損保各社における、入庫紹介と自賠責の「交換取引」が、保険金の不正請求につながる構造的な要因になっているのではないかと、問題になっていた
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