東京電力は16日、福島第1原発の地震直後から数日分の初期データを公表した。東電が「津波で停止した」と説明してきた1号機の非常用冷却装置は、「炉内の圧力が急激に低下したため手動で停止した」としている。政府が進める事故調査特別委員会による事故原因の解明や、東電の初期対応の検証に役立つ重要な内容だ。 今回東電が公開したのは、福島第1の各種データの記録紙▽警報発生などの記録▽中央制御室の運転員による引き継ぎ日誌▽電源復旧作業など各種の操作実績の取りまとめ--など。A4サイズで約2900ページに及ぶ。 公開された記録によると、3月11日午後2時46分の地震直後、原子炉圧力容器に制御棒がすべて挿入され、原子炉が緊急停止。非常用ディーゼル発電機も正常に稼働していた。また、1号機の原子炉を冷却する非常用復水器については、地震直後は正常に起動したが、約10分後に急速に炉内の圧力が低下したため、約15分後の午