印刷 ハラビロアシナガグモの巣=尾瀬ケ原、谷川明男・東大農学部支援員撮影 クモの巣が丈夫な秘密は高性能の糸にあることを、米国とイタリアの研究チームが突き止めた。糸は巣にかかる力の大きさに応じて性質が自在に変化し、小さな力だとしなやかに伸びてふわっと受け止め、強い力が局所的にかかると硬くなって切れる。そこだけ穴があくことで巣全体が壊れるのを防いでいるという。 米マサチューセッツ工科大などのチームは、クモの巣全体の強さがいかにして保たれているかを調べるため、クモの巣に力がかかって破れたとき、破れた場所によって糸の分子構造の変化にどのような違いがあるかを、コンピューターシミュレーションと実験を組みあわせて解析した。 風のような小さな力を受けた場合は糸が柔らかく伸びるが、大きな力が局所的に加わると、最初は伸びるものの、伸びきると硬くなって切れることがわかった。糸の分子は芯の回りにとぐろをまく