2000年代後半にプライベートクラウドを導入した企業が、「次の一手」としてパブリッククラウドへの移行を検討し始めた――。2016年、クラウドコンピューティングは節目を迎えていることが、20社以上のクラウドコンピューティングにかかわるITベンダー、そしてクラウドを既に導入しているユーザー企業への取材から分かった。 既にクラウドを数年間使いこなしたユーザー企業や、ITベンダーはクラウド導入について様々な知見を蓄積している。その一例が「プライベートクラウドの限界」だ。 プライベートクラウドにはいくつかの形態があるものの、サーバーなどのリソースを特定できる形で、運用・保守付きでコンピューティングパワーを提供する形式のサービスを指す。多くの企業でリソースを共有するパブリッククラウドと異なり、セキュリティや、可用性の面で安心できるとのことから日本企業には人気のサービスだ(図1)。 ところが今、プライベ