左肩脱臼、あわや溺死! ハワイでの仕事が終わって、翌日帰国だけどちょいと時間潰しをという私にマウイ島在住の写真家トム・ハールさんがOKと、車に乗せ、ホノルルから東へダイヤモンドヘッドを越えた先で、日没までには迎えに来るから、と降ろされたのが、サンデービーチであった。 そこはボディサーフィン発祥の地で、常時6、7メートルの大波が打ち寄せている。もっとも、その大波を一つ二つと潜ってかわし沖へ出れば、うねりがあるだけで、表面上は穏やかだ。ぷかぷか浮いて、適当な波にわが身をまかせ、横滑りして、トドかシャチよろしく波打ち際にすうっと滑り込めば、成功だ。 時を忘れて遊んでいるうち、ふと気づくと10メートル級の高波に乗っていて、ほう、さすがに眺めがちがう、と感心した次の瞬間、猛烈な力で巻き込まれ、一回転、二回転して激しい衝撃を左肩に感じた、と思ったら、左腕がだらん、と垂れさがって手の感覚がない。 「いか