この本は、「経営法曹会議」という経営者側、資本側の立場に立った弁護士が書いている労働法活用本であり、タイトルのとおり、資本側への指南書にするつもりなのである。 そうすると中身は超絶ブラックなことが書いてあるんだろうな、と思うんじゃないか。「プロ弁護士が教えるモンスター社員・ぶら下がり社員へのリアルな対応事例」なんつうカバーのアオリを見ると、いかにもそんな内容を想像できる。 いや、見方によっては確かにその通りなのだ。 ある見方に立てばこの本は次のような主張をしていることになる。 ――日本の労働法は、工場労働者を前提にした古臭いもので現実に合わない融通の利かないものが多く、とくに解雇規制がひどすぎて、クビ切りができねーよ。労働者1人クビ切るのに2000万円覚悟しないといけなんだぜ? もめちゃう会社とかもめちゃう社員ってだいたい決まってるんだよ。絶頂期が忘れられない昭和な会社とか、ヘンにお人好し