|DMM inside
こんにちは、m3 エンジニアリンググループ CTO 矢崎(id:Saiya)です。 過去に Go 言語の仕様を一通り見た経験があったのですが、久しぶりに Go のコードを最近読み書きした際に、ここ数年の Go 言語やエコシステムの進化による変化もあり、発見やハマりが多々ありました。 Go 言語公式のロゴもスピード感ありますね。 同じような迷い・回り道をしてしまう方ももしかしたらおられるのではないかと思いますゆえ、 エムスリー Advent Calendar 2020 6 日目の記事として、筆者が実際に「最初から知っていれば時間を無駄にしなかったのに...!」と感じた知見をざっくばらんにシェアいたします。 本記事がどなたかの一助になりますと幸いです。 なお本記事の内容は筆者個人の理解・自身で直接読み書きしたユースケースの範囲での知見であり、全ての Go 利用事例に当てはまらない点も含みうりま
この記事は、Merpay Tech Openness Month 2020 の6日目の記事です。 メルペイでBackendエンジニアをしている柴田(@yoshiki_shibata)です。この記事では、Go言語のtestingパッケージに用意されている並列化の機能について説明します。 Go言語では、テストコードを作成するためのtestingパッケージが用意されています。一般に開発するソフトウェアの規模が大きくなるに従って、作成されるテストコードの量も多くなり、すべてのテストが終了するまでの時間も長くなっていきます。特に、データベースへアクセスするようなテストでは、データベースへの通信時間がテスト時間の多く占めますので、テストコードを逐次実行するよりは並列実行することで、テスト時間を短縮できます(厳密には用語「並行」ですが、t.Parallel()メソッドの説明なので、この記事では用語「並列
Go言語でstrftime・strptime相当の関数を提供するライブラリを実装しました。 t, _ := timefmt.Parse("2020/07/24 09:07:29", "%Y/%m/%d %H:%M:%S") fmt.Println(t) // 2020-07-24 09:07:29 +0000 UTC str := timefmt.Format(t, "%Y/%m/%d %H:%M:%S") fmt.Println(str) // 2020/07/24 09:07:29 str = timefmt.Format(t, "%a, %d %b %Y %T %z") fmt.Println(str) // Fri, 24 Jul 2020 09:07:29 +0000 なぜ作ったか Go言語の標準ライブラリには日時と文字列を変換する関数がありますが、2006年1月2日の15:04
Goコンパイラをゼロから書いてセルフホストを達成しました。(1年ぶり2回目) https://github.com/DQNEO/babygo (ちなみに 前回の話はこちら 「Goコンパイラをゼロから作って147日でセルフホストを達成した」 ) 主な特徴 全部手書き。標準ライブラリも自作。system call 呼び出しも自作。libc非依存。 コンパイルするとアセンブリを吐きます。これをビルドすると単一静的バイナリになります。 設計は、go/parser + chibicicc + α かかった期間 2020/3/29に開始、2020/7/28にセルフホスト達成。 コミットした日 (Author date)を数えたら93日でした。 平均1日2-3時間としてざっくり240 時間 ほど。 前回は500時間かかってるので、今回は半分の期間で達成できたことになります。 なんでまたやろうと思ったの?
READMEにpkg.go.devのバッジを貼る godoc.orgはpkg.go.devに移行していくことが告知されているので、新しいプロジェクトではREADME.mdに貼っているバッジを移行しましょう。pkg.go.devのURLやバッジは // バッジ https://pkg.go.dev/badge/<package path> // リンク https://pkg.go.dev/<package path> の形を取ります。例えばgithub.com/lufia/backoffの場合は以下のように書きます。 # Backoff ...summary... [![GoDev][godev-image]][godev-url] ...description... [godev-image]: https://pkg.go.dev/badge/github.com/lufia/back
ここ数日ホンダがサイバー攻撃を受けたというニュースが世界各国で報じられています。 本記事では、一部で関連性が指摘されているVirusTotalにアップロードされたSNAKEランサムウェアの検体(※)について解析を行い、現時点までに判明した内容を簡単ですが共有します。海外ではすでにいくらか情報は出ているものの、日本語での解析記事はあまりないと思われるため何かの参考になれば幸いです。 ※ハッシュ値:d4da69e424241c291c173c8b3756639c654432706e7def5025a649730868c4a1 なお弊社では、本検体がホンダに対するサイバー攻撃と関連があるかどうかは把握しておらず、本記事はあくまで上記ハッシュ値の検体の解析結果に終始している点をご了承ください。 ■検体調査 まず、当該検体は以下の通り、日本国内から6/8頃にVirusTotalにアップロードされてい
コンテキスト 私もGoとRustの比較記事書いてバズるやつやりたい — みょん (@myuon_myon) February 27, 2020 仕事でGoとRustを書いています。いずれもWebのサーバーサイドです。パフォーマンスとかほとほどって感じなので極限までチューニングしたりしません。という前提で読んでください。 Rust/Goはいずれも習得してから2年くらい書いています。書いてる量も多分そんなに変わりません。 Go なんと言っても習得難度が低いので人を選ばず書けるようになります。現状だと仕事で書くなら一番無難な選択肢だなと思っています。一方言語もエコシステムも何もかもかなりクセが強いので、Go Wayにちゃんと従うことが大事だなと思ったりします。 ジェネリクスがないことは高速なコンパイルなど利点もありますがmap,filter等を型ごとにfor文書きまくることになるのでとても手が疲
ファイルを一括でリネームしたいことはありませんか。私はあります。ということで作りました。 インストールはHomebrew brew install itchyny/tap/mmv または以下のコマンドでできます。 go get github.com/itchyny/mmv/cmd/mmv スクリーンショットではvimが起動していますが、 $EDITOR が設定されていればそれを使って編集することができます。 エディターでファイル名を編集して一括でリネームするというのは、新しい発想ではありません。 実際、多くのソフトウェア (特にファイラー) がこの機能を実装しています。 massren vimv qmv Vim plugin vimfiler Defx Vaffle fila.vim Emacs Dired 私はvimfilerの一括リネーム機能をよく使っていました。 特に不満はないのです
先日、Gopls の v0.2.0 がリリースされました。 v0.2.0 https://github.com/golang/go/issues/33030#issuecomment-549629508 リリースノートに書かれていますが、このバージョンから completeUnimported に対応しています。fmt が import されていなくても fmt.Println が補完できる様になります。ただしデフォルトでは無効になっています。Visual Studio Code であれば以下を settings.json に含める事で使える様になります。 "gopls": { "completeUnimported": true }, また vim-lsp をお使いであれば以下の様に設定する事で使える様になります。 if executable('gopls') augroup LspGo
強いパスワードを作成するアプリを作りましたが、実際現代のパソコンでパスワードを突破するのにどの程度の時間がかかるか検証してみました。 手頃で高速でマルチコアに強そうという理由でGo言語を使ってみた結果、1秒間に18万パスワードをトライできる性能となりました。数字7桁のパスワードなら1分、8桁でも遅くとも10分で突破できます。 パスワードトライ中、全CPUフルに使い切ってます! goルーチンを使って、1,2,3,4,5・・・と増やしてみたところ、Core i5の2コア4ハイパースレッディングでは、3が最も速いという結果となりました。ただ、最速でも1スレッドの2倍弱にしかなりませんでした。 そもそも、今回のプログラムは無駄が多いので、パスワードトライに特化してメモリの動的確保を0にすれば、更に10倍くらい速くもできるはず。 GPUをうまく使えば、飛躍的な高速化ができるかも? アルファベット小文
jqはとても便利なコマンドです。 JSONを返すAPIを実装するときや、SaaSのAPIから特定の情報を抜き出してシェル変数に代入するときなど、web開発や運用には欠かせないツールとなっています。 しかし、私にとってjqのクエリを一発で書くのは容易ではなく、思い通りの出力が得られないことがよくありました。 難しいエラーメッセージに悩まされて、jqで書くのを諦めて別の言語で書き直すこともありました。 jqの十八番と思える場面で使いこなせないのは、なかなか悔しいものがあります。 ツールを使うのが難しいなら、同じものを作ってしまえばよいのです。 jqの全ての機能を実装する jqを言語としてきちんと書けるようになる jqを完全に理解する jqの全ての機能を自分で実装してしまえば、jqがどういうものか、クエリがどのように処理されるのか、詳しくなれるはずです。 jqを得意な言語と言えるようになって、ク
他の言語になれた人が、初めてGoを書いた時にわかりにくいな、と思った部分はどういうところがあるのか、難しいポイントはどこか、という情報を自分の経験や、会社の内外の人に聞いたりしてまとめてみました。まだまだたくさんあるのですが、多すぎるのでまずはこんなところで。コンテナで開発することがこれからますます増えていくと思われますし、その時にコンテナとの相性が抜群なGoをこれから使い始める人もどんどん増えていくと思います。 Goは特に言語のコアをシンプルに、何かを実現するときはそのシンプルな機能を組み合わせて実現しよう、というコンセプトです。つまり、他の言語で実現したいこと・できていることに比べて、Goは組み合わせ(イディオム)でカバーする領域が広くなります。そのあたりのとっかかりになる情報を提供することが、これからGoを触る人にとってつまずきを減らすことになると思います。 Go Conferenc
ソフトウェアに拡張性を持たせる時にプラグイン機構を持たせる事は一般的ですが、それを実現する方法は結構バラバラなのかなと思います。例えば、 C 言語等の.so/.dll を読み込む方法 Nodejs のような言語での単なる import TCP や Unix ソケットを利用して RPC 通信を行う方法 などが有るのかなと思います。1 番目・2 番目は、関数の呼び出し速度等のオーバーヘッドが少なく高速ですが、言語等の制約が大きくなる・メモリを共有することによるセキュリティリスクが発生します。そこで、提供するインターフェースを制約出来る場合は、3 番目の手法が多く使われるようです。 Go 言語で開発されている、hashicorp/terraform cloudfoundry/cli は共に 3 番目の RPC 通信でプラグイン機構を実装しています。その中でも terraform で使用されている
こんにちは、まちいろの工藤です。 まちいろでは開発フレームワークに Rails を採用していますが、最近の新規案件では Go 言語を採用してみています。この記事では、Go で開発を始めるにあたって行ったライブラリ選定の中身を紹介したいと思います。 選定にあたっては、awesome-go や Qiita などの記事を参考にしました。 ModulesGo 1.11 から Go modules が導入されたとのことで、素直に Go modules を利用することにしました。特にハマることもなく利用ができています。 Web Application FrameworkgRPC + grpc-gateway or grpc-web ・https://github.com/grpc/grpc-go ・🙆proto でスキーマ駆動開発が可能 ・🙅♂️REST API を提供する場合は grpc-ga
シンデレラがGoで書かれていたら。 という妄想です。 少し長いですがお付き合いください。 TL;DR ソースはここにおいてます https://github.com/lboavde1121/cinderella あらすじ 以下あらすじ。 シンデレラは、継母とその連れ子である姉たちに日々いじめられていた。 あるとき、城で舞踏会が開かれ、姉たちは着飾って出ていくが、シンデレラにはドレスがなかった。 舞踏会に行きたがるシンデレラを、不可思議な力(魔法使い、仙女、ネズミ、母親の形見の木、白鳩など)が助け、準備を整えるが、魔法は午前零時に解けるので帰ってくるようにと警告される。 シンデレラは、城で王子に見初められる。 零時の鐘の音に焦ったシンデレラは階段に靴を落としてしまう。 王子は、靴を手がかりにシンデレラを捜す。 姉2人も含め、シンデレラの落とした靴は、シンデレラ以外の誰にも合わなかった。 シン
Go言語開発での makeコマンド と Makefile Go言語の開発ではmakeコマンドをタスク自動化ツールとしてよく使います。 よく使うコマンド、自動化したいタスクをMakefileに記述しておくと、開発に使う複雑なコマンドをすぐに実行したり、チームで共有出来ます。 Makefileに対して、難しいイメージを持っているかもしれませんが、超基本のMakefileの書き方はとてもシンプルなものです。 この記事の目的 Makefileの超基本がわかる Go言語開発のタスク自動化ツールとしてのMakefileの書き方がわかる 前提知識 シェルスクリプト についての知識 書き始める前の準備 EditorConfigを設定して、タブ / スペース によるインデントのトラブルに会わないようにしましょう。 公式サイトにあなたのエディタが、EditorConfigをサポートしているか、プラグインの追加
こんにちは!BASE Product Division サーバーサイドエンジニアの東口です。主にEコマースプラットフォーム「BASE」の決済領域の開発をしています。本ブログでは、PHPerKaigi 2018での登壇記事等も書いています。 devblog.thebase.in BASEのサーバーサイドの多くはPHPで書かれているので普段触る機会の多い言語はPHPなのですが、先月からGoを書きたい有志が集まって定期的にGo言語勉強会を行っています。 きっかけ 初めたきっかけは2018年4月15日に開催されたGo Conference 2018 Springでした。スポンサー企業のラインナップや実際に会場の熱気に触れて、改めてGo言語の勢いや実用性を強く再認識しました。それまでGoを書きたいと思っていたこともありカンファレンスに参加していた同僚と勢いで始めることを決めました。 学生版gocon
二日間ほど集中してgo言語でコード書いたので、その間に感じたことをまとめてみます。普段はだいたいPerlやJavaScriptでWebアプリケーションを書いています。 まとめの要約 go言語良い Webアプリケーション書くならPerlとかRubyが良い PerlとかRuby書ける人がミドルウェア書くならgo言語良い 気に入ったところ コンパイルエラーが親切 たとえば気楽な気持ちで以下のようなコードを書くと package main import ("fmt"; "net/http"; "log") func main() { resp := http.Get("http://hatenablog.com/") fmt.Println(math.Pi) } 以下のように丁寧に問題箇所を教えてくれます。 ./hoge.go:6: imported and not used: "log" ./h
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