2022年8月2日、創業32年目にして株式上場したIT企業がある。企業向けのクラウドシステムサービス会社「日本ビジネスシステムズ(通称JBS)」だ。虎ノ門ヒルズに本社を構え、売上高1128億円(2023年9月期)、社員数2500人の大企業ながら、いわゆるBtoBのため、一般の人には接点はあまりない。しかし、この会社の歴史はインターネットという文明の利器が黎明期から現在に至るまで、いかに世の中に普及してきたかを知る上でも面白い。社長の牧田幸弘氏は、慶応義塾大学卒業後の1979年に日本IBMに入社。「ITはこれから主要な産業になるかも」と予感。トップ営業から独立し、1990年に同社を1人で立ち上げた。今回、新刊「なぜ最先端のクラウド企業は、日本一の社員食堂をつくったのか?」(発売:講談社)から、日本のIT史にかかわった物語を紹介する。(以下、本文を一部再編集しています) ◇ ◇ ◇ 先日、