鴨長明(かものちょうめい)が書いた『方丈記(ほうじょうき)』を読んだことはあるだろうか? かく言う僕は、2日前まで読んだことはなかった。 もっと言うと、『徒然草』『枕草子』とならぶ「古典日本三大随筆」に数えられるていることすら知らなかった(学生の頃に教わったかもしれないが、とうに記憶から抜け落ちていた)。 思い返せば、学生時代の僕は「古文」が嫌いだった。ただでさえ英単語やら歴史の用語やら覚えないといけないものが多いなか、社会に出てから特に役に立たないであろう古文単語をなぜ覚えないといけないのか……。そんな後ろ向きな気持ちで古文と接していたので、受験後は「二度と触れるものか」と、無意識に避けていたのかもしれない。 だが、今の僕は鎌倉時代に記された『方丈記』こそ、この新型ウイルスによって、社会に不安が広がるなか読むべき一冊かもしれない思っている。 なぜか? それは鴨長明が生きた時代は、竜巻、地