警察庁の発表によると2019年の全国の山岳遭難者は2937人。山登りに慣れている人ですら「遭難」とは無縁とは言い難い。的確な登山計画を持っていない者であれば、その危険性が高まることは自明といえるだろう。 ここでは、警視庁青梅警察署の山岳救助隊で長年活躍されてきた金邦夫氏が、山で遭遇したさまざまな事故を振り返った書籍『すぐそこにある遭難事故 奥多摩山岳救助隊員からの警鐘』より、あろうことか山中で行われたドラッグパーティーが招いた惨事について紹介する。 ◇◇◇ 奇妙な救助依頼 2010年10月13日午前10時ころ、山岳救助隊員でもある日原駐在所の前田小隊長から奥多摩交番の山岳救助隊本部に連絡が入った。「いま若い男性が駐在所に来て、山の中で仲間4人がいなくなったと救助を求めている」という。私はちょうど在所していたし、高田副隊長、橋本小隊長も交番にいた。近くの隊員に招集をかけ、山岳救助車で日原駐在
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