ブックマーク / goldhead.hatenablog.com (21)

  • ポリコレのキャンセルから逃げるためには、くだらない共感を求めるな、一切の連帯感を捨てろ - 関内関外日記

    寄稿いたしました。 blog.tinect.jp 田山花袋の『蒲団』と、それを元にした令和の映画『蒲団』。そこから見えてくる「先生」的男性の相違について考えてみました。そんでもって、いつの時代も男は愚かや……と、思った次第です。 と、これを入稿したあとに、以下の記事読んだ。 anond.hatelabo.jp まさか日で女子アナ(若い女性)が「男性は臭い」と言ったらキャンセルされる時代が来るとは思わなかった。 ワイはちゃんとアップデートされたオッサンとして仕事中に女性に関するジョークやたとえ統計など根拠があっても属性としての女性を批判する発言は絶対にしないように気を付けとるんやけど…… ビジネスランチや飲みで「ワイも含めて男ってのはバカな生き物やからなガハハハッ」みたいな冗談はよくやってまうんや。 男連中はアルアルと苦笑いして、女の子にも結構受けるし、男当事者のワイが男を下げて言う分には

    ポリコレのキャンセルから逃げるためには、くだらない共感を求めるな、一切の連帯感を捨てろ - 関内関外日記
  • でかいペットボトルの焼酎を飲まなくなって、なにを飲んでいるのか - 関内関外日記

    承前。 blog.tinect.jp おれはこの記事で「格焼酎の味と匂いがなんか嫌になって焼酎甲類を飲むようになった」という話をしたのだが、なぜかおれが大量飲酒に走ったというふうに受け取る人が多かった。多いというならもとから多いだけであって、べつに甲類で増えたということはない。アル中カラカラさんとか出したし、そうにおわせたと言われたらそうかもしれない。 が、その後、また変化が訪れた。焼酎甲類のアルコールくささが気になってきたのだ。最初は、「無味無臭ですっきりしている」とか思っていたのに、「なんだこのストレートなアルコール臭は」と。いや、おれが感じているのが「アルコール臭」なのかどうかよくわからないが。 それじゃあ、おれは何を飲めばいいのか。いや、焼酎甲類のなかでも「これはあまり感じないぞ」というものもあった。 眞露 チャミスル 20度 700ml JINRO社 Amazon 韓国焼酎チャ

    でかいペットボトルの焼酎を飲まなくなって、なにを飲んでいるのか - 関内関外日記
  • 意外に身も蓋もなかった21世紀の戦争 - 関内関外日記

    これは陸上自衛隊です 今日は朝から調子が悪く……端的に言えば抑うつ状態になって伏せっていた。昼頃、携帯端末をちょっと覗いてみると、ロシアによる侵攻の記事が目に入った。 しばらくしてなんとか起き上がり、カップメシをいながらワイドショーなど見る。どうも、当のようだ。 こうなると思っていたのか日の一市民のおれ。「なにもしないで帰ることはないだろう」とは思っていた。けれど、東部二州あたりをちょっとどうにかするくらいだろうと思っていた。いきなりキエフを撃つとは思いもしなかった。 国家間戦争じゃないか。正規軍による。しかも、全面侵攻だ。びっくりした。 ロシアはもう制空権をとったくらいのことを言っているらしい。制空権をとられたら、もうおしまいじゃないですか。 しかし、ウクライナだ。ウクライナだよ。ロシアが、ウクライナくらいの国と戦争をしてしまう。ほかの紛争地域を下に見るわけではないが、ウクライナ

    意外に身も蓋もなかった21世紀の戦争 - 関内関外日記
  • おれという不審者と、社会 - 関内関外日記

    blog.tinect.jp 寄稿いたしました。だいたいタイトルの通りのことを書いております。おれがそちらの文中に書いた不安心というものは、脚色なしの当のことであります。ぜひとも一読お願いしたく……。 読んだ? 読んだかなあ? 読んだよなあ? ……と、不審者丸出しで書いてみたところで、やっぱり思うんだが、不審者として生きるのはなかなかに面倒くさいことだ。つらい、とまではいかないまでも、面倒くせえ。いちいちおれのおれがまっとうな人間である証を立てながら生活しなきゃいけねえ。そして、強迫性障害的な要素のあるおれにとっては、その「いちいち」が、当に「いちいち」意識することなんだ。 たとえば今夜よぉ、今夜のことだけどよ、会社からの帰り道、ちょっと体調が悪くて、若干のろのろ自転車漕いでたんだ。電動アシスト付き、子ども乗せのママチャリにびゅんびゅん抜かされるくらいはさあ。そんで、おれがなにを考え

    おれという不審者と、社会 - 関内関外日記
  • 日本には力強いおっさんが少ない 『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』を読む - 関内関外日記

    ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち 作者:ブレイディみかこ 筑摩書房 Amazon はじめに言っておくが、おれは『ハマータウンの野郎ども』を読んだことがない。 ハマータウンの野郎ども ─学校への反抗・労働への順応 (ちくま学芸文庫) 作者:ポール・ウィリス 筑摩書房 Amazon というわけで、おれはブレイディみかこの記した「ハマータウンのおっさんたち」についてしか知らない。 ハマータウンのおっさんたちは、ハマータウンの野郎どもがおっさんになった、おっさん姿の野郎どもである。おっさんといっても、もう60代とかそのあたりであって、「もう35歳だしおっさんだよ」という甘いものではない。 それでも、英国のおっさんたちはワイルドなのである。少なくとも、ブレイディみかこの周辺にいる、ワーキングクラスのおっさんたちはワイルドだ。ワイルドでありながら、わりとリッチだったり、やっ

    日本には力強いおっさんが少ない 『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』を読む - 関内関外日記
  • 今、このタイミングで「コロナ疲れ」 - 関内関外日記

    前提として述べておくと、おれは双極性障害(躁うつ病)を患っており、障害者手帳も持っている。したがって、我が事とはいえ大きな気分の変調というものに思考も上下左右されている可能性は十分にある。 と、前提を述べた上で書くが、なぜか、この今、今になって、ようやく? 「コロナ疲れ」が出てきたような気がしてならない。第4波だ、まん延防止だというこの時期になってだ。 疲れが、たまりすぎている。思い返せば今年の二月、三月は毎度年度末の大騒動で、てんやわんやの中で働いた。そして、四月になってぱったりと仕事が止んだ。止んでみたら病んでいた。双極性障害の鉛様麻痺がひどく、一週間に渡って午後からの出社となった。休めないのは、零細企業で絶対的に人がおらず、リモートワークしている人もおり、おれがいなければその日の入稿ができないから、夕方の最後の最後だけでも出なくてはならないのだ。 それは、ちょっと一段落した。とはいえ

    今、このタイミングで「コロナ疲れ」 - 関内関外日記
  • 「女」について - 関内関外日記

    おれのブログに、おそらく20年近く登場している「女」について、その書き方について書く。 その女性はおれより20歳年上である。おれが20歳と少し経ったときから付き合いがある。 「彼女」というのには、なにかその人をおとしめているような気がする。「彼女」と書くには、彼女のほうがよほど人生を歩んでいて、おれのようなものがそう表現するのには気がひける。 なので、「彼女の人」などと書いたこともあったと思うが、回りくどい感じは否めない。 「彼女」では軽すぎるのだ。でも、結婚しているわけでもない。それぞれ独立して生きている。「パートナー」というのも当てはまらない。 女性の友達、というのもなにか違う。 おれは正直、その人をなんと表現していいかわからない。わからないままに「女」という表現をしている。 「おれの女」というニュアンスではない。独立した、一個の人間として、「女」と言っている。「彼女」では軽すぎる。そ

    「女」について - 関内関外日記
  • 安倍よあんたは長すぎた - 関内関外日記

    安倍晋三が総理大臣を辞任する。 職場で流れているFMラジオが緊急にそう言った。慌ててYahoo!にアクセスした。たしかに、そのようだ。ちょうどそのとき職場の人たちは電話で話したり、打ち合わせをしていたりしていた。おれは早く「安倍が辞任するんだって」と言いたくてたまらななくなった。大きなニュースだと思った。 して、おれがこれから書くことは、安倍総理を支持してきた人にとって快いものではないだろうが、一方で安倍総理憎しとする人が拍手するようなものでもないだろう。 はじめに言っておけば、おれは安倍晋三の宿願である憲法改正について、安倍晋三が望む形でのそれは否定的である。いろいろの疑惑に答えたとも思えない。公文書の問題、政治の私物化の問題。外交についてうまくやったとも思えない。アメリカトランプ大統領とは仲良くなったように見えるが、仲良くなったところでなんなんだ。ご機嫌とっただけか。経済についてはど

    安倍よあんたは長すぎた - 関内関外日記
  • これはもうなにもかも全部だめになるんじゃないのか - 関内関外日記

    新型コロナウイルスの緊急事態宣言が延長された。 おれは急に怖くなった。おかしな話である。おれは一週間前くらいから「これは延長されるだろうね」と思っていたからだ。予想していたとおりだ。けれど、昨夜、「五月末まで延長」のニュースを見て、「ああ、もうこれは無理だ。なにもかも全部ダメになる」と思ってしまった。 おれは楽観的だったのだろうか。悲観でもない、楽観でもない、傍観者のような気持ちでいた。 診療所のクラークさん - 関内関外日記 「世界中ひどい状態なので、かえって気が楽なくらいです」 そうだ、おれは三密だのなんだの言われる前から、そんなにアクティブな人間ではなかった。県外どころか市内から出ることも稀だった。たまに映画館に行って、散歩といえば図書館まで。金がないので、やれライブだ、やれ旅行だと、そんなに動く人間ではなかった。まったくなかったわけではないけれど、おれの日常というものはほとんど変わ

    これはもうなにもかも全部だめになるんじゃないのか - 関内関外日記
  • 底辺を這うおれには努力というものがわからない - 関内関外日記

    anond.hatelabo.jp こちらの記事を読んだ。進学校からそれほどでもない大学に行ってしまい、もっと上の大学からいいコースを歩んでいる友人たちと差が開いてしまったが、努力によって挽回しているという話だ(と思う)。 おれはこういう話のなかの、「個人的な資格試験の勉強も重ね、国家試験を二つ取得し、海外営業できるくらいの英語力は身につけた」とか「法学部卒だけど機械系のメーカーに入ったから機械工学と材料科学を勉強し、今ではちょっとしたフィールドエンジニア的な仕事ができるようになった」とか「IT系の国家資格も(仕事に関係ないけれど)取ることができた」とか読んでも、まったくピンとこないのである。「はあ、おすごいですね」としか言えないのだ。 というのも、おれは生来、努力の価値も実感も意味するところも、まるでわからんからだ。この「わからん」というのは「価値観が違う」とか、そういう意味ではない。た

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  • 『高畠素之の亡霊 ある国家社会主義者の危険な思想』(佐藤優)を読む - 関内関外日記

    高畠素之の亡霊: ある国家社会主義者の危険な思想 (新潮選書) 作者: 佐藤優 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/05/25 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る 優雅で感傷的な日のアナーキストが好きなおれにとって、高畠素之というのは「その周辺人物」の一人であった。なにせ、国家社会主義者なのである。が、マルクスの『資論』を初めて日語訳したのは高畠だし、三回も全訳しているのが高畠なのである。興味深い人物とはいえないか。 高畠は、悪を単なる善の欠如とは考えなかった。質的に性悪な人間が形成した構造悪があると考えた。そして、『資論』が資主義社会における構造悪を解明していると直観した。そして、『資論』の全訳に挑み、それを成し遂げた。高畠は『資論』の論理は承認したが、唯物史観にもとづく革命後の理想社会の到来を信じることができなかった。性において性悪な人間が、良

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  • 貧乏だから野菜が食えないとかいうのは毎晩蒸し野菜を食わないやつの戯言にすぎない・春 - 関内関外日記

    貧しいからカップラーメンう? 惣菜パンばかりう? 牛丼ばかりう? なにを言ってるんだ? おれにはわからない。おれたちには蒸し野菜があるじゃないか。 蒸し野菜。 pic.twitter.com/Z0iXHR9STt— 黄金頭 (@goldhead) 2019年4月8日 蒸し野菜。 pic.twitter.com/yeoLqKkNV9— 黄金頭 (@goldhead) 2019年4月7日 蒸し野菜。 pic.twitter.com/UsHiyRTnJ7— 黄金頭 (@goldhead) 2019年4月6日 蒸し野菜。 pic.twitter.com/XjwZZxTnKw— 黄金頭 (@goldhead) 2019年4月4日 蒸し野菜。 pic.twitter.com/CuAW2ENN79— 黄金頭 (@goldhead) 2019年4月2日 蒸し野菜。 pic.twitter.com/

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  • おれの反出生主義について、いま一度 - 関内関外日記

    こんな話題があった。 「生まれることに同意していない」と両親を訴えた男性 - GIGAZINE インド・ムンバイ出身の27歳で、子どもを持つことに否定的な意見を持つ反出生主義者でもあるラファエル・サミュエル氏が、「同意なしに自分を生んだ」として両親を訴えています。 おれは反出生主義者であることを自認し、公言(ネット上での発言を公言というのかどうかしらぬ)している。とはいえ、主義者いうもの、どんな分野であれまったく軌を一にするわけでもなく、おれとこのムンバイの男にも考え方の差があるように思える。 おれにはおれの反出生主義がある。 というわけで、あらためておれの反出生主義について考えてみる。軽く考えてみると、おれの反出生主義は以下の二点についてまとまっているように思える。 べつに今いるのを殺すことはないけれど、これ以上増やさなくてもいいとはわりと気で思う。 この考え方を多くの人に啓蒙したり、

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  • 1万人に1人の無能者 - 関内関外日記

    年末年始のテレビ番組を確認するために、「TVガイド」という雑誌を買った。毎年「TVブロス」を買っていたのだが、あいにく書店で見つからなかったのだ。あるいは、たしかもうそういう雑誌ではなくなっていたのだろうか。 まあいい、「TVガイド」だ。「TVガイド」にはたくさんのジャニーズの人たちの写真が、記事が載っていた。おれはあまりジャニーズに興味はない。「君ら、わりといい歳なのに、イチャイチャくっついて、笑顔作って、大変やなぁ」などと思うくらいである(追記:あらためて見てみると、各グループの構成員がそれぞれすべてのパターンで二人一組のハグ写真を撮られていた。算数の問題みたいだ)。おれに必要なのはただ番組表だけだった。 興味のないものを読むことはある。インターネットなど、まったく興味のないものを無料で読むことができる、奇妙な世界である。そして、ときどきは自分に縁のないものをクリックしたりする。たとえ

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  • おれには、はてなブックマークが必要だ - 関内関外日記

    fujipon.hatenablog.com こちらの記事に、おれはこう「はてなブックマーク」した。 「はてなブックマーク」廃止論 - いつか電池がきれるまで [はてな] おれみたいなバカにはさ、マスコミでも個人のでもいいけど、ある記事を読んでも、それだけだと不安だから、反論、疑問点、別の視点、欠けた部分、あるいは補強意見を一覧で読めるはてブねえと、怖くてネット見れん。 2018/06/28 15:17 字数制限ぎりぎりで書いたけど、書ききれていないような気がするので補記したい。 とはいえ、おおむね言いたいことは上の通りだ。ある記事がある。阿呆のおれは「ふむふむ」とそれを読む。阿呆だから仕方ない。でも、それだけだと不安だ。なぜならおれは完璧に世の物事を把握し、噛み砕き、理解する、知識ないしは知恵の体系を持っていないからだ。 だから、それに対する反論、疑問点、別の視点、欠けた部分、あるいは補

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  • 【実録】これが大学中退者の末路だ! - 関内関外日記

    こんな記事が話題になっていた。 www.ishidanohanashi.com おれも物心ついたときからなにも考えず、「将来は灰色のスーツを着たサラリーマンというものになるのだろう」と漠然と思い浮かべて生きていた。ただ、サラリーマンになるにもそれ相応の学歴なども必要だろうから、という理由で塾に通い、中学受験をしたりした。神奈川県にはア・テストというものがあって……という理由をいちいち説明しないが、算数、数学、そして音楽や体育という実技から逃げるための中学受験という面もあった。おれは自分が想定していた中で最低のすべり止めの二次試験になんとか合格した。そこにも落ちていたら、地元の荒れ気味な公立中に通い、また別の人生を歩んだだろう。 それから6年間、おれは漠然と中高一貫の私学に通った。そして、大学に入り、灰色のサラリーマンになるために。男しかいない学校だった。高校3年になってからは、予備校にも通

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    kybernetes
    kybernetes 2016/09/17
    先輩だ…
  • 『異形の心的現象 統合失調症と文学の表現世界』を読む - 関内関外日記

    異形の心的現象―統合失調症と文学の表現世界 作者: 吉隆明,森山公夫出版社/メーカー: 批評社発売日: 2009/10/01メディア: 単行 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る 吉隆明と森山公夫の対談集である。 もうひとつは、僕が疑問に思っていて、はっきり解決ができていないことがあります。例えば「あなたが前に出版したものをこういうふうに出すことに決まりました」と。要するに、僕が何か言ったわけでもなんでもないのに、「決まりました」という話になるのです。それで進行してしまうわけです。それはすごい変貌の仕方ですよ。今までは考えられないことです。ものすごく長い間付き合ってきて、お互い十分知っている親しい人からそういう要素が出てきて、これにも驚いているところです。 のっけから心的現象とも統合失調症とも関係ない話だが、晩年に乱発された感じの吉隆明というのはそういうものかと

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  • 人間社会に向いていない人間というのもいるような気がする - 関内関外日記

    人間社会に向いていない人間というのもいるような気がする。 たとえばおれがそうなんじゃないかという気がする。 人間社会という言葉は主語が大きすぎるような気もする。今まで人類が築いては壊してきたいろいろの社会体系のなかには、おれに適した社会があったのかもしれない。ひょっとすると、人類史上の汚点と呼ばれるような社会のなかにこそ、おれがフィットする社会があった可能性もある。 だから、おれは、人類が築いてきてそれなりになってきた結果であるはずの今のこのおれの属する社会に向いていない人間なんじゃないかという気がする、というふうに言い換える。 おれは今のこのおれの属する社会に向いていない。どうも生きる力が弱すぎるような気がする。生きる力、生きようとする力。身体的にまったく完全無欠というわけじゃないけれども、これといって大きな障害もない。脳の方はといえばなんらかの欠点があるので薬を飲んでいるのだけれども、

    人間社会に向いていない人間というのもいるような気がする - 関内関外日記
  • 台無しの人生 - 関内関外日記

    人生が台無しになる、とは言う。ただし、台が無くなったあとの人生についてはあまり語られない。死んでしまう人もいるだろうが、死なないで生きている人もいるだろう。台が無い人生。 首には縄がかかってる。台が無いが、かろうじてつま先を伸ばせば地面に届く。手は縄が首にい込まないようにふさがっている。こんな状態でぶらぶらしながら体勢をなんとか維持して、呼吸をなんとか維持して……。こんなことでは自分の足で立ち、歩き出すこともままならない。両手を使ってなにかを作ることもできないし、なにより頭を使う余裕がない。 おれの人生はいつ台無しになったのか。考えてみてもよくわからない。大学を出ていれば少しはましだったろうか。それよりも、もっと学校とかいうところに順応して、人間関係というものを築けていれば別だったろうか。あるいは、家族というものともっと親密であればよかったのだろうか。考えてみてもきりがない。 台がある人

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  • 日中、開戦したってよ - 関内関外日記

    9月だというのにまったく暑かった。おれは古びた神奈川県庁の地下の一室にいた。いつか入札の説明に来た部屋のような気がした。がらんとした室内には、面接官の役人とおれの二人だけだった。会議用の長すぎるテーブルを挟んで、名前だの生年月日だの、いくつかの質問をされた。おれはそれに答えた。まったく、丁寧に、嘘偽りなく。 「……あなたの最大の弱みは何ですか?」 「金属バットで頭を殴られると死にます」 「フルスイングで?」 「いや、金属だと当たりどころ悪かったら軽打でもいっちゃうんじゃないっすかね?」 「ああ、骨が無事でも脳がね。まあ、どのみちあなた、死にたいんですよね」 と、面接官はなにか手元のペーパーをめくる。おれに関するなにごとかがプリントアウトされている。 「希死念慮ってやつですね。お薬も飲んでますね。自死か、路上か、刑務所かって、まあ今はそれどころじゃないのはご存知ですよね?」 「ええ、なんとな

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