先日、本サイトでは、自民党がホームページで「子供たちを戦場に送るな」と言う教員を取り締まる“密告フォーム”を設置していたことを伝えたが、どうやら安倍政権はまったく反省の色もなく、“御用新聞”を使ってこの戦前ばりの密告社会を推し進めていくらしい。 念のためおさらいしておくと、問題の“密告フォーム”は、7月に自民党のホームページに設けられた「学校教育における政治的中立性についての実態調査」なるタイトルのページのことだ。 このなかで自民党は、〈「子供たちを戦場に送るな」と主張し中立性を逸脱した教育を行う先生方がいる〉と書き、〈偏向教育〉だとして通報させる“密告”のための入力フォームを設置したのだ。しかもそこで「いつ、どこで、だれが、何を、どのように」などと具体的な情報を記入するよう求めるなど、完全に教育を統制しようとしているのが丸見えだ。 つまりこの国の政府与党は、教員が「子供たちを戦場に送るな
閉ざしてはいけない「負の歴史」 ―このたび上梓された『帰郷』は太平洋戦争をテーマに全6編を収録した短編集です。これまでにも『終わらざる夏』をはじめ、浅田さんは多くの戦争小説を発表し、ライフワークだと公言していますね。 辛い話は読みたくなくても、誰かが書かなければいけないことでしょう。僕は昭和26年生まれなので戦争は直接知らないけど、父が戦争に行った世代なんです。母も戦時中は勤労動員されていた。戦争の手触りは感じている。だから書くことはできるんじゃないかと。 戦争を書くことは自分の使命だと思っています。 ―最初に収録された表題作は、戦争が終わって懐かしい故郷に帰ってきた男が予想外の悲劇に見舞われます。 こういうことは実際にあったと思いますよ。昭和20年8月15日の終戦の時点で、陸軍だけで500万人以上の兵隊がいたわけだから。生死不明の人もいれば、間違って戦死公報が届けられた人もいたでしょう。
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