中国電力が10日、島根原発3号機(松江市)の新規稼働に必要な安全審査を原子力規制委員会に申請した。唯一県庁所在地にある原発で、半径30キロ圏内に約46万人が暮らす。審査が先行する2号機とともに事故時の避難計画が課題で、立地自治体以外の周辺自治体による事前了解のあり方も問われている。 申請を今月上旬に了解した島根県の溝口善兵衛知事は、丁寧な審査や住民避難の対策への支援などを国に求める考えを示した。鳥取県の平井伸治知事も申請を認めた一方、県西部の一部が30キロ圏に入るため「周辺に影響が及ぶのは福島の事故で明らかだ」と述べ、審査終了までに立地並みの協定締結を求める。 大島堅一・龍谷大教授(環境経済学)は「人口密集地域にある特殊な原発で県庁にも近い。事故時にどうやって対処できると判断したのか」と批判する。事前了解権限を持つ安全協定締結は立地自治体の県と松江市だけで「被害が及ぶ範囲が『地元』だとの最