日本の雇用と中高年 (ちくま新書) 作者: 濱口桂一郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/05/07メディア: 新書この商品を含むブログ (15件) を見る 長期雇用と年功賃金をベースに持つ日本的雇用慣行については、賃金水準と仕事のパフォーマンスが年齢が上がるごとにしだいに乖離し、特に中高年の雇用が定年まで保障されることで、本来は雇用されるべき若年者の雇用の場を不当に狭めているとの批判が一部の経済学者や若者論者を中心になされる。その一方で、内部労働市場論から派生した知的熟練論は、年功賃金は知的熟練の向上度に基づき合理的に決められるものだと主張する。本書は、労働政策の実務家的視点から、上述のような理論中心の議論を一刀両断とし、社会政策論と軌を一にする労働政策論を持ち込むことで、現在の「メンバーシップ」を基本とする雇用システムを「ジョブ型」に作り替えることを提唱する。著者はこれまで