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ブックマーク / vergil.hateblo.jp (217)

  • 宮城事件を引き起こした若手陸軍将校たちのその後 - 読む・考える・書く

    映画『日のいちばん長い日』でも描かれた「宮城事件」は、1945年8月14日の深夜から翌朝にかけて、日の無条件降伏阻止を目的として陸軍の一部若手将校が起こしたクーデター未遂事件である。 この事件の首謀者と言えるのは、当時陸軍省軍務局軍務課に所属していた以下の4名だ。 井田正孝中佐 竹下正彦中佐 椎崎二郎中佐 畑中健二少佐 このうち、椎崎と畑中の二名はクーデターに失敗したあと皇居前広場で自決しているので「その後」はない。 では、井田と竹下はどうしたのか。 井田は自刃した阿南陸相の後を追って死ぬつもりだったが、見張りの将校に止められて自決を断念したという。このときの状況を、半藤一利は次のように描写している。[1] 井田中佐が自決するということは荒尾軍事課長にはわかっていた。課長はもっとも崇敬する阿南陸相の遺志にそむくことを部下に許すわけにはいかないと思った。そこで、井田中佐に見張りをつけるこ

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    kyfujita 2021/04/25
  • 菅(スガ)がまた見え見えの嘘 - 読む・考える・書く

    訪米した菅が、バイデンとの会談後の記者会見で、ロイター記者から「菅首相にも聞きたい」と断ったうえで「公衆衛生の専門家も疑問視する中で五輪を開催するのは無責任ではないか?」と質問されたのにこれを無視し、くっついてきた日メディアの記者に次の質問をするよう促した。 これ自体大問題だが、菅はさらに帰国後の国会で、質問に答えなかったのはバイデンへの質問だと思ったからだ、と嘘をついた。 毎日新聞(4/20): 菅義偉首相は20日の衆院会議で、16日(日時間17日)の日米首脳会談後の共同記者会見で欧米メディアから受けた東京オリンピック・パラリンピックに関する質問に答えなかったことについて、「バイデン大統領への質問のみと認識してしまい、結果として回答漏れがあったことは事実」と説明した。立憲民主党の緑川貴士氏の質問に答えた。 これが嘘であることは菅の答弁自体から明白だ。 仮に、人の言うとおり、これを

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    kyfujita 2021/04/23
  • 『日本のいちばん長い日』-- 名作と言われるこの映画も、改めて見直してみたら愚かな茶番劇でしかなかった。 - 読む・考える・書く

    半藤一利の原作をほぼ忠実に映画化した、岡喜八監督の映画『日のいちばん長い日』(1967年)。日の降伏に至る最後の数日間、とりわけ8月15日の「玉音放送」までの24時間を、息詰まるような緊張感で描いた名作と評価されている。 以前見たときは確かに私もそう感じたのだが、最近改めて見直してみたところ、もう、この映画はただの茶番劇にしか見えなくなっていた。 脚や演出が悪いのではない。役者の演技が大根というわけでもない。実際、この映画では、錚々たる名優たちがそれぞれの役を熱演していた。 鈴木貫太郎首相 - 笠智衆 阿南惟幾陸相 - 三船敏郎 米内光政海相 - 山村聡 天皇裕仁 - 松幸四郎 下村宏情報局総裁 - 志村喬 井田正孝中佐 - 高橋悦史 畑中健二少佐 - 黒沢年男 徳川義寛侍従 - 小林桂樹 ダメだったのは、彼らが演じた人物たちそのものだ。 号泣する男たち この映画では、いい大人の

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    kyfujita 2021/04/11
  • レイテ沖海戦を戦った駆逐艦ジョンストンを深海で発見 - 読む・考える・書く

    先日、こちらの記事でレイテ沖海戦(サマール沖海戦)を取り上げたが、 vergil.hateblo.jp この海戦で日軍の栗田艦隊と戦い沈没した米駆逐艦ジョンストンが、フィリピン海の深度6,500メートルの海底で見つかったという。これは、現在までに知られている沈没船の中では最も深い場所に沈んでいる船だとのこと。 www.cnn.co.jp(4/3) (CNN) 現在知られている中で最も深い場所に沈む船「USSジョンストン」について、米国に拠点を置くチームがこのほど完全な調査と動画撮影を行った。 ジョンストンは第2次世界大戦時に就役していた米海軍駆逐艦で、現在はフィリピン海の水深6500メートルに沈む。これまでも位置は分かっていたが、沈没地点全体の調査や撮影が行われたのは初めてだ。 (略) ジョンストンは1944年10月25日、サマール海戦で大日帝国海軍によって撃沈された。同海戦はレイテ湾

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    kyfujita 2021/04/05
  • 【東日本大震災】被災地を支援した中国人たちと、中国人を殺そうと被災地を徘徊していた右翼 - 読む・考える・書く

    10年前、東日大震災が起こると、中国からも多くの支援が寄せられた。また、お金や物資という形での支援だけでなく、日国内に住んでいた中国人留学生や華僑の人々がボランティアとして被災地に入り、復興のための様々な作業に携わってくれた。 東日大震災の被災地を支援した中国人留学生や華僑たちhttps://t.co/3fpdaN1jRn 10年前、東京で留学生活を送っていた呉美麗さんは震災後の5月初め、ボランティア活動で気仙沼市を訪れた。呉さんのチームの仕事は農地整備だったが、耕運機などはなく、鍬だけを使って5日間連続でひたすら働いた。 — From China (AFPBB News) (@Afpbbfromchina) March 21, 2021 10年前、東京で留学生活を送っていた呉美麗(Wu Meili)さんは震災後の5月初め、ボランティア活動で気仙沼市を訪れた。一行の中には他に3人の中

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    kyfujita 2021/03/27
  • 米軍側から見たレイテ沖海戦はまったく様相が違っていた - 読む・考える・書く

    弱小部隊だった「タフィー3」 1944年10月、フィリピン奪還を目指して殺到する米軍機動部隊とこれを防ごうとする日軍連合艦隊が激突したレイテ沖海戦。 日側では、航空支援のない連合艦隊が多数の米軍機による激しい攻撃にさらされ、武蔵をはじめ多くの艦艇が沈没、連合艦隊は一方的に叩かれて事実上壊滅した、というのが一般的な認識だろう。 全体としてみればそのとおりなのだが、レイテ沖で数度に渡って繰り返された戦闘のすべてがそのような経緯をたどったわけではない。 最近、ディスカバリーチャンネルで米軍側から見たレイテ沖海戦についての番組(戦場の真実#6「レイテ沖海戦」)を見たのだが、10月25日に日の第一遊撃部隊(栗田艦隊)と米護衛空母部隊(タフィー3)が戦った海戦(サマール沖海戦)について体験者の元米兵たちが語る様相はまったく違っていた。 何よりも驚いたのは、栗田艦隊に比べてタフィー3があまりにも弱

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    kyfujita 2021/03/19
  • 『ベイジン』に騙された - 読む・考える・書く

    真山仁の小説に『ベイジン』というのがある。(注:「ベイジン」は「北京」の中国語読み) この小説は、まず週刊東洋経済に連載され、2008年に単行が発売された。私はこれを連載時に読んでいた。 主人公は日人原発技術者の「田嶋」。彼は、中国が北京オリンピックの開会に合わせて運転開始すべく国家の威信をかけて建設中の世界最大級の原発「紅陽原発」の技術顧問として中国に派遣されている。 ところが、紅陽原発の建設現場では共産党幹部の利権がらみで採用された業者による手抜き工事やいい加減な作業のせいでトラブルが続発しており、日の安全基準では考えられない杜撰さに驚愕しつつ、田嶋は唯一の味方と言える中国側責任者と協力して安全確保のために奔走する。 こうして、紅陽原発はなんとか北京オリンピックの開幕に合わせて運転を開始したのだが、その直後に大変な事態が・・・という物語だ。 1986年にはソ連製原発によるチェルノ

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    kyfujita 2021/03/16
  • 「血が出るほど唇を噛み」というウヨ的騙しのテクニック - 読む・考える・書く

    「僕の曾祖父の祖父」がインパール作戦で艦砲射撃w このウヨ氏によると、自分の「曾祖父の祖父」が、インパール作戦の際に巡洋艦から艦砲射撃を行ったという。 さんざん突っ込まれているこれ、140字のなかに、きっちり「乗組員は血が出るほど唇を噛み号泣しながら!」という物語のヤマ場をもりこんでくるのも、嘘つきのテクニックなんですね pic.twitter.com/MbNVpMUjK0 — 早川タダノリ (@hayakawa2600) February 9, 2021 僕の曾祖父の祖父(元大日帝國海軍士官)は、インパール作戦の上陸部隊の中隊長から、「我ら英国軍1個師団と交戦中支援火砲乞う敵味方の区別無用」との連絡で、巡洋艦他7隻で一斉艦砲射撃を行ったそうです。乗組員は血が出るほど唇を噛み号泣しながら!それが無駄な死ですか? 当然この妄想ツイート(元ツイは既に削除されているが、魚拓が残っている)は全方

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    kyfujita 2021/02/15
  • 鬼舞辻無惨のモデルが平将門だとか適当なことを言うのはやめてほしい - 読む・考える・書く

    鬼滅の刃』における究極の敵、鬼の始祖である「鬼舞辻無惨」には、果たしてモデルとなった人物がいるのか。いるとしたらそれは誰なのか。 来作者でなければ答えられない質問だが、こういうメガヒット作の常で、いろんな人が推測でいろんなことを言っている。 しかし、誰がモデルだと言おうと勝手といえば勝手だが、さすがに平将門がモデルだとか言うのは勘弁して欲しい。 fashionbox.tkj.jp 可能性があるのが、三大怨霊のひとりに数えられる平将門だ。桓武(かんむ)天皇の曽孫・高望(たかもち)王の孫として生まれた平将門は、若い頃に京に出たものの、ほどなく故郷に帰り、承平年間(931~938)には関東北東部一円の紛争で勝利をおさめ、武勇をとどろかせた。 天慶2年(939)、将門は国府の役人から追われた藤原玄明(はるあき)の助命のために国府へ出向いたが、折り合いがつかずに戦闘となり、国府側を打ち破った。そ

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    kyfujita 2021/02/06
  • 現実の世界では鬼の側が刃を振るって罪なき人々の首を斬っていたことくらいは知っておいたほうがいい - 読む・考える・書く

    鬼滅の刃』では、鬼殺隊の剣士たちがさまざまな技を繰り出して鬼の首を斬っている。鬼を殺すには、日光に晒すか、太陽の力が宿る特別な日刀である「日輪刀」で首を斬り落とすしかない、という設定だからだ。 この作品で描かれた戦いの様相が、日中戦争で現実に行われた殺戮行為とは真逆になっているのは、ある意味興味深いことだと言える。 明治の廃刀令以降、行き場を失っていた日刀が、恐らく有史以来最大と言える活躍の場を見出したのが、日中戦争だった。 この戦争に従軍した刀剣修理家の成瀬関次氏が、次のように書いている。[1][2] 今、全國に殘ってゐる昔鍛の日刀はどの位あるか。推定四百萬振といふのである。 (略) 右の内の約六七割までは、新刀新々刀といはるる刀であって、大阪夏冬の陣前後から以降の作刀である。徳川時代から、明治大正にかけては、大量の日刀を戦陣に於て試みるやうな機曾はなかった。 日清日露の兩役に

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    kyfujita 2021/01/23
  • この国で特大ヒットするマンガ・アニメを楽しむには近現代史へのまともな認識などあってはならないのだ、ということがわかってきた。 - 読む・考える・書く

    『この世界の片隅に』に続いて、完全に「国民的マンガ・アニメ」の地位を確立したと言える『鬼滅の刃』。 しかしこの作品も、ナショナリズムを煽っているとまでは言えないまでも、その設定・構成にはかなり危ういものを感じさせる。 読んでみてまず最初に引っかかったのは、マンガ版のラストだ。 最終決戦で鬼舞辻無惨を倒し、鬼たちを滅ぼしたことによって、この世界はようやく「人を喰う鬼がいない世界になった」とされる。そして「ただひたすら平和な 何の変哲もない日常が いつまでもいつまでも続きますように」という願いが語られる。(第204話「鬼のいない世界」) 続く最終話である「幾星霜を煌めく命」では、時代は一気に現代に飛び、炭治郎や禰豆子、善逸や伊之助の子孫たちが平和で微笑ましい日常を送る姿が描かれる。 つまり、この物語の世界では、鬼殺隊の剣士たちが命がけで鬼と戦って手にした平和が、そのまま現代まで続いているのだ。

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    kyfujita 2021/01/19
  • コロナ禍で日本は二度目の脱亜入欧を果たすのか? - 読む・考える・書く

    新型コロナウイルス肺炎が猖獗を極めている欧米諸国と違って、東アジアでは未だに解明されていない(ファクターXとか謎々効果とか呼ばれている)何らかの要因によって感染率が低く抑えられてきた。しかし、丸々1年にわたってロクな感染防止策を取らずに来た日では、とうとう指数関数的な感染爆発が起こりつつある。 この状況を「脱亜入欧」と呼んでいる人がいて、あまりに見事な例えに思わず笑ってしまったのだが、もちろんこの現実は笑い事ではない。 わお、全国7533人 東京2447人ってこれは完全に脱亜入欧に成功してしまったようだな。 なるほどやはり日は愛国者様方の言うようにアジアの国ではなく欧州の一員だったらしい、名誉白人帝国万歳(やけくそ) — 愛国心の足りないなまけ者 (@tacowasabi0141) January 7, 2021 以下は人口百万人あたりの日々新規感染者数の推移を示すグラフ(対数表示)。

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    kyfujita 2021/01/11
  • 子どもをダシに政権批判を封じようとするズルい人たち - 読む・考える・書く

    匿名で官僚とか元官僚を自称しているような連中というのはだいたいロクでもないのだが、この人物もその典型と言っていいだろう。 大事なことだから今年も言うけど、野党合同ヒアリングは人権蹂躙問題もあるんだよ。野党ヒアで晒された職員の子どもがいじめにあって、職員が退職した話なんて、界隈ではそこそこ有名で、与野党の耳にも入ってきてるだろ?普通なら大問題だぞ。今年は与野党の喧嘩に職員巻き込むなよマジで。 — おもち@古い霞が関を建て直す (@ex_kanryo_mochi) January 3, 2021 大事なことだから言っておくが、《仮に》野党ヒアリングに出てきた官僚の子どもがいじめにあったというのが事実だったとして、悪いのはいじめている加害当事者と、そんないじめを放置している教員や学校であって、野党ヒアリングじゃないだろう。 「野党ヒアで晒された職員の子どもがいじめにあって、職員が退職した」から野

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    kyfujita 2021/01/08
  • 三島由紀夫を美化する風潮にうんざり - 読む・考える・書く

    先日TLに流れてきたツイート。 今年、没後50年だそうですが、三島由紀夫が、なぜ高く評価されるのか私にはわかりません(小声) — チュンカチュンカ (@chunkachan) November 25, 2020 当にそのとおりで、没後50年だか何だか知らないが、三島を妙に美化しようとする風潮にはうんざりさせられる。 三島由紀夫とは、一言で言ってしまえば、右翼思想をこじらせたあげくに自衛隊を扇動して反動クーデターを起こすという妄想に取り憑かれ、監禁立てこもり事件を起こして自殺した一人の愚かな男に過ぎない。しかも、若者一人を自分の死の道連れにし、さらに他の三人にも嘱託殺人などの重罪を犯させている。 三島がなぜこんな事件を起こしたのかは、人が自衛隊を動かそうとして書いた檄文[1]を読めばわかる。 われわれは戦後の日が、経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大を忘れ、国民精神を失ひ、を正さずし

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    kyfujita 2020/11/30
  • 『この世界の片隅に』の敗戦の日描写の嘘っぽさの理由を坂口安吾が教えてくれた。 - 読む・考える・書く

    『この世界の片隅に』では、いわゆる「玉音放送」で天皇から臣民に対して帝国日の敗北が宣言されたあの日の様子を、次のように描いている。[1] すず以外の北條家の人々(やラジオを聞きに来た近所の人たち)は、実にあっさりと敗戦を受け入れて、まるで何事もなかったかのように日常へと戻っていく。 一方すずは天皇自身の言葉にも納得せず、憤然と外に出て、あの太極旗と慟哭のシーンへとつながっていく。 はっきり言って、すずの態度も、その他の人々のそれも、どちらも嘘くさい。 画像出典:[2] 実際のところ、職業軍人や特権階級ではない一般日人のあの日の心理はどのようなものだったのか。映画会社の嘱託という立場であの日を経験した坂口安吾が、『続堕落論』で次のように書いている。[3] 昨年八月十五日、天皇の名によって終戦となり、天皇によって救われたと人々は言うけれども、日歴史の証するとこを見れば、常に天皇とはかかる

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    kyfujita 2020/11/15
  • 「天皇制」の本質は日本固有の「寄生君主制」とでも呼ぶべきもの - 読む・考える・書く

    最近、坂口安吾の『堕落論』『続堕落論』を読んだのだが、この中で坂口は非常に鋭い天皇制批判を展開している。 続堕落論[1]: いまだに代議士諸公は天皇制について皇室の尊厳などと馬鹿げきったことを言い、大騒ぎをしている。天皇制というものは日歴史を貫く一つの制度ではあったけれども、天皇の尊厳というものは常に利用者の道具にすぎず、真に実在したためしはなかった。 藤原氏や将軍家にとって何がために天皇制が必要であったか。何が故に彼等自身が最高の主権を握らなかったか。それは彼等が自ら主権を握るよりも、天皇制が都合がよかったからで、彼らは自分自身が天下に号令するよりも、天皇に号令させ、自分がまっさきにその号令に服従してみせることによって号令が更によく行きわたることを心得ていた。その天皇の号令とは天皇自身の意志ではなく、実は彼等の号令であり、彼等は自分の欲するところを天皇の名に於て行い、自分が先ずまっさき

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    kyfujita 2020/11/12
  • 朝ドラ『エール』の古関裕而もまた一人の鮫島伝次郎だった件 - 読む・考える・書く

    NHKの朝ドラ『エール』の主人公「古山裕一」は実在の作曲家古関裕而をモデルとしているが、現実の古関裕而の人物像は『エール』で描かれたものとはだいぶ違っていたようだ。 『エール』の古山裕一は慰問に訪れたビルマで悲惨なインパール作戦の現場を目撃し、敗戦後は虚脱状態となって長い間曲も書けなくなっていたのだが、実際には戦争に協力したことへの深刻な反省などなかったという。『文化復興1945年――娯楽から始まる戦後史』(朝日新書)を書いた中川右介氏が次のように指摘している。 gendai.ismedia.jp 戦後の文化再興の群像劇の登場人物のひとりが古関裕而なので、この作曲家についても調べたので、少しは知っている。だから、『エール』を見ると、現実の「古関裕而」とドラマの「古山裕一」との相違点が気になって仕方がない。 それをひとつひとつあげていくときりがないので、結論から言えば、話題になった「戦争を真

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    kyfujita 2020/11/09
  • 冤罪「スパイ」容疑者の家族を戦後も白眼視し続けた日本社会 - 読む・考える・書く

    戦時中にスパイ容疑(軍機保護法違反)で逮捕され、官憲による拷問・虐待の果てに病死した宮沢弘幸さんの妹、秋間美江子さんが亡くなられた。 軍機保護法による冤罪「宮沢・レーン事件」 そもそも宮沢さんが逮捕・投獄された「宮沢・レーン事件」とは何だったのか。その驚くべき真相が、90年代になってようやく明らかにされている。 東京新聞(2013/10/14): スパイぬれぎぬ 宮沢・レーン事件 悲劇教訓に再来許すな (略)秋間さんの兄は、戦中に北海道帝国大の学生だった宮沢弘幸さん。太平洋戦争が開戦した一九四一年十二月、軍機保護法違反容疑で逮捕された。 米国人の英語教師レーン夫に「軍の秘密を漏らした」とされた。宮沢さんは、英語をはじめ数力国語を習得し、外国人の知人が多かった。そのため特別高等警察に目を付けられていた。宮沢さんは懲役十五年の実刑判決が確定。拷問と過酷な受刑生活で結核になり、敗戦後、釈放され

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    kyfujita 2020/11/04
  • 伊吹文明、自助努力を憲法が課しているという驚くべき謬論を吐く - 読む・考える・書く

    菅義偉は、自民党総裁選への立候補を表明した9月2日、NHKのニュース番組に出演して「(総裁になったら)どんな国にしたいか」と聞かれ、「自助・共助・公助」と答えた。[1] アナウンサー:「まず、菅さんが自民党総裁になったら『どんな国にしたいか』書いていただきました」 菅氏:(<自助・共助・公助>と書いたフリップを持ち)「自助・共助・公助。この国づくりを行っていきたいと思います」 アナウンサー:「具体的にどういうことでしょうか?」 菅氏:「まず自分でできることは自分でやる、自分でできなくなったらまずは家族とかあるいは地域で支えてもらう、そしてそれでもダメであればそれは必ず国が責任を持って守ってくれる。そうした信頼のある国づくりというものを行っていきたいと思います」 「自助・共助・公助」とは、来、災害時に一人でも多くの命を助けるための考え方なのだが、これが行政一般に適用されてしまうと、自力で生

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    kyfujita 2020/11/02
  • 中曽根は最低だったがその葬儀に弔意を強要する菅義偉はもっと最低 - 読む・考える・書く

    中曽根康弘元総理の内閣・自民党合同葬に、政府は9600万円もの税金を支出するのだそうだ。さぞかし立派な仕事をした偉大な人物だったのだろう。 部下のために慰安所を作ってやったと自慢していた中曽根 中曽根のやった仕事といえば、まず想起すべきはインドネシアのバリクパパンに海軍直営の慰安所を作ったことだろう。このことは、中曽根自身が自慢げに書いている。[1] 三千人からの大部隊だ。やがて、原住民の女を襲うものやバクチにふけるものも出てきた。そんなかれらのために、私は苦心して、慰安所をつくってやったこともある。かれらは、ちょうど、たらいのなかにひしめくイモであった。卑屈なところもあるし、ずるい面もあった。そして、私自身、そのイモの一つとして、ゴシゴシともまれてきたのである。 後にこのことが問題になると、中曽根は、自分の作った「慰安所」は強制売春施設ではなく碁や将棋を打つための集会所だったなどと言って

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    kyfujita 2020/10/22