樋口 晴彦(ひぐち・はるひこ)氏 警察大学校警察政策研究センター教授。1961年、広島県生まれ。東京大学経済学部卒業後、上級職として警察庁に勤務。現在、警察大学校教授として、危機管理・リスク管理分野を担当。企業不祥事研究の第一人者。米国ダートマス大学MBA、博士(政策研究)。近著に『なぜ、企業は不祥事を繰り返すのか』(日刊工業新聞社)、『悪魔は細部に宿る ―危機管理の落とし穴』(祥伝社)など。 樋口:検査関連の偽装という点で東洋ゴム工業の不正事件とよく似ています。不正が生じた原因も共通しています。1つは、技術力が要求されたレベルにまで達していなかったこと。それから、経営陣や上司による厳しいプレッシャーがあったことです。 ただ、こうした原因による不正はこの2社だけではなく、どの企業にも起こり得るものです。東洋ゴムや三菱自動車のケースは影響が極めて大きいために重大な不正だと騒がれていますが、決
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