経済成長率の伸びが4~6月期に鈍化した。内閣府が発表した国内総生産(GDP)の速報値によると、物価変動の影響を除いた実質GDPの対前期伸び率は、3四半期連続のプラスとなったが、1~3月期に比べ、市場の予想以上に縮小した。 四半期の数値はブレやすいうえ、今回は家電のエコポイント対象商品の絞り込みを見越した3月の駆け込み購入の反動が影響している。短期的な変動に動揺して追加の景気対策に走るのは賢明ではない。 問題は目先の数値より、根源的なところにありそうだ。多くの企業が極端にリスクを敬遠し、守りの経営を続けていることである。経営者の草食系化と呼んでもよさそうだ。成長への貪欲(どんよく)さ、“アニマル・スピリッツ”で中国や韓国の企業に負けていないだろうか。 エコ需要刺激策など政府による景気の後押しは、一定の役目を果たしたら打ち切るのが筋だ。回復のけん引役は民間にバトンタッチされなければいけない。そ