ブックマーク / amberfeb.hatenablog.com (69)

  • きみとセカイの証明────『夏へのトンネル、さよならの出口』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『夏へのトンネル、さよならの出口』をみました。おもしろかった!以下感想。 かつて妹を事故で喪い、そのことで家族も崩壊状態になってしまった少年。父から逃げるように飛び出した先で、うわさで語られる、年を取ってしまう代わりに「ほしいものが手に入る」というウラシマトンネルをみつけてしまう。偶然にも、そのトンネルの秘密を転校生の少女と共有することになった少年。それぞれトンネルで見つけ出したいものがある少年と少女は、ひと夏の協力関係を結ぶことになる。 八目迷によるライトノベルのアニメ映画化。監督は『アクダマドライブ』・『BLEACH 千年血戦篇』の田口智久。アニメーション制作は『映画大好きポンポさん』のCLAP。ビジュアルにおいては、ひなびた田舎町の風景が強い印象を残し、人影のない無人駅や廃墟のトンネルに象徴されるよう、画面全体に寂寥感が漂い、どことなくセンチメンタリズムを喚起する。キャラクターデザイ

    きみとセカイの証明────『夏へのトンネル、さよならの出口』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 幻を超え、頂点の先へ────『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』感想 - 宇宙、日本、練馬

    ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』をみました。おもしろかった!以下、感想。 我々の現実世界の競走馬の名前と宿命を受け継いで生まれる存在、ウマ娘。彼女たちは走るために生まれ、最高峰の舞台、トウィンクルシリーズで鎬を削る。フジキセキの鮮烈な走りに衝撃を受け、トウィンクルシリーズへと身を投じたウマ娘、ジャングルポケットは「最強」を目指して邁進するが、彼女の前に無敗のウマ娘、アグネスタキオンが立ちはだかる。上の世代には世紀末覇王とよばれるテイエムオペラオーが君臨するなか、ジャングルポケットは「最強」をその手につかめるか。 ソーシャルゲームやアニメを中心に展開される『ウマ娘 プリティーダービー』、満を持しての劇場版は、ヤンキー少女風のウマ娘、ジャングルポケットを主役に、彼女の最強を目指す戦いと葛藤を描く。アニメーション制作は昨年公開された『ROAD TO THE TOP』に引き続きCygam

    幻を超え、頂点の先へ────『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 思春期の不全感と和解するために────アニメ『僕の心のヤバイやつ』感想 - 宇宙、日本、練馬

    このところぼんやり『僕の心のヤバイやつ』をみていました。以下、感想。原作の展開にも触れています。 中学2年生の少年、市川京太郎は、猟奇的な内容の書籍を愛好し、周囲の友人たちと一線を引きながら学校生活を送っていた。そんな彼にとって、同じクラスの美少女、山田杏奈まったく別の世界にいる存在だったのだが、ぐうぜん図書室でおかしをほおばる彼女をみかけて…。 現在はマンガクロスで連載されている、小柄で内気な少年と、背が高く明るい美少女の交感を描くラブコメディ漫画のアニメ化。『みつどもえ』の桜井のりおがまさかこんな直球のラブコメを描くのか、という素朴な驚きがあったのだが、原作は物語の進行にしたがって巧みに課題設定を変化させながら、二人が付き合いだしてからも巧妙に読者の期待を誘導しつつテンションを維持していて、そこに絶妙な手練れ感があると思う。まさに満を持して、という感じがするタイミングでのアニメ化だった

    思春期の不全感と和解するために────アニメ『僕の心のヤバイやつ』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 窓をあける人/涙にはまだ早すぎる────『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』をみました。みんな元気でよかったですね、ほんとうに...。以下、感想。 一学年上の先輩たちが引退し、吹奏楽部部長に就任した黄前久美子。まだ部長としての立ち居振る舞いはしっくりこないが、12月に開催されるアンサンブルコンテストにむけて、部内ではそれぞれ少人数編成のチームが組まれ、あわただしい日々を過ごすのだった。 『響け!ユーフォニアム』の最新作は、映画『誓いのフィナーレ』の後、黄前久美子たちが2年生後半に差し掛かった時期の挿話。1時間ほどの中篇で、部長としての在り方に悩みつつ久美子にスポットをあてつつ、奮闘する部員たちを描く。まだ3年生が卒業していないこともあり、引退した先輩たちが画面をにぎわせるサービスもうれしい。 吉川・中川の凸凹コンビは相変わらずだが、とりわけ印象に残るのは音大受験に向けて練習に取り組む鎧塚みぞれ。『誓いのフィ

    窓をあける人/涙にはまだ早すぎる────『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 軽やかな誠実さ――アニメ『スキップとローファー』感想 - 宇宙、日本、練馬

    スキップとローファー』をみました。ほんとうによい気持ちになりますね。以下、感想。 高校進学を機に石川県、能登半島から上京した少女、岩倉美津未。日最高峰の大学に進学し、ゆくゆくは官僚になって過疎にくるしむ場所を救いたい…と高い志をもつ彼女だが、入学式当日、なれぬ東京で道に迷い、はやくも都市のあらなみにくじけそうになってしまう。そんなとき、偶然通りかかったおなじ高校に通うと思しき少年が声をかけてきて―――。 高松美咲による『アフタヌーン』で連載中の漫画のアニメ化。制作スタジオは富山に社を置くP.A.WORKS、監督は『夏目友人帳』シリーズで監督もつとめた出合小都美。梅下麻奈未によるキャラクターデザインは原作の素朴でキュートなあじわいを見事にアニメに起こしていて素敵。全体として、原作のあたたかな雰囲気が誠実に再現された、リスペクトを強く感じるアニメ化だったと感じる。 過疎地機で生まれ育った

    軽やかな誠実さ――アニメ『スキップとローファー』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 山と自由さ——アニメ『ヤマノススメ』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『ヤマノススメ』をみました。『DIY』からの流れで、いままでみていなかった罪を清算していきますよ。以下、感想。 高校に入学してそうそう、旧友と再会した少女、雪村ひなたは、いやいやながらもその誘いに巻き込まれて登山をはじめ、あらたな友人たちと出会っていくのだった。 しろによる漫画のアニメ化。第1期は1話3分のショートアニメで、通してみても30分強。2期以降、所謂作画アニメとしてアニメーターがその個性を押し出していく…というのはなんとなく知っているのだけど、この1期時点ではさほどでなくて、ライトなタッチの萌えアニメのバリエーションという感じ。 この1期放映は2013年だから、おそるべきことにすでに10年の時が経とうとしていて、その間、アウトドアアニメとしては『ゆるキャン△』が多くの視聴者を得たわけだけれど、アウトドア趣味そのものをつくりて≒原作者が楽しんでおり、その知見がいやらしくなく作品に活

    山と自由さ——アニメ『ヤマノススメ』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 新しい朝陽を浴びて、輝けよ世界——『ぼっち・ざ・ろっく!』感想 - 宇宙、日本、練馬

    ぼっち・ざ・ろっく!』をみました。いいじゃないですか…。以下、感想。 他者とのコミュニケーションが極めて不得手な少女、後藤ひとり。ちやほやされるためにと始めたギターはめきめき上達し、動画配信サイトで覆面ギタリスト「ギターヒーロー」として少なくない視聴者を得ていたが、現実では友人もなく孤独に高校生活を送っていたのだった。そんな折、偶然出会った少女に声をかけられ、臨時のギターとしてバンドに参加することとなる。それが、ひとりだった彼女の居場所になっていく。 はまじあきによる同名漫画のアニメ化。監督は『ブギーポップは笑わない』や『Sonny Boy』で演出を務めた斎藤圭一郎で、これがTVアニメ初監督作となる。今年放映予定の『葬送のフリーレン』も監督するようで、この作品が出世作だったといっていいだろう。アニメーション制作はCloverWorks。ファジーな質感のキャラクターたちは実にキュートに動い

    新しい朝陽を浴びて、輝けよ世界——『ぼっち・ざ・ろっく!』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 孤独な魂のために——辻村深月『かがみの孤城』感想 - 宇宙、日本、練馬

    あの原恵一がアニメ化するというので、辻村深月『かがみの孤城』を読みました。以下、感想。物語上の重要な仕掛けに触れています。 中学校に進学した直後、不登校になってしまった少女。うつうつと日々を過ごす彼女は、突如かがやきを放った自室の鏡に導かれ、オオカミの面をつけた幼い少女の住む城へと招かれる。そこには、同世代の少年少女7人が集められ、願い事をかなえるという鍵を探すゲームが始まる。タイムリミットは次の3月。不思議な城で次第に交流するようになる少女、少年たちの願いは、あるいは未来は。 誠実に書かれた小説だと思う。学校空間で行き場をなくしてしまった少女の苦しさ、そのディテールは読ませるし、周囲の大人たちの無理解(と理解)のリアリティ感覚も絶妙。これを読むかもしれない孤独な子どもに、「たかが学校」にすぎないと勇気を与えようとするのは、大人としての責務がそうさせたのだろうが、そのおせっかいにいやらしさ

    孤独な魂のために——辻村深月『かがみの孤城』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 拡張現実とオルタナティブな東京——『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』感想 - 宇宙、日本、練馬

    プライムビデオで配信が終わるというので、『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』をみました。以下、感想。 大規模オンラインゲームの仮想空間にプレイヤーが閉じ込められ、ゲーム内での死が現実での死に直結するデスゲームによって大量の犠牲者が出た「ソードアートオンライン」事件から数年。巷では、現実に仮想空間を重ね書きする拡張現実デバイスが大流行し、それをもちいたゲーム「オーディナル・スケール」も大きな流行をみせていた。そんななか、同ゲーム内で「ソードアートオンライン」のボスキャラが姿をみせはじめ、かつて死のゲームから生還したものたちに陰謀の魔の手が迫っていた。 川原礫によるライトノベルを原作にしたアニメ『ソードアート・オンライン』の劇場版は、ARをガジェットとして取り入れたオリジナルストーリー。原作と接したとき、これは懐かしきPS2のゲーム『.hack』の二番煎じじゃん、と

    拡張現実とオルタナティブな東京——『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • ずっと続いてゆく旅路——『映画 ゆるキャン△』感想 - 宇宙、日本、練馬

    映画 ゆるキャン△』をみました。以下、感想。 高校を卒業してからしばらく後。名古屋市内の出版社に勤めはじめた志摩リンは、高校時代にしばしばキャンプをともにした級友、大垣千明と再会する。山梨県内で地域振興のための団体に勤務しているという彼女は、山梨県廃墟を再利用してキャンプ場をつくる計画をあたためていた。その計画の実現のため、かつて「野外活動サークル」とその周辺に集まった少女5人がふたたび集まり、キャンプ場づくりを始める。 高校生の少女たちがゆるくキャンプを楽しむ様子を描いたアニメ『ゆるキャン△』の劇場版は、まだ高校生活を続けている原作漫画のはるかさきを描く。原作がまだ進行中で、かつまだ高校卒業すらしていないキャラクターの「その後」を先取りして描いてしまう、というのは大変なアクロバットだと感じたが、そのことが映画らしい映画としてこの作品を成立させていて、その意味で極めて誠実な舞台設定だった

    ずっと続いてゆく旅路——『映画 ゆるキャン△』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 保土ヶ谷の階段 - 宇宙、日本、練馬

    保土ヶ谷の階段 - 宇宙、日本、練馬
    kyuusyuuzinn
    kyuusyuuzinn 2022/05/05
    趣あるなあ
  • 遠くのきみと一緒に旅する——アニメ『ゆるキャン△』感想 - 宇宙、日本、練馬

    ゆるキャン△』、放映時に最後までみるのがもったいなくて最終話だけ未見だったのですが、映画公開前には追い付きたい...ということで、ようやくみました。以下、感想。 山梨県に引っ越してきた少女、各務原なでしこは、偶然迷い込んだキャンプ場で同じ高校に通う少女、志摩リンと出会う。彼女との出会いをきっかけにキャンプに興味をもったなでしこは、高校で出会った新しい友人たちと、その世界を広げてゆく。 あfろによる『まんがタイムきららフォワード』連載の漫画のアニメ化。『ヤマノススメ』などにかかわった京極義昭の初監督作品で、アニメーション制作はタツノコプロ、Prodction I.Gの流れをくむC-Station。佐々木睦美によるキャラクターデザインはキュートで、表所豊かなキャラクターたちはこのアニメの大きな魅力だろう。 女子高生の日常を主題とし、恋愛や家族関係の葛藤などシリアスなドラマが持ち込まれない、所

    遠くのきみと一緒に旅する——アニメ『ゆるキャン△』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 此岸で無様に「やり直す」こと——アニメ『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『無職転生 〜異世界行ったら気だす〜』をみました。あなどっていてすみませんでした。たいへん誠実に制作されていて腰抜かしました。以下、感想。 トラックに轢かれて一生を終えたかに思われたひきこもりの男は、気付いたら異世界の赤ん坊として生まれ変わっていた。中世ヨーロッパ風の世界で魔術の才能を磨きながら成長した元無職ひきこもりの青年は、異世界で過酷な運命と対峙する。 理不尽な孫の手によって2012年から「小説家になろう」に連載され、書籍化されたライトノベルを原作とする。読者からの高い評価を知ってはいたが、2021年に新たな制作会社を立ち上げて満を持してのアニメ化が、ここまで稠密な異世界をたちあげ、そして物語は極めて誠実なビルドゥングスロマンであったことに、正直強い驚きを覚えました。アクション作画は要所要所でさえわたり、また魔法発動シーンのセンス・オブ・ワンダーがありありと伝わってくるのが素晴らし

    此岸で無様に「やり直す」こと——アニメ『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 誠実な職人芸——アニメ『ハイキュー‼︎』感想 - 宇宙、日本、練馬

    このところ、漫画があまりにもよかったのでアニメ版の『ハイキュー‼』をdアニメストアでみていました。出来がめちゃよくて感動ですよ。以下、感想。 宮城県、バレーボールの古豪、烏野高校。そこに入学した小柄な少年、日向翔陽が、中学時代に一方的に叩きのめした「コート上の王様」影山飛雄とチームメイトになり、個性豊かな仲間たちとともに全国大会を目指して奮闘する。 古舘春一による原作が『週刊少年ジャンプ』で連載開始したのが2012年で、このアニメが放映されたのは2014年。そこから『セカンドシーズン』(2015-6年)、『烏野高校 VS 白鳥沢学園高校』(2016年)、『TO THE TOP』(2020年)と、断続的にアニメ化が続いている。特段オリジナルの展開などを挟まず、原作の物語を忠実にアニメ化しているのだろうと推察するが、この1期目は原作の8巻、インターハイ予選の決着までが描かれる。 原作の1話を忠

    誠実な職人芸——アニメ『ハイキュー‼︎』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 『東京裏返し』散歩―—コンドル、新海、渋沢栄一編 - 宇宙、日本、練馬

    このところ吉見俊哉『東京裏返し』をぱらぱらめくっていて街歩き熱がふっと湧いてきたので、散歩しました。 最初の目的地は駒込駅近くの旧古河庭園。ジョサイア・コンドル設計の旧古河邸と、その庭園が見どころですわね。 バラはぎりぎり見ごろ...ですかね、たぶん。 古河邸は1階部分は見学可。1階部分は応接用の洋式、2階部分は生活用に和風みたいな感じのようなので、2階も見学したいものですわね。公開してくれると嬉しいのだけど...。 庭園は地形を活かした高低差が魅力。上が洋風、下は日庭園という贅沢なつくり。 その後、とんかつをべにいきました。開店直後に入ったんですがその後長蛇の列ができていてビビる。 その後、山手線沿いに歩いて田端方面へ。 文士村記念館、芥川龍之介の遺書なんかが(複製だけど)展示されていて、遺書も原稿用紙に書くのね...となる。 田端でバタバタ。 『天気の子』ですね。 訪れたのは2年ぶ

    『東京裏返し』散歩―—コンドル、新海、渋沢栄一編 - 宇宙、日本、練馬
  • 運命の成就、そのあとで——『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』をみました。このあいだダッシュで予習した甲斐があったと思える見事な映画だったと思います。以下、感想。 あのトップスタァの座をかけたオーディションから一年。舞台少女たちはそれぞれ進む道を選び、学園という箱庭から飛び立とうとしていた。しかし、幼いころからの友人との約束を果たし、そしてその友人が海の向こうへ一足先に旅立ってしまったことで、舞台少女愛城華恋は、自分の道を見出せずにいた。そんなとき、キリンの声に導かれ、正気と狂気が同居する奇妙なレヴューの幕が、再び開く。 テレビアニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の続編にして、おそらく完結編になるであろうこの劇場版は、おおよそ明確な筋をもたず、奇天烈極まる舞台装置が次々と現れるなかで、キャラクターたちが入れ替わり立ち替わり躍動し歌う、ちょっと尋常でない映画になっている。 テレビシリーズから、決闘ゲーム

    運命の成就、そのあとで——『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 西東京的、西武線的——アニメ『女子高生の無駄づかい』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『女子高生の無駄づかい』をみたので、以下感想。 さいのたま女子高等学校に通う3人の少女。バカ、ヲタ、ロボと呼び合う彼女たちの、他愛ない日常。 ビーノによるギャグ漫画のアニメ化。アニメ放映が2019年で、その翌年には実写ドラマ化もされている。アニメ化はともかく、よくもまあ実写化企画が通ったなという感じはするが、ドラマのほうもスラップスティックというかナンセンスというか、そういう空気感がうまく出ていて素朴な驚きであった。 ただ、キャラクターが極めて効率的に記号化された(バカ、ヲタ、ロボ等のあだ名の恐れを知らぬ安直さ!)作品世界を十全に現前させうるのは、やはり記号の世界たるアニメの特権だとも思う。ロリは実写の世界だとそこまで幼くみえないし。 赤﨑千夏のほんとうに「バカ」に聴こえる演技が作品を見事に牽引し、楽しい時間を演出することに成功していると思うが、この作品の魅力のひとつはどことなく感じられる

    西東京的、西武線的——アニメ『女子高生の無駄づかい』感想 - 宇宙、日本、練馬
    kyuusyuuzinn
    kyuusyuuzinn 2021/06/04
    同じ西武線沿線が舞台でも『SSSS.GRIDMAN』や『裏世界ピクニック』が野暮ったくないのは、やはりそれらの舞台が女子無駄より都心依りだからなのかな、などと思った。
  • 涙の生々しさ——『true tears』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『true tears』をいまさらみました。どうもこの作品の温度感のようなものが苦手で、途中までは何度もみてたんですが、今回ようやく最終回までたどり着きました。以下、感想。 海沿いの街を舞台に、高校生の男女恋愛を描く。同名のゲームソフトを原作としつつも、キャラクター等はオリジナルという奇妙な建付け。それゆえシリーズ構成の岡田磨里の作家性がとりわけ強く出ていると感じさせる。2008年に放映された作以後、同年の『とらドラ!』から10年代の『あの花』等々、大きな存在感を放つ脚家の一人となった岡田だが、この『true tears』ではその作家性がまだ十分に洗練されていないと感じさせる。劇中作が大きな役割を果たし、また幼さを感じさせる少女が作品の中心にあるという点で、『心が叫びたがってるんだ。』の原型のようにも感じる。 この『true tears』で重要な役割を果たす少女の言動は極めてエキセン

    涙の生々しさ——『true tears』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • あたらしい廃墟 - 宇宙、日本、練馬

    いま最もあたらしく、ホットな廃墟、晴海はオリンピック選手村跡地にお散歩にでかけました。 東京駅から晴海をめざします。東京駅人大杉ワロタ。 歌舞伎座。 築地願寺。 勝鬨橋付近。 黎明橋付近。 煙突。 選手村。 帰路。 中銀カプセルタワー。限界建築メタボリズム!

    あたらしい廃墟 - 宇宙、日本、練馬
  • アニメ『THE IDOLM@STER』感想 - 宇宙、日本、練馬

    アニメ『THE IDOLM@STER』をようやく最後までみました。今年で放映から10年ですってよ。以下感想。 ゲーム『THE IDOLM@STER』の2度目のアニメ化。2007年に放映された『アイドルマスター XENOGLOSSIA』が、キャラクターを借用したスピンオフ的ロボットアニメだったのに対し、こちらはアイドル活動を主題とするという点で、直球のアニメ化だといえる。2010年代、『ラブライブ!』や『Wake Up, Girls!』、『ゾンビランドサガ』など数多くのアニメがアイドルを主題としたが、このアニメ版『アイマス』がある種その走りといってもよいのだろうか。(『プリティーリズム・オーロラドリーム』の放映は『アイマス』に3か月ほど先立つが、この文脈にプリリズをおいてよいものかちょっとわからん) さて、この『THE IDOLM@STER』は『天元突破グレンラガン』でキャラクターデザインを

    アニメ『THE IDOLM@STER』感想 - 宇宙、日本、練馬