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  • 『Another』感想:「悪意」の介在しないホラー - ねざめ堂

    ※綾辻行人のベストセラー小説で、アニメ・実写映画化もされたホラーミステリ『Another アナザー』の感想です。ネタバレあり〼 最近、P.A.Works が製作したアニメ版『Another』(2012年)を(いまごろ)観たんだけど、面白かったです。とくに前半の学園生活のイヤーな雰囲気が絶品でした。 主人公の中学生の少年が東京から地方都市に引っ越してくるところからはじまるお話なんだけど、転入先の学校のクラスメイト全員になんだか生気がなくて、主人公(=他所者)にたいして何か秘密を隠している…という、田舎を舞台にしたホラーでお約束のあの感じ。 そういう地方共同体の閉鎖性とか、発展からとり残された中途半端な地方都市のさびれた街並なんかが醸しだす閉塞感に、都会からやってきた主人公が真綿で首を絞めるようにジワジワと窒息させられていく。自分も中途半端な田舎に住んでるんだけど、そういった雰囲気づくりが上手

    『Another』感想:「悪意」の介在しないホラー - ねざめ堂
    kyuusyuuzinn
    kyuusyuuzinn 2017/08/07
    昔、作者が何かの記事で「anotherは『つながる、つながらない』ということがテーマ」だと言っていた。今となっては、その記事探しても見つからないし、どういう意図で言ったのか分からないが。
  • 『クズの本懐』感想(後編):花火と茜・ひとりのヒロイン - ねざめ堂

    今年の1~3月に放映されていたアニメ版『クズの懐』(公式サイト)。放映中に第1~6話までの感想はアップしていたのですが、 『クズの懐』感想(前編):代替可能な恋愛関係 この内容を前提としたうえで、「後編」として、シリーズ全体の感想です。今回はおもにストーリーの構成に焦点をあてた内容になっています。最終回までのネタバレありです。 ◯花火と茜:極限で似る者 6話までの感想で、主人公・花火と、彼女に執着する音楽教師・茜との関係についてこんな事を書いたんですけど、 茜はもしかしたら、「幼い日の花火が ”お兄ちゃん” のような自分の世界を壊す存在に出会えなかったとしたら?」という「if(もしも)」的なキャラクターとして造形されているのかもしれません。 最終回まで観終えてみると、このふたりは思った以上に明確に、お互いの「if」として物語のなかで対置されていました。 『クズの懐』には計6人のメイン

    『クズの本懐』感想(後編):花火と茜・ひとりのヒロイン - ねざめ堂
  • 『けものフレンズ』感想:人類の夜明けぜよ。 - ねざめ堂

    正直なところ、第11話まではずーっと「なんでここまで人気なんかな?」と首を傾げながら視聴しておりました『けものフレンズ』(公式サイト)。 面白さに惹かれてというより、自分には魅力が理解できない人気作を「でも視野を狭めたらアカンよな」という動機で「社会見学」として観ていた感じだったのです(たまにそういうことをやる)。 でも、最終回!あれで自分がいままで抱いていた『けものフレンズ』への認識が見事にひっくり返されて「ようこそジャパリパークへ!」状態に(おっそい入園だな)。ほんと良い最終回だったね…。 というわけで、にわかのフレンズによるシリーズ全体の簡単な感想です。さまざまなメディアミックスがなされ、作品ごとに少しずつ設定が異なる『けものフレンズプロジェクト』ですが、当記事はアニメ版の設定・ストーリーを対象にしています。ネタバレがありますのでご注意ください。 ◯サンドスターとセルリアン 考察が捗

    『けものフレンズ』感想:人類の夜明けぜよ。 - ねざめ堂
  • 『クズの本懐』感想(前編):代替可能な恋愛関係 - ねざめ堂

    現在ノイタミナ枠で放映中のアニメ『クズの懐』(公式サイト)。 昼ドラばりの扇情的なエロ展開を連発しているようでいて、根っこの部分では青春ものの王道テーマをきっちりとふまえた良作で、毎週楽しく観ております。花火ちゃん愚かわいい。 この記事は、原作マンガ・実写ドラマ版は未見状態での、アニメ第1話~第6話までの感想です。1万字近くあるので、お時間のあるときにのんびりと読んでいただけると嬉しいです。 ネタバレを含みますのでご注意ください。 ◯代替可能な恋愛関係 『クズの懐』は、普通は「かけがえのない=代替不可能」なものである、とされている恋愛関係を「かけがえのある=代替可能」なものとして扱う…という点がフックになっている作品ですよね。 この「恋愛関係の代替可能性」は、第1話冒頭から、ヒロイン・花火のモノローグによって明示されます。 「私たちは付き合っている。でも、お互いがお互いの、かけがえのあ

    『クズの本懐』感想(前編):代替可能な恋愛関係 - ねざめ堂
    kyuusyuuzinn
    kyuusyuuzinn 2017/02/23
    良い記事だ。
  • 『3月のライオン』(アニメ版)感想①:「競争」と「共同体」のバランスゲーム - ねざめ堂

    NHK総合で毎週土曜日に放映中のアニメ『3月のライオン』(公式サイト)。 じつは私はまだ羽海野チカの原作を読んでいないのですが(『ハチミツとクローバー』は大好きだったので、こちらもそのうちまとめ読みしたい)、数々の賞を受賞し大ヒット、今春には実写映画2部作の公開も控えるなど、とても注目度の高いタイトルですね。 アニメ版は全22話予定で、先日放映された第12話からすでに後半戦に突入していますが、この記事は昨年末まで放映された前半分・第1話~第11話までについての感想です。ネタバレがありますのでご注意ください。 ◯三月町(暖かな共同体の世界)と六月町(孤独な競争の世界) 物語の主人公・桐山零が暮らす「六月町」と、ヒロイン・川三姉妹の住む「三月町」。 零が、橋でつながったふたつの町(世界)を行き来することで『3月のライオン』のストーリーは動いていきます。「六月町」は、冷え冷えとした孤独感が漂う

    『3月のライオン』(アニメ版)感想①:「競争」と「共同体」のバランスゲーム - ねざめ堂
    kyuusyuuzinn
    kyuusyuuzinn 2017/01/11
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  • 『がっこうぐらし!』感想 ~丈槍由紀と「かれら」の失楽園 - ねざめ堂

    アニメ版『がっこうぐらし!』の感想です。この作品については、リアルタイム放映時(2015年秋)にも記事を書いていたんですが↓ 丈槍由紀は堕天する、のか? ~『がっこうぐらし!』雑感 丈槍由紀の(半)堕天 ~『がっこうぐらし!』雑感 その② 今回はあらためてのまとまった感想です。リンク先の記事と重複する個所がある点、作品のネタバレを含む点をご了承ください。 ◯ベタな「メタ日常系」としての『がっこうぐらし!』 『がっこうぐらし!』の舞台となるのは、地上がゾンビたち(作中での呼称は「かれら」)に覆われ、それまでの「日常」が崩壊した世界。そんな中、平穏な「日常」がまだ続いている…という妄想のなかに生きる主人公・丈槍由紀。 このキャッチーな設定に表れているように、『がっこうぐらし!』は非常に明快な「メタ日常系」作品である…と(とりあえずは)いえます。由紀の妄想のなかの「平穏な日常( ≒ 日常系まんが

    『がっこうぐらし!』感想 ~丈槍由紀と「かれら」の失楽園 - ねざめ堂
  • 映画『聲の形』感想メモ:「スキ」と「バカ」 - ねざめ堂

    ※ちょっとした「気付き」についてのメモ的記事。ネタバレあり〼 先日行われた『聲の形』の舞台挨拶で、山田尚子監督がこんなエピソードを披露していたそうです。原作にはないアニメオリジナルのシーン…学園祭での硝子と植野の「バカ」のやりとり、手話(指文字)について。 じつは植野の手話は間違っていて「ハ、カ」になっちゃっているんです。濁点は手をスライドさせるんですが、それを硝子が教えてあげるんですが結果、植野に「バカ」って言ってしまっているような感じなんです。 映画『聲の形』大ヒット御礼舞台挨拶に入野自由、早見沙織、悠木碧らメインキャスト&山田尚子監督が揃って登壇。| アニメレコーダー 私は、植野と硝子が対等な位置に立って「バカ」と言いあっている...ささやかなコミュニケーションが成立した、というシーンだとずっと解釈していたんだけど(会場にいたお客さんも、この話をきいて驚いていた方が大勢いたようなので

    映画『聲の形』感想メモ:「スキ」と「バカ」 - ねざめ堂
  • 映画『聲の形』感想 ~コミュニケーションの不完全さをあぶりだす - ねざめ堂

    ※記事前半はネタバレなし、後半はネタバレあり感想です。 先日、試写会でひと足早く、映画『聲の形』(公式サイト)を観ることができました。誘ってくれたランゲージダイアリーの相羽さん(ブログ)ありがとうございます!! 大変な傑作でした...。「すっごい泣けた!」みたいな即効性の高いカタルシスを与えるタイプの作品では(あまり)なくて、ディティールを丁寧に丁寧に積み上げていき、その積み重ねがしだいにジワジワ効いてくるという、エンタメ成分抑えめのストイックで精緻な作りに惚れ惚れ。もう余韻で頭がいっぱいで、他のことがうまく手につかない…。 以下、簡単なネタバレなし感想です。 ▶︎ヒロインの聴覚障害は作品のメインテーマではなくて、人間同士のコミュニケーションが原理的にはらむ「不完全さ」を増幅してあぶりだす役割を担っていたと思います。 ▶︎言葉や表情を介したコミュニケーションは、「障害者」「健常者」(カギ括

    映画『聲の形』感想 ~コミュニケーションの不完全さをあぶりだす - ねざめ堂
  • 『たまこまーけっと』を振り返る 第10話 - ねざめ堂

    『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第10話『あの子のバトンに花が咲く』 脚:横手美智子 絵コンテ・演出:小川太一 作画監督:丸木宣明 第3話『クールなあの子にあっちっち』の感想と被ってしまいますが、第3話と今回の第10話は「対」になっているエピソードで、ともに 「共同体の “内側” で発生したディスコミュニケーションが、共同体の “外側” にいる人物の仲立ちによって解消される」 というストーリーを描いています。 『たまこまーけっと』は、商店街・家族・友達グループといった各種「共同体」の素晴らしさを描いてはいるけれど、それと同時に、内輪だけで固まらずに外側との交流が確保される必要があるよ…という「共同体の風通しの良さ」の描写にもこだわった作品でした。 だから、商店街には外から色々な人が入ってきたり、出て行ったりするし(史織、さゆり、柚季、デラ、

    『たまこまーけっと』を振り返る 第10話 - ねざめ堂
  • 丈槍由紀の(半)堕天 ~『がっこうぐらし!』雑感 その② - ねざめ堂

    ※前回の記事(丈槍由紀は堕天する、のか? )に付け足しで、最終回の感想。ネタバレ注意です。 ▶︎日常系的妄想世界と、ゾンビまみれの現実との間で揺れていた由紀。最終的には、日常系的な想像力を「現実逃避の手段」から「現実にコミットし、現状を打破するための手段」にアップデートする、という結論に。「現実か、妄想か」という二択のブレイク。 ▶︎由紀の校内放送にうながされて、ゾンビたちが生前の習慣にしたがって帰宅していくシーンで、それまで「学園生活部」のメンバー間でしか共有されていなかった「平穏な日常」のシミュレーションが、全校規模で展開されていく。 ▶︎校内放送をする由紀は、もはや現実をはっきり認識しており、「平穏な日常」という幻想を自覚的に作りだす立場。ここでの彼女は、それまでのような日常系的世界の「無自覚な体現者」から、「意識的な作り手」へと変貌している。 ▶︎「平穏な日常シミュレーション」の自

    丈槍由紀の(半)堕天 ~『がっこうぐらし!』雑感 その② - ねざめ堂
    kyuusyuuzinn
    kyuusyuuzinn 2015/09/28
    “フィクションを、逃避の手段から「いま・ここ」にある現実を読み替えるためのツールとして捉え直す、という展開の作品” なるほど!
  • 丈槍由紀は堕天する、のか? ~『がっこうぐらし!』雑感 - ねざめ堂

    ※原作マンガは未読、アニメ版第9話までに準拠したネタバレ感想です。 ◯月宮あゆと丈槍由紀と、天使のリュック ▶︎『がっこうぐらし!』が面白い。ヒロインの丈槍由紀が、荒廃したゾンビだらけの世界で平穏な学園生活を妄想し、周囲の部員たちがその妄想世界を支えることで精神の均衡を保つ、という構造の物語。 ▶︎由紀の「平穏な世界」という妄想は「日常系」というジャンルを、それを支える周囲の部員たちは、日常系作品の「制作者」や「ファン」を意味する…というメタ日常系アニメとしても楽しめる作り*1。 ▶︎とはいえ、いたずらに「日常系って、ゾンビだらけの現実を見てないお花畑でしょ?」とからかうのではなく、由紀が示す平穏な世界のビジョンで救われる部員たち、という側面を描いているのが良い。極限状況下の日常シミュレーションという意味では、映画『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997年)を連想させる。 ▶︎「ひとりの

    丈槍由紀は堕天する、のか? ~『がっこうぐらし!』雑感 - ねざめ堂
    kyuusyuuzinn
    kyuusyuuzinn 2015/09/07
    ネタバレになるので具体的なことは言わないが、原作の由紀は天使としての聖性を保ったまま堕天したように見える。
  • 『響け!ユーフォニアム』を振り返る 後編:ポスト・キョンとしての黄前久美子 - ねざめ堂

    前編はこちら 『響け!ユーフォニアム』シリーズ全編に加えて、原作小説1巻(アニメ最終回までに相当)、そして『涼宮ハルヒの憂』(アニメ版)のネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯B:『ハルヒ』的主人公像の「次」の提示 前編では、久美子と麗奈の関係を起点にして描かれたテーマA:「他者の異質性の肯定」を振り返ってみました。つづいてこちらの裏(?)テーマ B:『ハルヒ』的主人公像の「次」の提示 以前の記事(「異質な他者」の可能性 )で「『涼宮ハルヒの憂』で例えると、麗奈はヒロイン=ハルヒで、久美子はちょっと醒めた主人公=キョンのポジション」みたいなことを書きました(※この記事では、女性主人公=久美子と、ヒロイン=麗奈をあえて分けて扱っていきます)。 今回はそこをもうちょっと突っ込んで、久美子は主人公のあり方として、キョンの「次」を体現していたのでは?という話。 これだけだとちょっと意味不

    『響け!ユーフォニアム』を振り返る 後編:ポスト・キョンとしての黄前久美子 - ねざめ堂
    kyuusyuuzinn
    kyuusyuuzinn 2015/08/07
    キョン系ヒロインといったら、私は『となりの怪物くん』の水谷雫とかを想像するが、確かにそちらは「多様性」とか「次を提示する」という視点は弱かったと思う。
  • 『響け!ユーフォニアム』を振り返る 前編:他者の異質性の肯定 - ねざめ堂

    最終回が終ってしまったショックで(アニメ生活的に)ちょっと抜け殻になってたんですけど、気を取り直して感想を。 以前、第1回~第10回までについて「「異質な他者」の可能性 」という記事を書いたので、今回はそれをふまえての、最終回までのネタバレ感想です。振り返り記事につき、以前の記事と重複する部分もある点ご了承ください。 ◯前置き 以前『異質な他者の可能性』という記事で書いたのは、だいたい次のような内容でした。 ①これまでの京アニ作品では、さまざまな形で「灰色の日常に輝きを取り戻す」物語が描かれてきた(京都アニメーション文脈) ②『ユーフォ』ではその「輝き」は「 ”異質” な他者」によってもたらされる。具体的には「異質」なもの同士である久美子と麗奈の関係 ③そして「輝き」を供給しあう関係と「恋愛」は「別モノ」として扱われている(麗奈は久美子と「輝き」の相補的関係=ハルヒとキョンのような関係にあ

    『響け!ユーフォニアム』を振り返る 前編:他者の異質性の肯定 - ねざめ堂
  • 『響け!ユーフォニアム』で描かれる「異質な他者」の可能性 - ねざめ堂

    ※『響け!ユーフォニアム』第10話までのネタバレを含みますので、ご注意ください。 ◯前提:京都アニメーション作品の文脈 これは、去年の春に『ハナヤマタ』の放映が始まったときの「ランゲージダイアリー」相羽さんの記事なのですが(言及リンクありがとうございます)、 aiba.livedoor.biz 現在の日のアニメが描いている物語をより楽しむうえで、素晴らしい視点を提供してくれる記事です。 相羽さんの指摘をなぞらせてもらうと、いまの日って先進国と言われてはいるけれど、目の前には問題が山積みで、日々の生活のなかで無力感や虚無感を感じる場面も多い。 この灰色の日常なんなの、なんとか「輝き」(失われた「生の実感」とか*1)を取り戻すことはできないの?という試論を京都アニメーションは作品を通してずっとやっていて、その「輝き」は、たとえば『涼宮ハルヒの憂』で、「世の中こんなもんさ」とモノトーンな日

    『響け!ユーフォニアム』で描かれる「異質な他者」の可能性 - ねざめ堂
  • 『響け!ユーフォニアム』第8話の麗奈無双と、キャラクターのネーミングについて - ねざめ堂

    ※ネタバレ注意です。 あらゆる意味で凄かった第8話。 とくにBパートの麗奈様無双には圧倒されました。いつもはクールで無表情な彼女ですが、「学校の外」「夜」という、作品の「日常」からはちょっとだけ離れたセッティングに「久美子の前」という条件がプラスされると、解き放たれたかのように活き活きとした魅力が爆発。 (左・第5話 右・第8話) それで、久美子の何が麗奈を活き活きさせるかというと「他者性」「異質性」ですよね。 上の画像、第5話は久美子が「全国なんてそんな簡単には…」という失言を「また」やらかしたときに、慌てる久美子を尻目に「黄前さんらしいね」と笑うシーン。第8話は「私は物の特別になる」という宣言のあと、久美子の顔をみて「やっぱり久美子は性格悪い」と笑うシーンの表情です。 ここ、久美子の表情ははっきりとは映らないけど、おそらく彼女は麗奈の「特別になる」宣言を聞いて、いつものように「そりゃ

    『響け!ユーフォニアム』第8話の麗奈無双と、キャラクターのネーミングについて - ねざめ堂
    kyuusyuuzinn
    kyuusyuuzinn 2015/05/29
    “そして同じ共同体に所属しているメンバー同士といえども「同質の者たちの集まり」ではないよ、という点が強調して描かれています” 氷菓に出てきた漫研などもそれに近いのではないか?
  • 『響け!ユーフォニアム』3年生メンバーたちの関係性に萌える - ねざめ堂

    ※タイトルどおり、3年生メンバーたちの関係性に萌えてるだけのゆるーい記事です。第7話までのネタバレがありますので、ご注意ください。 『響け!ユーフォニアム』が毎週素晴らしすぎて幸せです。 どのエピソードも何回も観返してるんですけど、演出・作画・撮影効果・音響などなど、すべての面が隅々まで充実していて、全く飽きません(楽器を触ったときの微かなノイズのバリエーションとかさー!)。 以前このブログで、 『氷菓』で考える、技術と表現の関係 という記事を書いたことがあって、読んでいただけると嬉しいですが、この中で書いたのは ①デフォルメされた「絵」を使った表現であるアニメは、元来くっきりとした喜怒哀楽の描写を得意とした。 ②でも技術の進歩によって、喜怒哀楽の「あいだ」、もっと曖昧な中間領域の感情(=ほろ苦さ)の表現が可能になった。 と、だいたいこのようなことでした(要約すると当たり前すぎて空しいな)

    『響け!ユーフォニアム』3年生メンバーたちの関係性に萌える - ねざめ堂
  • 『たまこまーけっと』を振り返る 第2話 - ねざめ堂

    ここ数年、バレンタイン時期になると『氷菓』の『手作りチョコレート事件』とこの話はかならず観返してます(今年もみました!アニメの中のバレンタインって...いいよね)。 文中は『たまこまーけっと』全話、『たまこラブストーリー』のネタバレがありますのでご注意ください。 ◯第2話『恋の花咲くバレンタイン』 脚:吉田玲子 絵コンテ:山田尚子 演出:三好一郎 作画監督:西屋太志 ・第2話の構造について 第2話のストーリー上の「軸」になっているのは、「バレンタイン」というイベントにたいする、たまことみどり(他、商店街の面々)の、視線の「ズレ」です。 『 オ−プニングについて』で、『たまこまーけっと』では「たまこと商店街の人々の視線には、基的に “ズレ” がある」ということを書きました。 つまり、たまこはいつも「日常の基盤(=商店街)の維持」に目がいっているのにたいして、他の人々は「基盤(=商店街)

    『たまこまーけっと』を振り返る 第2話 - ねざめ堂
  • 雑感:今年もまた暮れてった(2014年アニメベストなど) - ねざめ堂

    大晦日。厳かな除夜の鐘の音とともに、今年経験した大切な思い出のひとつひとつが、じんわりと胸に蘇ります。嘘です。今年もアニメぐらいしか良い思い出がなかったな、うん。 普通こういう振り返り記事は、もうちょっと早くアップするものですよね。いまごろはみんな『憑物語』観てるだろうし、もしこの記事を読んでくれる人がいても、年が明けてからだろうなー(あけましておめでとうごさいます)。1年の最後まで、なにかと気の利かないこのブログでした。 ◯2014年アニメ5選(順不同) ・『たまこラブストーリー』 ・『思い出のマーニー』 ・『サイコパス2』 ・『Wake Up, Girls!』 ・『甘城ブリリアントパーク』 制作期間や制作費など、かなり諸条件が違うであろう劇場用アニメとテレビアニメを同じランキングに入れるかどうかについてはちょっと迷ったんですけど、「劇場用アニメだけでベスト5が選べるほどの数を観ていな

    雑感:今年もまた暮れてった(2014年アニメベストなど) - ねざめ堂
    kyuusyuuzinn
    kyuusyuuzinn 2015/01/04
    「霜月さん=凡庸な悪」論。自分も映画版まで見たら感想書く予定。
  • 『たまこまーけっと』を振り返る:序論「結局、デラってなんだったの?」 - ねざめ堂

    ※『たまこまーけっと』全話のネタバレがありますので、ご注意ください。 『たまこラブストーリー 』円盤発売のときの記事 で、「たまこ関連の記事はこれで最後」みたく書いたのをあっさりと覆して、「『たまこまーけっと』を1話ずつ振り返る企画をやろう!」と思い立ちました。映画の円盤リリースが終わって『たまこ』が一区切りついてしまった感じが寂しくなっちゃったんですね。 今回はその「前説」として、『たまこま』屈指の不人気重要キャラだったデラが、作中で果たした役割について書いてみたいと思います。 彼の役割が、作品のテーマとダイレクトに関わっているので、デラについて書くことで『たまこま』を振り返る下拵えができるのでは...という目論み。タイトルには「序論」と銘打ってありますが、作品全体をざっと見渡す「総論」みたいな文章になっているといいな、と思いながら書きました。 いや、ホントに重要だったんです、デラさんの

  • 『PSYCO-PASS サイコパス』 1期・2期の殺人描写の違いと「作中悪」について - ねざめ堂

    現在放映中の『PSYCO-PASS サイコパス2』。全11話とのことなので、先日放映された第5話で前半戦終了の模様。 毎週おもしろいな~!とかぶりつきで観てるんですけど、この2期、劇中での人の「殺され方」、暴力の描写が1期とはだいぶ違いますよね。 1期がすごく残虐な殺人描写が多かったのにたいして、2期はあっさり、あっけらかんと人が死んでいっている印象で、これが1期と2期の描く「作中悪」の違いをよく表している。 今回は『PSYCO-PASS サイコパス2』第1話~第5話の感想もかねて、そのあたりについて書いてみたいと思います。1期、2期のネタバレを含みますのでご注意ください。 ◯1期で描かれた能動的な「悪」 第5話までの感じでは、『サイコパス2』(以下「2期」)のメインテーマは「反=思考停止」とか「反=アパシー」でしょうか。 1期で、公道のまん中で女性がストーカーに殴り殺されようとしているの

    『PSYCO-PASS サイコパス』 1期・2期の殺人描写の違いと「作中悪」について - ねざめ堂
    kyuusyuuzinn
    kyuusyuuzinn 2014/11/12
    無能の霜月さんがなぜ監視官になれたのかという声があるが、シビュラシステムの下では現状のシステムを疑うことなく盲目的に職務を遂行する官僚こそが適任とされるから、霜月さんは逆説的に有能なのだろう。