国交省の調査時に抜けたボルト。接着剤は先端(左)から半分までしか届いていなかったとみられる=国交省提供会見で質問に答える金子剛一社長。奥は小室俊二常務執行役員=1日午後、名古屋市中区、細川卓撮影 【村田悟】9人が死亡した中央自動車道笹子トンネルの天井崩落事故で、国土交通省は1日、天井板をトンネルに固定するボルトの約6割が調査で抜けたと発表した。ボルトはたとえ下に引っ張っても、きちんと固定されていれば抜ける前にボルト自体が折れる設計で、接着剤の不足などで強度が足りなかった可能性があるという。 国交省がトンネル内の崩落していない区間で計183本のボルトを引っ張って強度を調べたところ、113本が抜けた。うち16本は、天井板やつり金具を支えるだけの力もなかった。16本は崩落現場の周辺に集中しており、一部はさびていた。 引き抜かれたボルトには、先端の一部にしか接着剤が付着していなかったものが多