お父さんが強制送還された 昨年10月。大阪府内で暮らすペルー人の男子中学生はその日、不法滞在で入管施設に収容された父親からの電話を心待ちにしていた。前日の体育祭で、チームが優勝したことを報告したかったからだ。だが、間もなく悲痛な顔の母親から聞かされたのは、「お父さんがペルーに強制送還させられた」ということだった。 両親は約25年前に、ブローカーが用意した他人のパスポートで不法入国した。父親は建設現場などで働き、日本で生まれた男子中学生と2歳上の姉を育てた。自宅マンションに、父親が作った手書きの日本語ノートがあった。丁寧な字で、漢字の意味や用例がびっしりと書かれていた。「お父さんも勉強するから」。父親はこう言って、子どもたちが日本語で困ることがないよう、熱心に勉強を手伝ったという。 2人の子どもは、簡単なスペイン語会話はできるが、学校についていけるレベルではない。自分たちの故郷は日本だと思っ
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