国土交通省は、水害対策での地下河川の整備拡大を目指し、施工基準の作成や自治体への支援など、トンネル施工時の安全確保策に取り組む方針だ。整備コストがかさむといった問題解決にも取り組む。国交省の有識者会議が2024年5月28日、整備拡大に向けた提言案をまとめた。
「プッチンプリン」をはじめとする江崎グリコのチルド食品が店頭から姿を消した。2024年4月3日に実施した基幹システムの切り替えでトラブルが発生。同社が物流・販売を請け負っていた他社製品を含め、一部商品を出荷できなくなった。同月18日に出荷を一部再開したものの、トラブルは終息せずに再び出荷を停止。システム障害の影響で、当初業績予想より売上高を200億円程度押し下げるとみる。 「スーパーにもコンビニにも『プッチンプリン』が見当たらない」「『カフェオーレ』を長年愛して飲んでいるが、どこの店舗も販売休止中だ」――。2024年4月中旬、X(旧Twitter)で、このような投稿が相次いだ。 江崎グリコの看板商品が店頭から姿を消した理由は、システムトラブルによるものである。同社は2024年4月3日、基幹システムの切り替えを実施した。旧システムを独SAPのERP(統合基幹業務システム)パッケージ「SAP
江崎グリコの基幹システムで障害が続いている。物流センターでの出荷業務が一部停止し、看板商品である「カフェオーレ」や「プッチンプリン」など冷蔵商品が出荷できない状態に陥っている。原因は旧基幹システムから独SAPの「SAP S/4HANA」への切り替えに伴うトラブルだ。江崎グリコの開示資料からは、この基幹システム刷新プロジェクトが稼働前から「難産」だったことがうかがい知れる。 費用が215億円から342億円に膨張 江崎グリコの有価証券報告書によると、同社が基幹システムの刷新に着手したのは2019年12月だ。2021年12月期の時点で、完了予定時期を3年後の2022年12月としていた。投資予定額は215億円と、2021年12月期の営業利益193億円を上回る一大プロジェクトだった。このうち、同期末までに118億円を既に支払っていた。 ただプロジェクトはもくろみ通りにはいかず、費用の膨張と延期に見舞
兵庫県の淡路島と徳島県鳴門市を結ぶ大鳴門橋に自転車道を整備する工事が2024年に始まる。交流人口の拡大や観光振興などを目的に、両県が18年度から検討してきた。徳島県が28億円、兵庫県が30億円と計58億円を投じ、27年度の完成を目指す。 1985年に開通した大鳴門橋は、全長約1.6km、中央支間長876mの3径間2ヒンジ補剛トラス吊り橋だ。トラス桁の上を自動車専用道として供用。桁の内部に、新幹線の走行を見込んで設けた空間があるが、現在は鳴門市側の一部を遊歩道「渦の道」として利用しているのみだ。 このトラス桁内の未利用空間に、遊歩道を残したまま両側に高さ2.5mの防護柵を持つ幅員4mの通路を新設する。自転車道は、出入り口と通路の一部を遊歩道と共有。共有部では幅2.5mを自転車レーン、1.5mを歩行者レーンとする計画だ。 自転車利用者も渦潮を見下ろせる展望室を利用できるようにする。遊歩道との合
基幹系システムのような社内システムにおいても、オープンソースソフトウエア(OSS)の利用が当たり前になってきた。クラウドサービスを利用する場合や、開発担当者と運用担当者が連携する開発手法DevOpsを採用する場合など、OSSの利用を避けられない。 多くの企業でOSSの利用が進む中、OSSを採用した当初は想定していなかった誤算に直面するケースが浮上している。商用のソフトウエアに比べてサポート期間が短かったり、サポートが充実していないため脆弱性が見つかっても放置してしまったりといった課題だ。ユーザー企業は安易に導入コストだけを見てOSSを採用するのは禁物だ。その後の長期間の運用・保守も含めた体制の検討が求められる。 「OSSの採用がここ数年で周辺システムから基幹系に広がった。その結果、ユーザー企業からは長期間、同じバージョンのソフトウエアを使いたいという要望が増えている」。OSSのデータベース
特に損傷が激しいのが、能登島側のA2橋台付近だ。橋桁が橋台に衝突したと見られ、支承部のPC桁が破壊した。現地を調査した金沢工業大学の田中泰司教授は損傷のメカニズムについて「橋桁と橋台が引き剥がされるようにして破壊したのではないか」と推測する。橋桁と橋台の衝突によるジョイント部分の損傷が見られないためだ。 石川県中能登農林総合事務所によると、地震時に橋桁が橋軸方向へ落下しないよう、能登半島地震の前にA2橋台の桁かかり長を伸ばしていた。田中教授は「橋台部分に橋桁が引っ掛かっているような状態だ」と話す。もし桁かかり長を延伸する工事を実施していなかったら、最悪の場合落下していた恐れがある。 さらに、A2橋台側ではPCケーブルの損傷が確認された。現地を調査したインフラ・ラボ(福岡市)の松永昭吾代表取締役は「PCケーブルの緊張力を保持する定着具が損傷しており、張力が低下したと見られる」と話す。 復旧に
名古屋市内の堤防道路で、撤去した舗装の一部から環境基準の3倍を超えるヒ素などが検出された。施工時に有害物質の含有をチェックする明確な規則はなく、造成当初から含まれていた可能性が高い。「汚染資材」が使われた土木構造物は、全国各地に潜んでいる恐れがある。 「通常は建設廃棄物の受け入れに当たって、重金属などが含まれているか検査を求めることはない」 ある廃棄物処理会社の営業担当者はこう話す。検査を求めるのは、工場跡地であるなど疑わしい事情がある場合だけだという。 この堤防道路には、有害物質の含有が疑われる特別な事情はなかった。当初、受け入れを予定していた廃棄物処理会社が、たまたま環境基準への適合を条件にしていたため、検査を実施した。 問題が判明したのは、名古屋市西区にある庄内川堤防道路だ。国土交通省庄内川河川事務所が延長約300mにわたり最大約1.3mかさ上げする工事を進めている(資料1、2)。工
行政手続きポータルサイト「e-Gov」を新システムに切り替える作業の延期が、2024年2月2日夕方にe-Govポータルで公表された。デジタル庁は日経クロステックの取材に対し「システム開発に遅れが生じている」(担当参事官)ためと理由を明らかにした。この作業は2024年2月22日~2月26日に実施する予定だった。公表時点では延期の理由を「諸々の事情により」としていた。 今回の作業は、e-Govの稼働環境を行政機関が共同利用する「ガバメントクラウド」に切り替えるために実施する。デジタル庁は稼働環境の移行とともにシステムの機能もクラウド対応に開発し直すモダナイゼーションを採用し、新システムの開発・運用のベンダーとしてNECを選定した。e-Govの現行システムの開発・運用ベンダーは富士通だが、新システムの開発・運用は一般競争入札により総合点で上回ったNECが2023年1月に受注している。 デジタル庁
石川県は2024年1月1日の能登半島地震で被災した能登空港(のと里山空港、石川県輪島市・穴水町・能登町)の滑走路を仮復旧して1月11日、自衛隊機を対象に供用を再開した。滑走路にできたひび割れの中で段差が最大のものを補修し、離着陸を可能にした。
2023年10月16日、中央発条の工場で爆発・火災が発生し、同社が生産する自動車用ばね部品の一部の生産・出荷が止まった。その影響を受け、トヨタ自動車の工場も一時的に稼働停止に追い込まれるなどした。事故の原因は、加熱炉のダクトのフィルターの目詰まり。同社は再発防止策を発表したが、専門家からは懸念の声も聞こえてくる。 爆発・火災が発生したのは、中央発条藤岡工場(愛知県豊田市)の第4工場。自動車用ばねの出荷停止を受けて、トヨタ自動車の高岡工場(同県豊田市)や堤工場(同)、トヨタ車体の吉原工場(同)や富士松工場(愛知県刈谷市)、いなべ工場(三重県いなべ市)、豊田自動織機の長草工場(愛知県大府市)など、トヨタグループの工場が10日ほど稼働停止する事態となった(図1)。
「運用コストは増えるのか」「また方針が変わったのか」――。デジタル庁が整備するパブリッククラウドの利用環境「ガバメントクラウド」を巡り、不満や不信の声が強まっている。当初の見込みが二転三転するなど、次々と綻びが見えているのだ。 同庁はベンダーロックインの回避とマルチクラウドの推進を掲げるが、各府省庁や自治体利用は、足元で9割以上を「Amazon Web Services(AWS)」が占める。複数自治体利用による「割り勘効果」でコスト減をうたうが、むしろ従来よりも運用コストが増加するといった指摘も出ている。 度重なる計画変更に加えて、デジタル庁の意思決定プロセスや情報の不透明さも問題だ。ガバメントクラウドへの移行はスムーズに進むのか、決して楽観視できる状態ではない。 「ガバメントクラウドの利用料低廉化を図る取り組みを実施」とアピール 2023年秋、ガバメントクラウドへの移行を検討する各自治体
スマートフォン向けゲームアプリ事業などを手掛けるエイチームは2023年12月21日、個人情報を含むファイルがインターネット上で閲覧可能な状態にあった事案の調査結果を公表した。同社が運営するサービス・アプリの利用者や取引先企業、同社グループの従業員や採用候補者などの個人情報が漏洩した可能性があり、最大で93万5779人に影響が及ぶという。 漏洩した情報は、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、所属会社名、顧客管理番号、端末識別番号など。要配慮個人情報や財産的被害が発生するおそれのある個人データは含まれていないとする。 原因は同社グループが利用しているクラウドサービス「Googleドライブ」で、1369件のファイルに対して閲覧範囲の設定を誤ったからだ。「リンクを知っているインターネット上のユーザー全員がファイルを閲覧できる」という設定になっていた。期間は2017年3月から2023年11月22日
発注者の東京電力パワーグリッド(PG)によると、施工者は路盤を含むアスファルト舗装の厚さを70cmと認識していた。そこで、深さ70cmまで切削して舗装を剥がした後、管路を埋設する予定だった。 施工箇所の舗装の厚さは、道路を管理する東京都建設局のWebサイトで調べたという。しかし、都からトンネルの位置に関する資料は入手していなかった。 都建設局道路管理部の菅沼智子・監察指導課長は、「具体的な寸法は不明だが、霞が関トンネル上のかぶり厚が極めて薄いことは、道路管理者として把握していた」と話す。 都建設局では、都が管理する道路で工事する場合、事業者の求めに応じて道路台帳などの情報を参考資料として提供している。ただし、都が保有する情報は正確とは限らないので、地中に埋設物がある場合は、事業者側が埋設物の保有者と協議し、図面情報などを入手するのが基本だという。 首都高速道路会社によると、同社は22年6月
東京外かく環状道路(外環道)の陥没事故に伴う地盤補修工事を進めている東京都調布市の住宅地で、現場付近を流れる入間川で気泡が発生したため、2023年11月3日から工事を中断している。発注者の東日本高速道路会社は今後、水質などの調査を実施する。 補修工事では、掘削済みのトンネルに沿って延長約220m、シールド機の外径と同じ幅約16mの範囲で、緩んだ地盤を改良する。施工者はトンネル工事を手掛ける鹿島・前田建設工業・三井住友建設・鉄建建設・西武建設JVだ。 地上から高圧噴射撹拌(かくはん)工法で実施する。具体的には、地下3~7mより深い位置にある砂層「東久留米層」に、圧縮空気とセメント系固化材を高圧で噴射。直径約4m、高さ約40mの円筒形の改良体を形成する。
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