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ブックマーク / brevis.exblog.jp (141)

  • EVMSとアーンド・スケジュール法の弱点 ~ プロジェクト予測のミクロとマクロ | タイム・コンサルタントの日誌から

    前回の記事から2週間ほど間が空いてしまった。先週から欧州で、製造業系と石油ガス業界系の二つのカンファレンスに立て続けに参加していて、サイトの記事を書く時間がなかなか取れなかったのだ。最初の会議では、わたしの勤務先で最近つくった、2030年の未来を見据えた長期的な「IT Grand Plan 2030」(https://www.jgc.com/jp/news/assets/pdf/20181218_1.pdf)の講演発表もした。それなりに一応、好評だったと思う。 ところで、こういう国際カンファレンスに来るといつも思うのだが、欧米人はハイ・レベルな概念論が大の得意だ(ここでいうHigh levelとは、もちろん「高級品の話」ではなく、視点が高い=抽象的という意味である)。たとえばDigital transformationだとか、Ecosystemだとか、Sustainabilityとか、彼ら

    EVMSとアーンド・スケジュール法の弱点 ~ プロジェクト予測のミクロとマクロ | タイム・コンサルタントの日誌から
  • パン屋問題の解決、または中小製造業の生き残る道 | タイム・コンサルタントの日誌から

    あなたは町のパン屋さんである。以前は都会でエンジニアとして働いていたのだが、やむを得ぬ事情で郷里のパン屋を継ぐことになった。店は昔ながらの商店街にあり、店の奥では職人が小さな工場(こうば)でパンを焼いている。ところで、地域のチェーンストアからサンドイッチ製造の仕事を依頼されたのだが、受けてみたら大変な仕事だった・・という事情までは、前々回の記事「下請け型受注生産という日的形態を考える」https://brevis.exblog.jp/28051644/ に書いた通りだ。 何が大変かって? チェーンストアは、コンビニの向こうを張って、いわゆる「JIT納品」(ジャスト・イン・タイム納品)を要求してくる。1日4回、FAXで注文が来て、2時間以内に納品しなければいけない。おまけに製造後6時間以内の品であること、という鮮度指定もついている。ところが注文を受けてからカツを揚げてサンドイッチを作ってい

    パン屋問題の解決、または中小製造業の生き残る道 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 下請け型受注生産という日本的形態を考える | タイム・コンサルタントの日誌から

    あなたは、小さなパン屋の社長さんだ。町の商店街に店をかまえ、店の奥には小さいながらパン焼き工場(こうば)に職人も抱えている。店の売り場は、親族が受け持つ。実はあなたは少し前まで、都会でエンジニアをしていたのだが、やむを得ない事情で、郷里のパン屋を引き継ぐことになったのだ。 店を引き継いだ時は、赤字経営だと税理士さんから聞かされた。御多分に洩れず、地方都市の商店街は地盤沈下で客足が遠のき、売上の柱だった小中学校の給パンも、少子化で減っていた。パン作りについては素人で何の知識もないが、ただ、あなたは一応、会社勤めで得たビジネス・センスを、多少は持っている。何とか頑張って、店や雇い人たちを盛り立て、まだ経営は低空飛行ながら、ようやく収支トントンのところまで持ち直した。 そんなあなたのところに、面白そうな商談が舞い込んできた。その地方のチェーンストアの店舗に、サンドイッチを納めないか、というのだ

    下請け型受注生産という日本的形態を考える | タイム・コンサルタントの日誌から
  • スコープ・組織・スケジュール・コストの間の依存関係 〜プロジェクト・インテグレーション・マネジメントのもう一つの顔 | タイム・コンサルタントの日誌から

    うーむ、長いタイトルだな(笑)。そもそも、「プロジェクト・インテグレーション・マネジメント」という用語自体が長い。カタカナで23文字もある。PMBOK Guideの邦訳版のように「プロジェクト統合マネジメント」としても、14文字だ。しかしこれ、”PIM"とかって3文字略語にしても通じないだろうし、致し方ないだろうな。 前回の記事にも書いたが(「プロジェクト・インテグレーション・マネジメントと『鉄の三角形』」https://brevis.exblog.jp/27102305/)、現在のPMBOK Guideには、PMに必要な10のマネジメント知識エリアが列挙されている(初期の頃は9個だった)。そしてその中核となるのが、「プロジェクト・インテグレーション・マネジメント」(ああ長い^^;)である。それは、他の9個の領域のマネジメントを統合する。そして、他の9個の領域には、とくに順序はなく、対等だ

    スコープ・組織・スケジュール・コストの間の依存関係 〜プロジェクト・インテグレーション・マネジメントのもう一つの顔 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 人が働く場としての工場 | タイム・コンサルタントの日誌から

    駐車場を出たとき、車の後ろの席で、P社の社長はそうつぶやいた。わたしは関西にあるPという株式会社を訪問して、工場を見学させていただき、そこの社長さんと何人かの方と一緒に、車で新幹線の駅へと向かう途中だった。車は途中で一旦、とある屋外駐車場による必要があった。 駐車場の入り口には、昔の電話ボックス位の大きさの小屋があり、そこに番人が座っていた。顔にシワの刻まれた、中高年だったと思う。彼はそこに来る日も来る日もたった1人で座り、車の出入りや場所の移動等の作業をしていくのだ。同僚との会話もなく、明確な休憩時間もない。暑さ寒さも厳しい。自動ゲートの機械を入れれば済むのだが、駐車場のオーナーは単純労働者の低賃金で済ましているのだろう。 後ろの座席でのP社長のつぶやきを聞いて、わたしは、「人が働くとはどういうことか、人をどう使うのが良いのか」について、つねに自問している方だと思った。わたしは今、見てき

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  • サービス業の生産性と、プロ意識との関係について | タイム・コンサルタントの日誌から

    久しぶりに首都圏に大雪が積もったので、いつもより朝早く起きだして、家の前の雪かきを、ささやかながら行った。既に空は晴れ上がって、少し働くと汗が出る。「雪の明日は裸で洗濯」と言う諺を思い出した。東京の下町、荒川生まれの人に教えてもらった言葉だ。関東では主に2月や3月に雪が降るが、降った翌日は良い天気になることが多い。 雪かきという仕事は相互的だ。お互いに、ちょっとずつ汗をかく。そうすると通り道ができる。隣の家がやらないんだから、うちもやらない、などと言っていた日には、街の中はちっとも歩けなくなる。家の前は公道なんだから、雪かきは行政がやるべきだ、なんて批評して待っていても、問題は解決しない。 まだ公共交通機関もうまく動いていないのに、積もった雪の轍を急ぎ足に出かけていく勤め人の人達も多い。どうしても時間通りに職場に着かなくてはならない立場なのだろう。サービス業的な職種の人達かな、とふと思った

    サービス業の生産性と、プロ意識との関係について | タイム・コンサルタントの日誌から
  • わたしはなぜ、「プロジェクト管理」という言葉を使わないのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    旅先ではいつも、その土地のものをべるのが習慣だ。だが、ときおり、外国で日料理屋に入ることもある。そして、たまに面らうような体験もする。いつだったか、アメリカの日料理屋で事を頼んだら、まっさきに味噌汁だけが出てきた。ふつうの街にある店で、来客はアメリカ人が多い。どうやら彼らの概念では、味噌汁はスープだから(Miso soupとよばれる)、真っ先に出すのが当然だということらしい。味噌汁を飲み終えたら、メインのおかずとご飯が出てきて、妙な気分だった。 汁物をsoupと訳するのは、もちろん正しい訳だ。だが日語で言う汁物と、英語スープは微妙に違う。たとえば英語では、スープべる(eat)という。日人で、「味噌汁をべる」という人は滅多にいるまい。ふつうは飲む、を使う。そして、当たり前だが、ご飯と一緒にいただくものだ。

    わたしはなぜ、「プロジェクト管理」という言葉を使わないのか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • プロジェクト計画のロジックとは何か 〜 やはりExcelで工程表を書いてはいけない (2) | タイム・コンサルタントの日誌から

    前回の記事「ダイレクト・ガントチャート方式の問題点」http://brevis.exblog.jp/26231556/ で、世間ではそもそも「WBS」とか「Activity」という概念のレベルで、誤解や混乱があると書いた。 たとえば、WBS=「ガントチャートの線表に引いた線の集合」だ、と理解している人達を、よく見かける。ためしにネットで、「WBS スケジュール」の2キーワードで検索をかけてみると、よくわかる。上位の検索結果に、こういう説明が出てきたりする:

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  • 人材配置・昇進のレベル0からレベル2まで | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしが主宰する『プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会』では先日、「プロジェクト・マネジメントの1日研修トライアル」という催しを開いた。これは、わたし達の研究部会の中にある「PM教育分科会」というグループが、オリジナルに開発中の研修プログラムについて、希望者を募って“βテスト”を実施したものである。参加者がいるか心配だったが、幸いにも10数名の方が申し込まれ、休日を丸一日つかってわたし達の研修プログラムを体験し、有用性を検証していただいた。 その内容はまだ開発中のため、ここで詳しくは述べないが、社会人向けの、初中級者レベルのコースとして設計したものだ。もちろん世の中には、すでに多数のPM研修がある。だが、その多くはPMBOK Guideなどの知識を座学で学ぶ、資格試験対策である。あるいは逆に、ケーススタディの討議中心で、しばしばプロジェクトの火消しなどの題材を扱っている。だが、そも

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  • 欧州におけるIndustry 4.0 − その虚像と実相(2) | タイム・コンサルタントの日誌から

    知り合いの人が最近、車を買った。人もうらやむドイツの有名な高級車である。ディーラーで購入を決め、さてオプションを選ぶ段になって、驚いたという。種々の選択肢から自由に選べないのだ。いくつかのオプション群がお仕着せのセットになっていて、そのどれかを買うしかない。高い値段を払ったのに、顧客の自由な選択権がないのだ。 「ドイツの提唱するIndustry 4.0の目標の一つが『マス・カスタマイゼーション』となっていますけど、当然だと思いました。」とその人は語った。「だって全然、お客の個別の注文に応じられる状態になってないんですから。日の製造業の方がはるかに先を進んでいますよ。」 マス・カスタマイゼーションとは、大量に生産しつつも、個別の要望に応じたカスタマイゼーションができる生産形態のことを指す。日ではどの自動車メーカーでも、色や内装や電装品まで多数あるオプションを、個別に自由に選べて、それでき

    欧州におけるIndustry 4.0 − その虚像と実相(2) | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 欧州におけるIndustry 4.0 − その虚像と実相(1) | タイム・コンサルタントの日誌から

    「フィンランドの大学では、受講している科目は何度でも試験を受け直せる、ってホントですか?」−−先月、ヘルシンキで会ったA先生に、わたしはたずねてみた。答えは、”yes”だった。毎月、試験日がある。事前に登録しておけば、会場で、複数の科目の試験を受けられる。そうして、自分が納得いく成績を取れるまで、何度でも繰り返しチャレンジすることができるのだそうだ。ただし教授の側は毎月、試験問題を出す訳だから、大変だろう。それでも、納得できるまで学べる。随分と教育を重視した制度だ。 そもそもフィンランドの大学は、4年で卒業する制度ではないらしい(年限は一応10年以内とか)。学費は交通費も文房具代まで含めて、無料である(小学校から大学まで)。だったら皆が大学に殺到するかというと、そうでもないようだ。卒業はそれなりに難しい。また、大学以外にポリテクニックなど職業訓練校の存在もある。フィンランドの教育制度は近年

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  • 研究開発戦略へのシステムズ・アプローチと、モノづくり大国の貧困 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「日は、ものづくり大国だ」という言い方を、よく耳にする。モノづくり大国とはどういう意味なのか、わたしは正確な定義を知らない。GDPの中で製造業の占める割合が、すでに1割台に落ちている国に、ほんとに適切な形容なのかとも思う。だが、あまり正確に定義できる概念ではないのかもしれない。モノづくりが盛んで秀でているなら、「日技術大国だ」という言い方だって、同じくらいしても良さそうだ。しかし、なぜかそちらはあまり聞かない。そういう実感があまりないのだろうか? むろん日技術者のレベルは高い。そのことは、いろいろな国で仕事をしてきたエンジニアリング会社の人間として、証言できる。それでも「技術大国」という気がしないのは、なぜだろうか。技術大国という言葉でふさわしいのは、現在、どこの国だろうか。技術大国という以上は、少なくとも、技術者の待遇がよく社会的にも尊敬されていることが、必要条件だろうが。 1

    研究開発戦略へのシステムズ・アプローチと、モノづくり大国の貧困 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • イナズマ線と二重線 -- 工程表のアップデーティングとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    先日、拙著『時間管理術 (日経文庫)』を読みました、とおっしゃる方にお会いした。まことにありがたいことだ。ところで、その方が「一番勉強になったのは、スケジュールの工程表の上にイナズマ線を引くことでした、これで進捗の状況を見える化するというのは知恵ですね」と言われたので、こっちの方がかえってびっくりしてしまった。ほめられたからではない。この方の会社では、工程表を一度作成したら、それをそのまま、何の追記もアップデートもせずにずっと使い続けるのか、と思ったからである。 念のため書くと、先方は日人なら誰もが知る一流企業で、業界ではトップ3に入る会社だし(ただしエンジニアリングや製造業ではなくサービス業だが)、その方だって立派な学歴と経験をお持ちだ。そして、プロジェクト的な、非定型的業務にずっと従事されている。だから意外だったのだ。 工程表は、航海士にとっての海図に似ている。工程表もつくらずにプロ

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  • 進捗管理とは何か? | タイム・コンサルタントの日誌から

    「進捗(しんちょく)管理」は広く使われている用語だが、じつはかなり誤解されている仕事でもある。製造業の基はQCD(Q=品質、C=コスト、D=納期)であり、それぞれをきちんと管理していかなければいけない。Qを対象とするのが品質管理であり、Cが原価管理(コスト管理)で、Dつまり納期を守るために進捗をきちんとコントロールすることが、進捗管理の任務である、と。まあそこまでは良いだろう。 ところが、この『進捗』なる概念がくせ者なのである。これほど誤解されやすいものはないのだが、わたしがそう言うと、不思議そうな顔をする人もいる。作業がどこまで進んだか、それが進捗ではないか。とてもシンプルだ--そう思う人は、次の例を考えてみていただきたい。 これは国策である「北海道開発プロジェクト」にまつわる話である。ご存じないかたも多いだろうから解説しておくが、戦後まだ間もない昭和25年に『北海道開発法』という法律

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  • なぜなぜ分析は、危険だ | タイム・コンサルタントの日誌から

    「なぜなぜ分析」は、品質管理や労働安全管理などの分野で、よく用いられる手法だ。発生した問題事象の根原因を探るために、「なぜ?」「なぜ?」とくりかえして掘り下げていく。この問いかけを“5回はくりかえせ”と、よく指導しているため、別名「なぜなぜ5回」とも呼ばれる。元々、トヨタが発祥の地であり、トヨタ生産方式の普及とともに、他の業界や分野でも使われるようになった。 図は、トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏の著書から一例をとって、図示したものだ。工場内のある生産機械が故障してとまったとき、「なぜ機械は止まったか?」の問いに、「オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ」と答えただけでは、じゃあヒューズを交換して再起動すればいい、という答えしか出てこない。 しかし、なぜオーバーロードがかかったのか?→ (2)軸受部の潤滑が十分でないからだ、とほりさげ、 さらに (3)潤滑ポンプが十分組

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  • 中堅エンジニアのための経営戦略入門(2) | タイム・コンサルタントの日誌から

    製品やサービスの開発という視点からビジネスを考えるときには、4つの大きな要素があります。市場、競争、組織体制、技術の4つです。この4つは、企業の持つ能力の4つの面を表している、とも言えますね。つまり、販売能力、競争力、供給能力、技術開発力の4つです。 製品やサービスを開発するときには、これら4つの要素を独立にバラバラに検討するのではなく、合わせ技として、スパイラルを形成するような仕組みを考えることがポイントです。 ところでこの4つの要素は、最初の2つが企業にとっての外部環境を表し、残る2つが内部環境を表すと言い換えることもできます。ここで似たようなものとして想起されるのが、SWOT分析でしょう。よく経営コンサルタントは、最初に訪問したクライアントに対し、SWOT分析という道具立てを導入に使います。SWOTとは、strength, weakness, opportunities, threa

    中堅エンジニアのための経営戦略入門(2) | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 中堅エンジニアのための経営戦略入門 | タイム・コンサルタントの日誌から

    Kさん、お久しぶりです。ご無沙汰しておりましたが、何年ぶりかで社に戻られたとのこと。お元気そうで何よりです。 普通の人なら「社にご栄転」おめでとうございます、という言葉遣いをするところでしょうが、それでは工場より社の方が「上」である、という意味になりますね。わたしは社も工場も企業組織の一部であって、それぞれ役割が違うだけだと考えているので、あえてそうは申し上げません。それに、社への異動が栄転なら、以前Kさんが工場に移動されたのは左遷だったということになってしまい、ますます不適当ではありませんか。 まあそんな事はともあれ、社の製品企画部門に移られて、あらためて「製品戦略とはいったい何か? 何をどう考えるべきか?」という、真ん中直球の問いが頭の中に生まれた、というあたりが、とてもKさんらしいと感じました。たしかにおっしゃる通り、戦略立案が社の重要な機能であることは多くの人が感じて

    中堅エンジニアのための経営戦略入門 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • システムズ・エンジニアリングとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    にはあまり知られていないが、欧米では確立され重視されている技術の分野がある。それは「システムズ・エンジニアリング」=システム工学である。 ・・と書けば、“何を馬鹿な”と思われる方が大半であろう。日にはシステム・エンジニア(SE)と呼ばれる職種の技術者が、少なく見積もっても十万人単位で存在する。それに、大学でもそれなりに教えているではないか。「システム工学」と名のつく学科だって、数十は存在する。それなのに、「あまり知られていない」などとは何ごとか! そう憤慨される読者諸賢に、それでは、一つご質問したい。貴方が学校で学ばれた「システム工学」の、代表的な教科書をあげていただきたい。これ一つ読めば、システム工学の基礎が大体分かる、読んでいない奴はモグリだ、というような定番の教科書である。システムとは何を指すのか、システムはどのように設計すべきか、設計手法は何があるのか、システムの分析や評価は

    システムズ・エンジニアリングとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 工程表と部品表 - 個別受注生産における主従の逆転 | タイム・コンサルタントの日誌から

    若い頃、『システム・モデラー』という職種を目指したい、と言ったら、上司から「そんな職種はない」と言われたという話は、以前書いた。(「システムとはいったい何を指すのか」 http://brevis.exblog.jp/20878001/ 2013-08-01)。それで、その後わたしは「プロジェクト・アナリスト」を名乗るようになり、今では名刺に、勤務先の「チーフ戦略アナリスト」である、と書いている。 だが、今でもわたしはモデリングの仕事が好きだ。データ・モデリングとは、世界の概念的スケッチである。言葉と簡単な図を使って、世界のあり方を切り取って分析する仕事は、何より楽しい、と思う。モデリングという仕事は、技術とアートの中間地点にある、とも言われる。科学的論理性だけでは、良いモデルを作るには足りない。モデルとは近似であり、見切りだからだ。モデルは必ずしも事物の厳密・正確な再現ではない。英語で、"

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  • 設計思想(Design Philosophy)とは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    Kさん、久しぶりにメールありがとうございました。お元気とのこと、何よりです。ご活躍中の様子が、行間からあふれていました。生産管理の現業をかかえた上に、新規システム導入プロジェクトのメンバーの一員としてアサインされたとは、たしかに大変だろうとお察ししますが、それだけKさんが周囲から期待され一目置かれていることの証左だと思います。 ところで、Kさんからメールをいただくたびに、難しい宿題を投げられたように感じるのですが、今回は格別です。『設計思想に関して』のご質問とは! なるほど、たしかに新しい基幹業務システムを考える出発点として、“その設計思想はどうあるべきか”を問うのは、とてもオーソドックスかつ当然の発想と思います。自分達が製品を設計開発するときも、成功した製品には明確な設計思想があった。だから、プロジェクトを成功させたければ、当然システムにも設計思想がなくてはならないはずではないか。--設

    設計思想(Design Philosophy)とは何か | タイム・コンサルタントの日誌から