・「いき」の構造 他二篇 日本民族独自の美意識「いき(粋)」とは何かについて書かれた昭和5年の古典。 この本にでてくる表現としての「いき」についての記述を集めてみた。 「まず横縞よりも縦縞の方が「いき」であるといえる」 「縞模様のうちでも放射状に一点に集中した縞は「いき」ではない」 「模様が平行線としての縞から遠ざかるに従って、次第に「いき」からも遠ざかる」 「一般に曲線を有する模様は、すっきりした「いき」の表現とはならない」 「一般に複雑な模様は「いき」ではない」 「幾何学的模様に対して絵画的模様なるものは決して「いき」ではない」 「「いき」な色彩とは、まず灰色、褐色、青色の三系統のいずれかに属するもの」 これだけだとよく分からないが、ビジュアル表現として、何らかの二元性を内包していないと「いき」ではない、ということなのである。 それはいきの構造と関係がある。 まず「いき」とは、男女の関