企業や組織には、多くの機密情報や個人情報などが保管されているため、システムに不具合が生じ、サービスが停止してしまうと、社会に大きな影響を与えることがある。企業や組織はこれまで当然の責務として、セキュリティ対策における「ゼロリスク」に向けて走り続けてきたが、新型コロナウイルス感染拡大でリモートワークが進み、その風景は一変した。企業が「許容の限界」を真剣に考え始めているサイバーセキュリティ対策について、明治大学ビジネス情報倫理研究所客員研究員の守屋英一氏に聞いた。 情報漏洩の大半を占める「紛失・置忘れ」「誤操作」 ――情報漏洩の原因の多くは、「紛失・置忘れ」「誤操作」というデータを見て驚きました。 守屋 英一 氏 守屋 情報漏洩の原因は、管理ミス、誤操作、紛失・置忘れが約8割を占め、不正アクセスなどの外部からの攻撃の割合は多くありません。2018年の(特非)日本ネットワークセキュリティ協会(J