ひとり暮らしをしていると、ついひとりごとがでてしまう。気がつくと、よくわからないことを、誰に向かってというわけでもなく話している。これ、人に見られたらずいぶん珍妙な光景だろうな、とおもいつつも、ひとりごとはつい、口をついてでてしまう。わたしはなにやら心の病でもあるなのだろうか。なんだか脈絡のないことを、まるで誰かと会話でもするみたいに話してしまうのだ。自分でも、これはいったいなんだろうと心配になることがあるけれど、やはり、気がつくとそうしてしまっている。 とはいえ、ひとり暮らしをしている人がみな、ひとりごとをいっていると決まっているわけでもなく、きっとわたしは特殊な例外なのかも知れないとおもっていた。映画『空気人形』は、だから、わたしにとっては、「ひとり暮らし映画」としての側面もあって、あの作品においては、ひとり暮らしならではのがらんとした自由と孤独がとてもうまく描かれていたとおもう。孤独