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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/zoot32 (49)

  • 2014年の映画をふりかえる/結果発表 - 空中キャンプ

    みなさんこんにちは。このブログを書いている伊藤聡ともうします。今年もまた「ふりかえる」の季節がやってきました。今年公開された映画についてふりかえりつつ、いただいた回答をまとめていきたいとおもいます。地味に続いてきたこの企画も11年め、開始当時にはまだ生まれていなかった甥っ子は9歳になり、わたしはけがをしたり病気をしたりすると、治るまでにえらく時間がかかるようになりました。年月が経過したわけですね。今年も、このような質問内容でアンケートを募りました。 名前/性別/ブログURLもしくはTwitterアカウント 2014年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください 2で選んだ映画のなかで、印象に残っている場面をひとつ教えてください 今年いちばんよかったなと思う役者さんは誰ですか ひとことコメント 今回の回答者は159人でした。回答いただきありがとうございます。毎年、ベスト10に入る作

    2014年の映画をふりかえる/結果発表 - 空中キャンプ
  • 2011-09-05 - 空中キャンプ

    年齢を重ねていくなかで、肉体的な衰えとは別に、かつてわけもなく自分をつき動かしていた衝動が弱まっていき、精神的な熱量が低下していくことに気がつくタイミングがわたしにはあった。それはさみしくもあるが、同時に肩の荷が降りたような部分もあって、なにか独特の感覚だった。自分はいままでそうしていたように、なにかを(誰かを)情熱的に求めることはできなくなったけれど、より長いスパンでものごとをとらえられるようになったとおもうし、以前よりは奥行きのある見方ができるようになった。人生のあるポイントでこうした精神の変容に気がついたわたしは、いままでとは違った視点や価値観を持つ必要性に迫られたようにおもう。 『ネザーランド』は911テロをきっかけに、お互いの精神の変容に気づいた夫婦が、新たな関係を取り結ぶまでの経緯を描いた小説と考えることができる。証券アナリストの夫と弁護士のは、どちらも社会的にはエリートとし

  • 物語にできること - 空中キャンプ

    こうして大きな災害や社会的事件が起こるたびに、わたしは、物語の役割はなにかということについて考える。小説映画はこのようなときになにができるのだろうか? わたしは小説映画を──つまりはストーリーを語るという行為を──なによりも支持する者ですが、いま「物語」はなにかのんきな娯楽であるようにも見えてしまう。行方のわからない人びとが数多くいるとき、傷ついた人びとがどこかで助けを待っているとき、まずなにより必要とされるのは彼らを救助することであり、からだを休める場所とべものを提供し、さらなる被害をい止めることであるためだ。 地震の翌日、料品の買い出しのために下北沢の街を歩きながら、わたしはふと「大きな問題に直面したとき、物語は無力なのではないか」との疑念を持たずにはいられなかった。ふだんであれば週末に封切られた映画をたのしそうに追いかけまわしているわたしの友人たちも、昨日は映画館に出向くこ

    物語にできること - 空中キャンプ
    laddertothemoon
    laddertothemoon 2011/03/16
    うーむ…
  • 言葉に規定されている - 空中キャンプ

    どんな場所にもたいてい「言い方のきつい人」や「つねに厳しい口調で話す人」がいて、彼らはなにもそんなに攻撃的な言葉を使わなくてもいいではないかというハードな口調でものをいう。むろん周囲もその性格を心得ていて、あの人は心からそうした態度を取っているのではなく、立場上の戒めとして、もしくはある種のパフォーマンスとして、あえてそうしているのだということを知っている。ではかかる前提がある以上、パフォーマンスとしての叱咤や罵倒は軽く聞き流せるものなのかというと、まったくそのようなことにならないのはとても奇妙である。 どれだけその言葉が意からではないと頭では理解していても、攻撃的な言葉はどうにも耐えがたく、気分は落ち込み、胃のあたりがぎゅっと縮こまるような独特の感覚がやってくる。どうしてこんなことが起こるのだろうとおもうが、理由はよくわからない。うまく推測はできないが、われわれの存在はどこまでも言葉

  • 2010年の映画をふりかえる/結果発表 - 空中キャンプ

    (写真は「ふりかえる」イメージキャラクターのオリーヴさんです) こんにちは、このブログを書いている伊藤聡ともうします。さて、先日からおこなっていた「2010年の映画をふりかえる」回答募集がようやくまとまり、今年いちばんおもしろかった映画ベスト10が決定しましたので、これからご紹介したいとおもいます。いまとなってみれば、「夏がなんかすごく暑かった」くらいしか記憶がない2010年ですが、映画はどれも見ごたえのあるものばかりでしたので、年末年始のDVD鑑賞にも参考になるかとおもわれます。このような質問内容でした。 名前/性別/ブログURLもしくはTwitterアカウント 2010年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください 2で選んだ映画のなかで、印象に残っている場面をひとつ教えてください 今年いちばんよかったなと思う役者さんは誰ですか ひとことコメント 今回の参加者は、トータルで1

    2010年の映画をふりかえる/結果発表 - 空中キャンプ
  • 『トイ・ストーリー3』を見たゼ! - 空中キャンプ

    新宿にて。初日。すばらしい!! とてつもない作品でした。「観客の期待値を超えることが前提」というピクサー作品にあって、決して失敗の許されない『トイ・ストーリー』シリーズという看板作品の続編をリリースし、それがもはやこれ以上のエンターテインメントは考えられないほどに最高のクオリティであるという事実にふるえました。シナリオ、題材、映像、ストーリーテリング、テンポ、キャラクターなどすべてに隙がなく、笑わせ、驚かせ、感動させるといった要素があくまでエンターテインメントの枠組のなかで完成され、4歳の子どもにも理解できる平易さで描かれている。すごい! できるだけ内容に触れないようにインプレッションを記したいとおもいます。 『トイ・ストーリー』シリーズ3作が一貫して描いてきたテーマはふたつある。今作がすばらしいのは、このふたつのテーマにしっかりと決着をつけ、作品において回答を提示している点だ。『3』に続

    『トイ・ストーリー3』を見たゼ! - 空中キャンプ
  • なんでだめだったの - 空中キャンプ

    英作家ニック・ホーンビィの小説で、後に映画化もされた『ハイ・フィデリティ』は、主人公の三十代男性ロブが、かつて交際し、自分を捨てた五人の女性のもとを順番にたずね、「どうして自分を捨てたのか」「自分のなにがだめだったのか」を確認しようとするというストーリーである。こうして、あらためてあらすじを説明してみると、その往生際のわるさ、みっともなさにおいて、『ハイ・フィデリティ』にはなかなかの味わいがある。小説の世界では、現実にはできない経験ができるというたのしみがあるが、かつての恋人にふられた理由を確認しにいくというのは、そのなかでも結構きわめつけで、自分がそれをするのはいやだが、人のようすであればぜひ見てみたいことのひとつだ。 誰しも経験はあるだろうが、えてして恋人というのはいきなり姿を消すものだから、なおさら「どうしてなのだ」という疑問はふくらむし、今後の愛情生活において同じあやまちを繰りかえ

  • 考えてはいけないこと - 2010-04-05 - 空中キャンプ

    子どものころにみた海外アニメにこんな場面があった。冷蔵庫のしくみに興味を持っている男がいる。扉を開くと、冷蔵庫の内部を照らす灯りがつき、扉を閉じるとその灯りが消える。彼は、扉の開閉で灯りのオン/オフが切りかわる、冷蔵庫のしくみを確認したいとおもっている。 ここでの問題は、男が、灯りの消えている状態を自分の目で確認することができない点だ。灯りが消えているのは、扉が閉まっているときだけだが、扉を閉めた冷蔵庫のなかを見ることはできない。扉を閉じたとき、内部で灯りがきちんと消えているかどうか、それをたしかめるにはどうすればいいのか。男は取りつかれたように、何度も扉を開けたり閉じたりする。 テレビを見ながら、わたしはとても怖かった。この話をいまだに覚えているのは、それがコメディタッチの場面であるにもかかわらず、なにか見てはいけないものを見てしまったような気がしたためだ。ぜったいに確認できないものごと

  • 『(500)日のサマー』を見たゼ! - 空中キャンプ

    渋谷にて。初日。ちょうさいこう!! すごい!! あんまりすばらしくて涙がでた。ラストシーンを見終えた後に感じた幸福感に、おもわず席で身悶えする。みっともなさや自分勝手さ、かっこわるさも含め、これは僕の映画なのだ、と確信しながら劇場をでた。キュートな女の子、サマーとすごした500日間が、ランダムな時間軸で語られる。 われわれの頭のなかで、さまざまなできごとはおおむね、ずいぶんいいかげんに記憶されているものだ。しあわせな時間も、つらいできごとも、すべてが雑多に放り込まれ、おもいだそうとすると、順番がばらばらになり、記憶は混濁し、その意味あいはすこしずつ変わってくる。おもわずスキップしてしまいそうなたのしさも、朝起きる気にすらなれない苦しさも、すべてが同時にやってきて、しだいにわれわれは、記憶のリアリティや生々しさに圧倒されて、身動きが取れなくなってしまう。 おもいだすだけで胸を抉られるような記

    『(500)日のサマー』を見たゼ! - 空中キャンプ
  • 2009年の映画をふりかえる/結果発表 - 空中キャンプ

    こんにちは。ブログ「空中キャンプ」を書いている伊藤聡です。ついに今年もあと数日というところまでやってきました。みなさんにおかれましては、どんな一年だったでしょうか。むろん、悔いのない一年が望ましいのですが、マヤ文明によれば、2012年で世界は破滅するとのことですので、どれほどあがいても、われわれが生きていけるのはあと3年。どうせみんなそろって滅亡することはすっかり確定しているわけですから、それまでのあいだは、歌舞伎揚げをべたり、横断歩道の白いところだけをぴょんぴょん飛んで渡ったりしながらすごすことにしましょう。 さて、先日みなさんに参加をおねがいした、「2009年の映画をふりかえる」の結果がでました。なかなか興味ぶかいランキングになりましたよ。その結果をここにお伝えしていきたいとおもいます。このような質問に答えていだたくアンケートでした。 名前(id、もしくはテキトーな名前)/性別 20

    2009年の映画をふりかえる/結果発表 - 空中キャンプ
    laddertothemoon
    laddertothemoon 2009/12/30
    グラントリノ同意
  • 2009-12-15 - 空中キャンプ

    会社の後輩にひとり、洋服のすきな男がいて、わたしが四年前に買ったダウンジャケットを、「くれくれ」とねだってくる。毎年、冬になるたびにねだられる。わたしの持っているダウンジャケットは、ノースフェイスというメーカーのわりといいやつで、五万円以上したものだ。そうかんたんに手放したくはないが、今年の冬もまたいわれた。「最近ノース着てないじゃないすかー。くださいよ」。ものすごいおしゃれ執念である。わたしはついに根負けした。 この数年のあいだに、わたしの服装にもいろいろな変化があった。自分にはダウンジャケットやスニーカー、ジーンズといったアウトドア系のファッションが似あわないという事実を再確認し、服装の方向性を変えたのだ。わたしはほんとうに、ジーンズ姿がださい男になってしまった。だから正直、ノースのダウンも年に一度か二度、ほんとうに寒いときに着るだけになった。わたしがダウンジャケットを着ると、雪かきを

  • 10 things I hate about you - 空中キャンプ

    Cちゃん結婚おめでとう。旦那さん、けっこうかっこよかったね。えー、実は、あまりいいプレゼントがおもい浮かばなかったのですが、僕のだいすきな『恋のからさわぎ』という映画の最後で、女の子が朗読する、とてもすてきな詩があるので、これを代わりに送りたいとおもいます。僕がちょっとだけ意訳しました。”10 things I hate about you”(あなたのイヤなところ10個)という詩です。 I hate the way you talk to me, and the way you cut your hair. あなたの話し方がイヤ、そのへんな髪型も I hate the way you drive my car. あなたが私の車を運転するのがイヤ I hate it when you stare. あなたが私を見つめるのがイヤ I hate your big dumb combat boot

  • ひとりごと - 空中キャンプ

    ひとり暮らしをしていると、ついひとりごとがでてしまう。気がつくと、よくわからないことを、誰に向かってというわけでもなく話している。これ、人に見られたらずいぶん珍妙な光景だろうな、とおもいつつも、ひとりごとはつい、口をついてでてしまう。わたしはなにやら心の病でもあるなのだろうか。なんだか脈絡のないことを、まるで誰かと会話でもするみたいに話してしまうのだ。自分でも、これはいったいなんだろうと心配になることがあるけれど、やはり、気がつくとそうしてしまっている。 とはいえ、ひとり暮らしをしている人がみな、ひとりごとをいっていると決まっているわけでもなく、きっとわたしは特殊な例外なのかも知れないとおもっていた。映画『空気人形』は、だから、わたしにとっては、「ひとり暮らし映画」としての側面もあって、あの作品においては、ひとり暮らしならではのがらんとした自由と孤独がとてもうまく描かれていたとおもう。孤独

  • けんか - 空中キャンプ

    わたしの住んでいる家の向かいに、若い男女同棲していて、元気がありあまっているのか、いつもけんかをしている。けっこう派手にやる。昼夜を問わず、「なによそれ」とか、「ちょうむかつく」という声がよく聞こえてくる。叫んでいるのはたいてい女性で、男性の声はほとんど聞こえない。女性の怒りが静まるまで、おもいのほか時間がかかる。 けんかがはじまると、部屋でを読んだり、映画のDVDを見たりしているわたしも、「おっ、はじまった」という感じでなんとなく気にする。けんかの途中でものが壊れたこともあった。皿やコップが割れるような音が聞こえてくるのだ。なにしろたいへんな剣幕である。ここでもし、なんの関係もないわたしが、「やめなさいけんか」などといいながら彼らの家を訪ねていったりしたらびっくりするだろうな、でもちょっとおもしろいな、などとおもいつつ、そのまま部屋でを読みつづけるのだが、するとしだいに、ふたりのけ

  • http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20090920

  • 人はパンのみにて生くるにあらず - 空中キャンプ

    下北沢のいいところは、道を歩いていると、音楽CDの広告看板があることだ。通るたびに、なんだかたのしい気持ちになる。これからリリースされる新譜を宣伝している。いいなあ、CDの看板。すごくぜいたくをしているような気になる。 CDなんて買わなくても生活できてしまうのである。まったく必需品じゃない。これだけ景気がわるいとか、CDが売れなくなったとかいわれていて、CDそのものが販売フォーマットとして終わるんじゃないかとかいわれて、まあそうなのかも知れないけど、やっぱりわたしは、CD屋さんとか中古レコード屋さんとかがすきだ。 道ばたに新譜CDの看板があると、なんだか九〇年代の渋谷みたいな感じでキラキラしていてたのしいし、気持ちによゆうがでてきて、「人はパンのみにて生くるにあらず……」という心境になる。いくら経済がひっ迫しても、表現する人はいなくならないし、音楽だってかならずどこかで鳴っている。 下北沢

    人はパンのみにて生くるにあらず - 空中キャンプ
  • 憂鬱な旅 - 空中キャンプ

  • エアメール - 空中キャンプ

    わたしはときどき、エアメールをだす。週に一回くらいはだしている。考えてみれば、けっこうな頻度である。とはいってもこれは、海外郵便のことではない。ここでいうエアメールは、エアギターのエアと同じなので、つまりは、一度は送信しようとおもったが、じっさいには送信していない携帯メールのことである。 メールってやつはけっこう気をつかうものだ。相手にメールをだそうと、ひとまずは作成画面にメッセージを入れていくのだが、しだいに、「これは、ないな……」と気持ちがしぼんできて、やっぱりこのメールは送らないでおこう、とおもい直すことが、たいてい誰にでもあるような気がする。そういうときは、ひとまずメッセージを最後まで完成させてから、心のなかの送信ボタンだけを押して、そのまま画面を閉じてしまうと、そのメッセージはエアメールとなって、ちゃんと相手のところに届くはずである。 そうしてわたしは、いろいろな人にたくさんのエ

  • 『サマーウォーズ』を見たゼ! - 空中キャンプ

    新宿にて。おもしろかったです! とてもよかった。爽快感にあふれたアクション、しっかりと練られた展開やモチーフ、コンセプトが定まったビジュアルデザイン、ストーリーがもたらす高揚など、どれもみごとで、どのシーンも見どころでした。夏休み映画ならではのわくわく感を欠かさずにもり込む作風も好印象。たのしく見れるいい映画でした。 ストーリーは、世界中のあらゆる機能──通信、各種インフラ、経済など──が集約されるネット空間「OZ」が何者かのしわざによって機能不全に陥り、夏休みで集まった親戚一同(これ、ほんとにいい設定だなあ)がその危機を回避しようとがんばる、という展開になっている。まず、なぜ仮想空間の名前が「OZ」なのか、という興味がわくが、見終えてみると、主人公の青年と、『オズの魔法使い』のドロシーには奇妙な共通点があることに気がつく。彼らはともに、自分のしたことがどのような意味を持つのかわかっていな

    『サマーウォーズ』を見たゼ! - 空中キャンプ
  • 他人の頭のなか - 空中キャンプ

    携帯電話の画面を他人から見えないようにガードするシールについてどうおもうかは、人によって意見の分かれるところである。人は弱さゆえ、ふと気がつくと、携帯の画面を隠すシールを買い求めてしまう。他人の視線が気になるのはやはり電車だが、たとえ携帯の画面を見られたところで、しょせんは知らない人だし、見られたからどうなんだとおもうこともある。しかし同時に、自分がこれから送ろうとしているメールの内容などを他人に見られるとなんだか恥ずかしいという気持ちも理解できる。 誰でも一度は、「きわめて深刻な内容のメールを送受信している他人」を目撃してしまったことがあるのではないか。わたしにもある。痴情のもつれと表現するしかない、かなりきわどい内容のメッセージを異性に送信しようとしている人を電車内などで見かけると、その送信待った! と心で悲鳴をあげてしまう。それほどに深刻で、愉快のかけらもないメールを送ったところで、