SNS社会において、食通に対する最大のdis表現となった「情報を食ってる」という言葉に対してイナダさんはどういう印象をお持ちですか? 僕は「情報だけを食ってるやつはだめかもしれんが、情報を食わないと食べたものへの焦点が合わないじゃんか」と思っているので、そういう表現を見かけると「情報もなしにあらゆる味がわかるなんてさぞグルメな舌をお持ちで」とシラけた目になってしまいます。 またイナダさんの個人的な見解とともに、一般的に飲食店の方はこの言葉にどんな印象をお持ちなのかも伺えると嬉しいです? 僕も質問者さんと全く同じ意見です。おいしさとは常に味とロマンの総和ですから、情報を否定するというのは、このロマンの部分をみすみす放棄することになる。あーもったいない。 「うまけりゃいい」「味がすべて」というのはいかにも正論ですが、自分の最初の感覚だけで気に入ったものしかおいしいと認めないということでもあるわ