田畑が点在する地域だけでなく、住宅地のそばにもあることがある用水路。全国の自治体に取材すると、年間に100人以上が転落するなどして亡くなっていることがわかりました。浅くて幅も狭く、流れも速くないのに、なぜ多くの人が亡くなってしまうのでしょうか。 「晴れの日」と「コメどころ」――。用水路事故が多く起こっている岡山県と富山県を歩くと、この二つのキーワードが浮かんだ。 47都道府県への朝日新聞の取材では、2017年度までの3年間に亡くなったのは、各自治体が把握しているだけで計339人(岡山のみ「年」単位)。実際にはもっと多い可能性が高い。自治体ごとに集計方法が異なるため単純に比較できないが、特に多く把握していたのは、岡山(73人)、富山(68人)だった。 この2県では、いったい何が、どのように危ないのだろうか。