2月中旬以降、ミャンマーとタイ国境付近の街から、多数の外国人が解放されたニュースが世界中で盛んに報じられている。これらの街は中国系組織の詐欺拠点となっていて、日本人の男子高校生2人も詐欺行為を強制されていたと判明した。 日本の報道はミャンマーばかりに注目しがちだが、実態はラオスやカンボジアなど他の諸国も変わらない。中国系の犯罪組織が、東南アジア各地を拠点に繰り広げる特殊詐欺の被害額は、全世界で年間10兆円規模ともいう。 日本でも被害者が続出しているこの詐欺の実態とは――前編記事『ミャンマー「中国系詐欺パーク」に大接近!…マンション丸ごと「詐欺拠点」、反抗すれば虐待・射殺の地獄』に引き続き、これまで世界各地の中国系社会を取材してきたルポライターの安田峰俊氏によるレポートをお届けする。 詐欺が成功すると、打ち上げ花火でお祝いとりわけ派手なのが、ラオス北部の金三角経済特区(ゴールデントライアング