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ブックマーク / abekaheki.blog72.fc2.com (9)

  • 文化ブログ 『魔法少女まどか☆マギカ』に見る文化の同時代性

    アートの世界では、一昨年頃から、世界的にフレーム(額縁や枠組み)といった言葉がキーワードとなり、少し前まで当り前のように存在していた絵画の額縁や、彫刻やペインティングといったジャンル、さらにはアートや芸術といった根の枠組みまでも問い直すような動きが生まれている。それはたぶん、2001年の同時多発テロや、2007年からのサブプライムローン問題といったことにも連なる、社会や人々のあり方への問い直しの動きの表れだと思う。そんな時代に、アニメーションの世界でも、これまでの決まり事に疑問を投げ掛け、その枠組み自体を問い直す作品が生まれて来た。萌系のキャラクターデザインを敢えて採用した『魔法少女まどか☆マギカ』は魔法少女ものと言われるジャンルの定石をことごとく覆しながら、多くの視聴者を獲得してきた。震災の影響で残り2話が放映できず、放送が一時中断しているこのアニメの持つ、時代に突き刺さる魅力について

  • 文化ブログ 「では村上隆さんの何が凄いのか・フィギュア編」~『芸術闘争論』トークショー@大阪を聴いて~

    前回は対論者の森川嘉一郎さんが日の美術教育の問題点をズバッと切り裂くプレゼンを行った『芸術闘争論』トークショー。3回目となる今回は大阪に会場を移し、村上さんの「芸術方法論」的な話が2時間半、みっちりと詰め込まれた内容だった。しかし世界のアートのシーンの状況をほとんど知らない聴衆にとっては、の内容につながる自作の解説はまだしも、村上さんが「僕の作品はミニマリズムの人々がやってきた手法に依存している」と例に挙げた作家たちの話は、「日ではほとんど観る機会のない作品」ということもあって、多くの聴衆が十分咀嚼できないかなり高度なものだった。 ニコニコ生放送もなかった今回のトークは、場所が関西ということでぜひ参加しようと当日までに『芸術闘争論』を読み込んで会場入り。立ち見も含め、150名ほどの聴衆が集った会場は、主に20代のおしゃれ系の屋で買い物をするような若者を中心に、中には70代のロマンス

  • 文化ブログ 京都ボスキャラの集い~京都藝術オープニング「SANDWICH(名和晃平さんのスタジオ)×仔羊同好会イベント」に参加して~

    京都のアートシーンは熱い!そう思い出したのはいつ頃からだろう。そう、5月の連休中に開催された京都造形大の『FRESH MEETING!(フレッシュ ミーテング)』というイベントの時だった。今ではアートバトルロワイアル(ABR)Ustなどで知名度を上げた0000(オーフォー)ギャラリー、初めて出会った時の衝撃が今も残っている遠藤一郎さん、その他にも多くの京都関連アーティストたちとの出会いがあったそのイベント。そしてその時、「8月にはさらに京都が盛り上がりますよ」と0000の緑川さんが自信をもって言った「京都芸術」と「わくわくKYOTO」が開催されるその月が、名和晃平さんのスタジオ「「SANDWICH」で、京都藝術オープニングイベントと共に幕を挙げた。 以前から気になっていた名和さんの「SANDWICH」スタジオが開催場所ということで、ぜひ行きたいイベントとしてチェックしていたが、当日は京都国

    laislanopira
    laislanopira 2010/08/09
    京都にスタジオを構える20代30代の人々
  • 文化ブログ 『アートが創る熱い夏』~瀬戸内国際芸術祭2010「直島」を巡って~その1

    「美術手帳」、「PEN」、「旅」といった大手誌が増刊号や特集を組んで紹介している瀬戸内国際芸術祭。しかしそれらの記事は、「広告料」や「プレス待遇」といった「特別な関係」の中で書かれた記事であるだけに、当の意味での読者にとって行く価値のあるイベントかどうかが見えてこないものが多い。そこで今回の「文化ブログ」では、「広告料」や「プレス待遇」といった「特別な関係」のないフラットな視点からこの芸術祭が行く価値のあるものかをこの目で確かめてみた。 はっきり言ってこの瀬戸内国際芸術祭は、高い交通費や宿泊費を払っても行く価値があります。それは今回、日程の都合上、2日間で「直島」、「犬島」しか見れなかった中でも十分理解できるものだった。特に一部で「世界の直島」と言われている直島の凄さは、新たな芸術やアートの可能性はこんな風なものかもと思わせる程のものだった。 実際、直島を巡る前は、よくある「世界の○○」

  • 文化ブログ カオスラウンジで注目の黒瀬陽平さんが投げ掛けた問い

    先日行われたGEISAI大学放課後討論会のユースト(Ust)配信の記事「黒瀬さんヘタレ受け」が、お陰様でトータルアクセス3000越えしました。あれだけの内容だっただけに、一人でも多くの人に知ってもらおうと思い書いた記事に、これだけアクセスしていただき大変嬉しく思っています。 あれ以来、すっかりカオスラウンジのことが気になって、なかなかブログを更新できなかったのですが、暇を見つけて調べている内に辿り着いた黒瀬さん関連の情報を紹介します。先月の出来事なので、幾つかのブログやトゥギャッターでまとめられたものなのですが、個人的に考えてみたかったので記事にします。 『芸大不合格者展』として一部で話題となった出来事は、先月13日、黒瀬さんが芸術系予備校の講師として指導してきた東京藝大・先端芸術表現科の受験生の中に「こいつなんで落ちたん!?」というレベルの不合格者が複数おり、黒瀬さんがそのことに憤ったツ

  • 文化ブログ 『死なないための葬送』としての『はめつら!』

    椹木野衣さんの「荒川修作展がとてもよかった。明日日曜までだが見た方が」というつぶやきを見て以来、気になっていた『死なないための葬送…荒川修作初期作品展』。同じく最終日でクロージング・パーティーがあるという「破滅ラウンジ」の関西版『はめつら!』とは四ツ橋線一ということもあり、2つ展示に行ってきた。あくまで個人的感覚だが、その2つは『死』を媒介に共鳴し合っているように思えたのでそのことについて書いてみたい。 荒川修作という作家を知ったのは、今から1ヶ月ほど前の5月19日、ツィッター(twitter)のタイムラインに、尊敬や敬意をもって荒川修作のニューヨークでの死が伝えられた時だった。どうやら有名な建築家であること以外、もうひとつ明確なイメージが持てないまま、誰かが探してきた荒川修作講演会を収録したMP3を聞いた。 個人的には、何を言っているのか理解できないような発言も多かったが、何かそこにあ

  • 文化ブログ 凄すぎる!村上隆さんの本気in台湾

    もしあなたが現代美術に興味があるなら、決して見逃してはいけないのがカオスラウンジ以降の村上隆さんが行っているUst(ユースト)生放送。今回は事前予告もなく、急遽放送が開始され、危うく見逃すとこだった台湾からの放送。(アーカイブ化されているので見逃しても後追いできるが、やはり何か起きるか分からないライブ感を味わいたい)その中で当に凄かったのが、村上さんが台湾の若者たちの質問に答えたQ&A。村上さんが気になった時、何が起きたかをまとめたい。 昨年のGEISAI台湾のダイジェスト映像に続いて始まった登場直後、村上さんは「この数ヶ月で日ではアートに大きな変化がありました」と話し始めた。「アーティストの意識がネットワークの進化によって随分変化してきている。ネットワーク上の新しいメディアの中で表現したい、何か伝えたいという人々が出てきていて、アートの概念も拡散。アートが形のあるものだけでなく、情

  • 文化ブログ あずまん(東浩紀さん)が見た破滅ラウンジのリアリティ

    昨夜、DOMMUNE(ドミューン)ユースト(Ust)で配信されていた東浩紀さんと渋谷慶一郎さんのトーク『王様と割礼』。中盤までのグダグダさからは信じられないほどの緊張感を見せた、終盤の破滅ラウンジトーク。DOMMUNEではアーカイブ化されないようなので、要点だけをまとめたいと思う。 開始直後から破滅ラウンジのことが話題になったトークだが、話はいつのまにか割礼話や「幼馴染み」のような仲という二人の過去の体験談、女子を交えた下ネタトークとなっていった。正直、1600人以上の視聴者が何を好んでこんなトークを見ているのかと思いだした頃、会話は急に熱を帯びだした。 下ネタの返しとして東さんが言った「言葉が力を持つ世界に生きていたい!(酔い)」という発言から展開がシリアスに流れだすと、初音ミクなどのボーカロイドがヒットした理由を、「日独自のキャラクター的要素から引き出される想像力にある」と分析。さら

  • 文化ブログ GEISAI大学討論会での黒瀬陽平さんのヘタレ受けの見事さ

    昨夜の19時からユーストリームで配信された村上隆さんが主催するGEISAI大学の黒瀬陽平さんの講演。さらにそのあとに続いた放課後討論会。計6時間半に及ぶ放送がやっと終わり、今この文章を書いています。 最終的には2200人の視聴者がその討論をネットで視聴した討論会。先週の濱野智史さんの講演を村上さんのツイットで知り、初めてユースト生放送を見てその面白さに興奮した一週間後の討論会は祭りのような盛り上がりを見せた。 しかしそれは講演内容が素晴らしかった結果というより、「ゼロ年代と呼ばれたこの十年、日のアートは何も生み出さなかった」とカオスラウンジ宣言で宣言しながら、新たなアートの現場としてのカオスラウンジを定義づけていない黒瀬さんに対する盛り上がりだった。 椹木野衣さんをはじめとする多くの美術関係者が見守る中行われた講演は、ネット上で趣味の延長線的に生み出された表現の動向や、その動向が現実へつ

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