アートの世界では、一昨年頃から、世界的にフレーム(額縁や枠組み)といった言葉がキーワードとなり、少し前まで当り前のように存在していた絵画の額縁や、彫刻やペインティングといったジャンル、さらにはアートや芸術といった根本の枠組みまでも問い直すような動きが生まれている。それはたぶん、2001年の同時多発テロや、2007年からのサブプライムローン問題といったことにも連なる、社会や人々のあり方への問い直しの動きの表れだと思う。そんな時代に、アニメーションの世界でも、これまでの決まり事に疑問を投げ掛け、その枠組み自体を問い直す作品が生まれて来た。萌系のキャラクターデザインを敢えて採用した『魔法少女まどか☆マギカ』は魔法少女ものと言われるジャンルの定石をことごとく覆しながら、多くの視聴者を獲得してきた。震災の影響で残り2話が放映できず、放送が一時中断しているこのアニメの持つ、時代に突き刺さる魅力について